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1-48:76年目の秋です(2)

ふふふ~~~ん、相変わらず頑張り屋さんの樹です!

先日の反省を生かして木の実の形を妖精さんにするのは断念した樹ですよ~!

またもや挫折を覚えたわたしなのですが、根本的な所を勘違いしていた事に気が付いたのです!

そうなのです、わたしの実力とは実の形を変える事なのでは無いのです!実を作る事がわたしの力なんです!

そして、更には!わたしの意思を感じ取った実が、わたしの思いの通りに育つことなのです!


そうですよね、わたしが態々作ったりしなくても、きっと木の実から妖精や精霊が生まれるはずなのです!

もしかして、お花が育ってその蕾が花開いたらそこに妖精がいるのでしょうか?

それとも、木の実から飛び出して来るのでしょうか?

という事で、わたしはせっせと思いを込めて木の実を作って行きます・・・・けど?

何でしょうか、相変わらず動物さん達の争奪戦が始まっています。

昨年はあまり木の実を作らなかったせいでしょうか?何か今年は例年以上に鬼気迫る様子ですね。


・・・あれ?でもですね、あの、みなさん、先日の人型木の実がまだ落ちてますよ?

だから中身は変わらない・・・おや?木の実さん、あなた何で歩いているのですか?というか歩けたのですか?関節部分はどうなっているのでしょう?

それ以上に動物さん達はなぜ彼ら?を避けているのでしょうか?


むぅ、何やら混沌とした状態になってきました。あ、そんな事はないですね、木の実さんは皆さん隊列を組んで森の方向へと進んでいきますね。

う~~ん、あの方向は人族の人達が集まってこっちへ向かってきている所ですね。

人型木の実さんは何がしたいのでしょうか?

もしかして、自分達の地位向上を目指して人族の国へと行きたいのでしょうか?


そういえば、わたしの子供も彼らの国で育っていた記憶が有ります!

あれ以降音沙汰がなくなっていましたのですっかり忘れていました。

という事で、映像を見てみましょうかと映像を切り替えようとしました。

その時、ふと映像になんか変な物が写っちゃいました。


ん?何かな?今思いっきり変な映像が写っていた様な?

そう思って先程の映像を見ようと意識を切り替えます。すると、そこには今森の中をこちらに向かってきていたはずの人族が写りました。そうです、向かってきていたはずなのです。

しかし、彼らはどうやらハンティングされてしまったようです。

彼らの口からちょっと飛び出てるのは・・・人型木の実さんの顔?それも後記リアル仕様でした。

うん、ちょっとあれはホラーですね、何となく人型木の実さんの顔の皺が笑顔に見えるところがより、いえ、かなり嫌です!

で、なんでハンティングかというと、人族さんの口に強引に飛び込んでというか、自分から食べられに行ってますね。人族弱すぎません?木の実に押さえつけられてるんですけど?

皆さん涙目ですけど、お味はそんなに悪くないはずなんですが?

まぁ味見した事ないですけどね、味覚がないですし、そもそも口が無いですから。

というか、味覚がほしいから今試行錯誤しているんですけどね。


とにかく、木の実を食べた人族の方たちはなぜか泡を吹いて倒れてますね、アレルギーでもありましたか?

一応、見てる限りでは息はしているようなので、死んではいないみたいですが。

あ、あ、あ、一通り人族の方に木の実が行き渡ったみたいですが、後続の人型木の実さんが現場を見て手近の木に登り始めました。

ふむ、どうやら人族の方達の後続を狙う様ですね。

後続の方が人も多いですし、先程の方達は斥候の人達だったのでしょうか?


おお!後続の人達が慌てて倒れている人たちに駆け寄りました。そして、その瞬間上から一斉に人型木の実さんが落下していきます。


でも、思ったのですが・・・あの木の実達って関節無視して普通に動いてますよね?

自律しているみたいですし、もしかしてカテゴリー的に妖精なのでしょうか?

う~~~~ん、なんか色々感情的に認められない所がありますね・・・そうだ!妖怪ですね!それでいきましょう!


じ~~~~~~じ~~~~~~


な、なんですか!これわたしが悪いんじゃないですよね!

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