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3-66:すべては健康が資本なのです。

「イツキちゃん、ただいま~、疲れたわ」


朝ごはんを食べて次の行動をどうしようか悩んでいる内に、おかあさんが帰って来ました。

出かけてからそれ程時間は過ぎていないのですが、割とあっさり帰って来ましたよ。呼びに来たマーサさんの感じでは結構大変な様子だったので時間が取られているかと思っていたんですが、勘違いだったのかな?


私がキョトンとした表情でお母さんを見ていると、それに気が付いたお母さんがなぁに?って感じで首を傾げます。


「ご用事は終わったのです?もっと遅くなるのかと思ってたのです」


素直に私が尋ねると、お母さんはコロコロと笑います。


「自治会の人達は自分達に関係ない所まで関わろうとするから、きっちりと線引きしてきただけよ?ほら、何か勝手に自分達で抱え込んで、あ~でもない、こ~でもないと話をしてるんだもん。お母さん吃驚しちゃったわ」


そう言って笑うお母さんをポカ~~ンと口を開けて見上げます。


何となく言いたい事は解ります。でも、そんな簡単な事じゃないような気がするのですが。

そんな最中にお父さんも仮眠から目覚めた様で、部屋の奥の方で物音が聞こえました。


「おとうちゃま起きたみたい?」


「あら、そうね、とりあえずお茶を入れるわね」


「あ、奥様、お茶は入れますのでお寛ぎ下さい」


「え?あ、マーサさん、そしたらお願いね」


未だにお手伝いさんがいる生活に慣れないお母さんです。うん、私もぜんぜん慣れないのですけどね!

そんな中、お父さんがやって来ました。


「すまん、寝すぎたな」


寝起き感が思いっきり漂っているお父さんだけど、疲れはぜんぜんとれている感じがしないのです。


「あなた、無理しないでくださいね」


「おとうちゃまが倒れちゃったら意味が無いのですよ」


ともかくお父さんに椅子に座って貰います。


「先程マーサさんが来たので話を聞いて来たの。何でも居留地で多数の病人が出たみたいで、どう対応するかって事だったからこの町に入る人の健康状態に注意して、病人がいたら一時的に隔離する必要があると思って領主様の所へ報告に走らせたわ」


「ん?そうか有難う、迷惑を掛けたな」


「馬鹿ね、家族なんだから変に遠慮しないで」


コロコロ笑いながらお母さんは自治会へ行って来た事、そしてそこであった打合せ内容を更にお父さんに説明しています。


「うん、私が行ってもそれ以上の対応は出来ないな」


そう言って微笑むお父さんですが、これから自治会へ向かうと言う事ですっごく心配になっちゃいます。だって、いつ倒れてもおかしくないような感じなのです。


「あなた、私も一緒に行くわ」


「いや、伝染病だとすると出歩くのも心配だ、それに自治会はこれから人の出入りが激しくなると思うから、イツキと家で待っててほしい」


「弱っていると病気に罹り易いのです。だからおとうちゃまは今病気に罹り易くなってるのです。だから自治会へ行っちゃ駄目なんですよ!」


お父さんをこのまま自治会へ行かせるなんてありえないのです。もしこれでお父さんが病気で倒れたりしたら後悔で船が沈んじゃいますよ絶対。


「おとうちゃまは家族と自治会のお仕事とどっちが大切なのですか?おとうちゃまにもし何かあったらイツキ達は生きていけないかもしれないのですよ?」


「いや、それはだな」


お父さんが言葉に詰まります。


「そうですよ、どんなに良いお家に住んでも、お食事が豪華になっても、家族みんなが笑顔でなければ意味がないわ。家がボロボロでも、お肉がぜんぜん食べれなくても、お父さんが元気であってくれればそれで幸せよね~」


お母さんがそう言って笑顔で私を見ます。


「でも、時々はお肉が食べたいです」


私が思わず正直にそう言うと、家族みんなが顔を見合わせて、そして吹き出しました。


「そうだな、お父さんもちょっと勘違いしてたかもしれないな」


私の頭をポンポンしながらお父さんも笑顔を浮かべました。

良かったです、いつものお父さんです。


「そうだな、もう少し休んでから行く事にしようか。流石にちょっと疲れてたからな」


そう言うと椅子の背にぐ~っと身体を持たせ掛け、伸びをしたお父さんはお母さんが出してくれた紅茶をゆっくりと飲みはじめました。


「お茶を飲み終わったらお昼の用意を始めますから、それまでもう一度眠られたらいかが?」


お母さんがお父さんにそう薦めると、お父さんも頷いてお茶を飲み干して立ち上がりました。


ドンドンドンドンドン!


しかし、世の中とはなんと無情なのでしょうか。

穏やかに、何となくマッタリと流れていた空気は、突然のノックで打ち破られたのです!


「アンナ、悪いけど」


お母さんが話を終えるまもなく、扉が許可なく強引に開きました。


「ちょっと!いまバキって音したよ!バキって!」


驚く私の言葉もそっちのけで、ドカドカとかってに我が家に入ってきたのは、恐ろしい顔をしたピーチャンでした!あ、恐ろしい顔はいつもだったね。


「イ~~ツ~~キ~~!これは何だこれは!」


凄い剣幕で我が家へと踏み込んできたピーチャンは、その手に何かを持っていて、私の目の前に突き付けました。


「・・・・・・これなに?」


何か緑っぽい色をした、ぬるぬるした生き物です。イメージ的にはスライムと毛虫の合いの子?むにょむにょ動いているのが何とも言えない不気味さを演出しているのです?


「むぅ?貴様がまた余計なことして生み出したんじゃないのか?」


何かすっごく失礼な事を言ってませんかこの人。ただ身に覚えのないのでとにかく冤罪なのです。


「失礼なのです。そんな生き物しらないのですよ?っていうか生き物なのです?」


ピーチャンさんが持っている生き物をじっと見ますが記憶に無いですというか、私が創れるのは多分植物限定だと思うのです。あれ?動物も作れるのかな?今度試してみましょう。


「しかし、この生き物の周囲を薬草達が取り囲んでいたガ・・・・・・てっきり・・・・・・う~む」


むぅ、ピーチャンは冤罪しかけたのに謝罪も無いのです!それはともかく、まずはお家の扉を直さないとなのですよね。

ところで、いつの間にかピーチャンの後ろに薬草さん達が集まっていますが、何ですかその表情は!

まるで我が子を忘れた母親を見るような冷たい眼差しなのですよ!

夏バテ?暑さバテ?ともかく体調不良でウダウダなのです><

疲れが半端なく残るので、執筆時間が思いっきり影響をうけています。

みなさんも重々健康にご留意くださいね!

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