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1-42:75年目の冬になってました

う~むにゃむにゃ・・・・み?あ、あ、おはようございます?樹です。

駄目ですよ~乙女の寝顔を見るなんて!え?顔は何処にあるですか?さぁどこでしょうか?

ん~~何となく肌寒い気がします、いつの間にか冬に入ってます?

そういえば、ウサギさんに怒ってそのまま不貞寝をしたのでした、むぅ、ただ香りを出して寝るのは良いですね!目覚めが心持すっきりしている気がします。

次はラベンダーなんかも良いかもしれませんね。


そんな事を思いながら、ふと周りを見回すと、んん~~なんでしょう?

遠巻きに動物さん達がちらほらといます。

リスさんがちょこまかと何やらダンスを踊ってます?

狼さんも一定間隔で遠吠えを上げてますけど何かあったのでしょうか?

他の動物さん達も、何か踊ったり、走り回ったりしてますね。わたしに向かって走って来ては途中で引き返している動物もいますね。何がしたいのでしょう?


わたしがそんな事を考えていると、誰かがわたしの足元にいます。

周りの光景に目を奪われて気が付いていませんでした。

そして、視線を下へと向けると!!!


エルフっ子、鬼っ子達が塊になって寝ています。

恐らく人族からみんなが盗んできた洋服などを重ね着して真ん丸です!

でも、それが何とも可愛いですね!うわ~いつも映像では見ていましたけれど、いつの間にか大きくなりましたね~直に見ると改めて感慨深いです。


でも、貴方達なんでそこで寝ているのです?狼さん達と仲違いしたのでしょうか?

わたしが、そんな事を思っていると、エルフっ子と目があいました。

うん、昔から思っていたのですけど、この子わたしが見えているのかな?いつもキチンとわたしに視線を合わせてきますものね。

わたしがそんな事を思っていると、エルフっ子が慌てた様子で他の鬼っ子達を揺り起こします。

どうしたのでしょうか?


その様子を興味津々で眺めていると、子供達が慌ててわたしに向かって頭を下げます。

え~~~っと、見事な土下座ですね。何でしょう?何があったのでしょう?

わたしがワタワタしていると、子供達は何かの仕草を繰り返すのですが・・・もしかして香りが駄目?

この子達も野生育ちと言っても良い感じですからね、キツイ香りが苦手なのでしょう。

でも、狼さんとかなんっていうか臭そうじゃないですか?ほら、野生動物ですからペットの美容院なんてないですものね。とにかく、出しっぱなしにしてた香りを止めましょう。子供達が嫌がる事をするのは本意ではありませんし。


という事で、香りを出すのを止めたのですが、すると周りにいた動物達が何やら大興奮してます。

そんなに嫌だったのでしょうか?柑橘系の良い香りなのですけどね。

でも、そうすると子供達は嗅覚があんまり鋭くないのでわたしの処まで来ていたのですね。

樹に成っていた木の実はこの子達が集めたのでしょうか?無くなってますね、今気が付きましたけど。


ん?エルフっ子が何か話しかけてきてます。

んんんん?何でしょう?言葉はまだ覚えてないのですよ?75年かけても覚えない言語能力。

ある意味すごいですね!わたし暗記系苦手でしたからね~、もちろん数学も駄目でしたけど、え?得意なものはあったのか?ですか?・・・・読書です!本はいっぱい読みましたよ?

・・・・お願いですから無言は止めてください!心が折れそうです!

そんなこんなしている内に、ようやくエルフっ子が何を言いたいか予想が出来ました。

そうですよね、冬ですもんね、わたしいつも今頃はモコモコしてますものね。いつもモコモコする度に奪われてますけど。


そうですね、もう冬ですもんね。

モコモコは確かに防寒に非常に有効ですけど、何せモロイですから夏にはボロボロに崩れちゃいますからね。今年の冬を越すためのモコモコが欲しかったのですね。


ともかく、わたしも肌寒いのでモコモコを作りましょう。

ある意味、わたしの数少ない特技の一つですよね、このモコモコ。

うん、作る傍からエルフっ子達が剥がしにかかりますね。まぁ毎年の事なんですけどね。


そんなこんなでモコモコ製造していたら、比較的嗅覚が鈍い動物さん達から順次わたしの処へとやってきます。そして、ある動物はモコモコを剥がしにかかり、ある動物はどうも木の実が落ちていないか探し回っているみたいです。

う~~ん、今年はわたしも木の実をほとんど作らなかったですからね。

でも、モコモコ作るのに結構気力を使うのですよね。作っても作っても剥がされますし、だからモコモコ以上に疲れる木の実は正直この季節に作りたくないです。

今年はもう木の実は打ち止めにしちゃいましょう。

わたしがそんな事を思っていると、漸く狼や大型猫さん達みたいな動物達がわたしの傍までやってきます。


「クゥクゥ」


オオワシサンも漸くわたしの枝に止りました。鳥も匂いに敏感なのですね、そんな事を思いました。

今までのオオワシサンらしくない鳴き声です。どことなくわたしを心配している感じがします。

その事に若干ですが、心が安らぐ気がします。


オオワシさん、先程から文句を言ってやろうとウサギさんを探しているのですが、他の角ウサギさんは来られてるのですけどウサギさんは見当たりませんけど?ウサギさんも拗ねてます?

わたしがそう尋ねると、大型猫さんの子供達が何やら騒いでます。

そして、ソロソロと2頭の大型猫さんの子供が前に出てきてます。

ふぇ?なんか腹が立ったので食べちゃった?え?木の実食べ損ねたからやっちゃった?

あ、え、そこでテヘペロってされても何も変わらないと言いますか、美味しかったですか、そうですかよかったですね・・・・はぁもう何と言いますか、もともと食べるか食べられるかの関係ですものね。


・・・・なんか色々考えてましたけど、どうでもよくなっちゃいました。

う~~んと、予想外の結末に?

ウサギさんの冥福をお祈りいたします~~

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