1-4:30年経ちました
う~~ん、むにゃむにゃ、す~~す~~・・・はっ!
あ、転生者の樹ですよ!
寝てませんよ、起きてましたよ!
ってわたしは誰に言い訳してるのでしょう。
とにかく、気が付けばあれから更に10年が過ぎました。
こちらへ来て30年ですね、ほんと、時間が過ぎるのは早い物ですよね。
あちらで生きていた年数をもう超えてしまいましたよ?
え?なんでそんなに正確に年数を数えれるのかですか?
だってわたし樹ですから。なんか生まれて何年?って考えると自然に浮かんでくるんですよね。
もしかして、年輪で体に刻まれているのでしょうか?
そんな事よりもステータスや種族名なんかが浮かんできて欲しかったですね!
ともかく、更に10年が過ぎて、なんと!な、なんと!動物達が増えました!
今も目の前には馬みたいな生き物(角付)の集団が草を食べてます。
子供達がギャーギャー騒いでいるような気がしますけど、きっと気のせいでしょう。
他にも、兎の様なモコモコした生き物(角付)がぴょこぴょこ飛び跳ねてます。
そして、なんとその傍らには明らかに肉食お好きですよね?っといった大型の猫の様な動物(もちろん角付)が子供と一緒にのんびり昼寝をしています。
ほわ~~日差しがあったかいですからね、みんな揃ってお昼寝タイムです!ポカポカスヤスヤですね。
・・・・はっ!危ないです!見ていたら、わたしまで眠ってしまいそうでした!罠ですね!
とにかく、最初の馬さんぽい子が来てからしばらくして、次第に色々な動物達を見かけるようになってきました。
最初に見かけた子達はみんな痩せ細って今にも倒れそうな子がいっぱいいましたけど、今ではみんなふっくらしてます。
あ、そうです、ふっくらと言えば最初の頃は大型肉食猫さん達が目の前で狩を始めたんです!
あれは衝撃的な映像でした。グロです、スプラッタです、思わず”ふぎゃ~~”って叫びました。
もちろん本当に叫べた訳ではないですけどね。
でも、その時大型肉食猫さん達がしばらくこっちを見て、その後お肉を加えて遠くへ離れて行ったんです。
わたしが嫌がっているのが気が付いたのでしょうか?
とにかく、それ以降はわたしの目の前で狩は行わなくなったんです。
目の前って言っても本当に目の前でだけっぽいのですけど、遠くで狩をしている姿は何度か遠目に見えましたし。
あ、大型肉食猫さんの子供が起きました!おお、お母さんのお腹にへばり付きます。授乳ですね、お母さんも大変です、ほら、お母さんも起きちゃったってそこで猫パンチですか!
子供がコロコロ転がります。
お昼寝の邪魔だったんですね!わかります!大自然は斯くも厳しいのですね!
そんな自然の厳しさを見ていると、遠くで何かが飛び回ってますね。
じ~~~、じ~~~、ズームですよ!じ~~~、あ、やっと見えた!
あ、春ですもんね、恋の季節ですよね、ごめんなさい。
きゃっきゃうふふから大人の世界へと変わってました。
と、とにかく気分を変えて、わたしの周りの説明を続けましょう。
まず、わたしが大きくなりました!今では10mくらいの大きさではないでしょうか?メジャーが無いのでなんとなくですけど。
そして、兎さんなどが丸見えでは安心できないかなっと思ったら、周りに生えてる草がだいたい30cmくらいまで伸びました。兎さんがすっぽり隠れられる高さです!
あと何かあったかなぁ?え~~っと、あ、まだ1mくらいの高さですけどわたし以外の樹が伸び始めてます。ほら見てください、あそこです、このまま増えていくとあそこは森になるのでしょうか?
同じ樹の種族としてお話しできるかと思ったのですが、残念ながらお話はできませんでしたけど・・・。
あと、わたしもその森の仲間に入りたいな~って思ったのですが、なんとなく拒絶された気がしました。
お日様に当たれなくなるとか、そんな感じの拒絶に思えました。
うん、日向ぼっこは大事ですもんね。