1-5:40年経ちました
あ、お久しぶりです、10年ぶりですね~
転生者の樹です。覚えて見えますでしょうか?
あっという間に10年が過ぎ、もうこの世界でも40年という月日が過ぎてしましました。
月日の流れとは、なぜ是ほどまでに早く、そして残酷なのでしょう。
見てください、私のこの枝を、もう皺だらけですよ?肌ももう樹の皮のようにゴツゴツです。
って、樹ですからしかたなですよね~
ちょっと大人ぶって初めて見ました。ちょっと大人の魅力を感じましたよね?
ドキドキですよね!
あと、流し目ひとつ加えればもう相手もメロメロですよ!
でも、流し目するのに必要な目はどこにあるのでしょうか?
周りが見えるのですし、きっと何処かに目、又はレンズがあると思うのですが・・・
それにしても、もう40年ですよね、早いなぁ、最近は特にあっという間に時間が過ぎちゃうんですよね~
これって歳のせいでしょうか?
特に、冬なんてもう寒くなってきたな~って思いながら寝たら、暖かい風に気が付いて目を覚ますと春でしたって事もありました。
もしかして、冬眠でもしたのでしょうか?樹って冬眠するのかな?
それはさておき、わたしを取り巻く環境は、またこの10年で更に変わりました。
何と言っても動物が更に増えましたよ!種類じゃなくて頭数ですが。
草食の動物さんたちは、食事も安定してて、気候も良いおかげか、安心して子供を生める為にどんどん頭数が増えていきました。そして、そうすると肉食の方々もその豊かな餌?が有る為こちらもどんどん頭数が増えていくのです。
10年前に出来かけていた森は、ようやく林のような形になっています。そして、そこも小型の生き物たちの格好の住処になっているみたいですね。
なんにせよ、わたしは遠目でしか見れませんし、詳しく調べた訳ではないですけど。
とにかく、お日様がポカポカしてて、飢えさえしなければわたしはそれでいいのです。
ん?あ、リスさん(角付)何か御用ですか?
何か気が付けばリスさんがわたしの体を駆け上がって来ましたよ?
あ、駄目ですよ?角でわたしをカリカリしては、穴が空いちゃいます。
え?あ、水が欲しいのですね。ちょっとまってくださいね。
わたしは、葉っぱに水の滴を貯めて降らせます。すると、リス以外の生き物たちも私の下でせっせと水を飲んでいます。
う~ん、やっぱりどうにかして水場をつくらないとですね。
わたしの子達はみな逞しいのでみんな地下の水源からせっせと水を飲みますけど、動物さん達にはそれは厳しいですからね。
もしかすると安定した水場が無いのにここまで緑が豊かだという事は不自然なのでしょうか?
動物さん達も水の補給に困っていますから。
どうにか水場をつくらないとですね。そうしないと、いつかわたしは禿げるかもしれません。
もっと悪くすると穴が空いちゃうかもです!
そうです、困ったときは実力です!わたしの実に丸投げしましょう。
そう思って頑張って実を付けました。そして、地面へ落とします。
ふふふ、これであとは実がなんとかしてくれるでしょう。
そんな事を思っていたら。
あ、あ!駄目ですよ!その実は食べ物ではないですよ!
わたしが目を離した隙に、木の下に来ていた動物達に実が全部食べられていました。
が~~~~~~ん、わたしの実力が・・・