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1-22:72年目です、冬籠りの準備です

誤字訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

みんなの笑顔が嬉しい樹です。

今年も森は実りが豊かでみんなも笑顔です。

リスさんなどはせっせと木の実を貯め込んでます。色々と分散しながら隠してるのですけど、あれみんな場所を覚えているのでしょうか?


熊さんとかはどこで冬眠するのか興味津々で追いかけて行ったら、これがなんとお家を作っていました。

粘土を固めてのカマクラみたいな御家ですけど、それが集落を作ってるんです。

もう吃驚ですね!クマさんは比較的器用でしたから、ある意味作ってもおかしくは無いのかもしれないですけど、ぺったんぺったん土を盛ってる姿はすっごく可愛いのです。


その後ちょっと興味を持って色々な種族の人達の冬籠りを確認して回ったのですが、まず一つはみんながわたしの子供達の樹を中心に集まって暮らしているって事ですね。

ですから、みんなの生活がよく見る事が出来ます。

昔よく頼まれたのは、それぞれの種族の村造りの為だったのでしょうか?


古くからいる方達の村には樹が3本もあるところがありましたし。


そして、最大の驚きは何と言ってもオオワシさんです。


すいません、此処何処ですか?

こんな山ってわたしの近くに無かったですよね?


そうなのです、山の崖に巣が作られているんです。そして、その麓に樹があるので、見上げる事は出来るのですが、こんな山わたし本体から見えないんですよね。

そして、この山にも子供達が何人かいて、狼さんさん達も此処にいました。

新しく森に来た動物の多くはここの出身なのかもしれません、でも、どれくらいの距離を移動されてるのでしょう?


子供達の位置を点としての移動なので全体把握が難しいのですよね。


夜に星を見て、何となくの位置を確定しないとでしょうか?


やらないといけない事が段々と増えてきますね。困った事です。

そろそろ、子供達の誰かが役割を引き継いでくれないでしょうか?

ほら、72歳なんて普通とっくに定年してますよね。隠居して縁側でお茶飲んでて良い年ですよね?


う~~~え?う~~~~む?


何かよく解らない反応しか返ってきませんね。

これ、本当にわたしの子供でしょうか?わたしの子供ならもう少しシャキッ!っとした所があっても良いと思うのですが。

ん?なんか周り中から呆れたような意識が飛んでくるのですがなんでしょう?何かあったのでしょうか?


と、とにかくですね、なんか動物さん達もわたしの常識から掛離れてきている気がします。

なんで大型肉食猫が穴を掘って地面の中に住んでいるんでしょう。入り口を少し盛り土して、雨水対策までされてますし、どっかおかしくないですか?


そんな事を思っていると、人間だった?子供達がせっせと木下に落ち葉を集めています。

ん?あ、周りを盛り土してますね、あれって地味に虫や蛇対策になるんですよね?

その中に落ち葉や枯草を敷き詰めてます。でも、屋根はどうするのでしょうか?


とにかくみなさん冬籠りの準備で忙しそうですね。


え?森の外の避難民さん達ですか?

なんか皆さん森で木の実やキノコが集まったらどっか行っちゃいましたよ?

それはもう、一部子供と病人を置き去りにしていなくなっちゃいました。

ある意味潔いくらいの薄情さですね。


え?病人さんはどうしたのかですか?

子供は宝ですから保護しましたよ?既にいた子供達が。

大人や老人ですか?自然は厳しかったのです!


◆◆◆


ロマリエの下に一通の報告書が上がって来ていた。

そして、その報告書にはついにフランツ王国が軍を動かす旨が書かれていた。


「やはり目的は魔の森ですか、動員人数は重装歩兵1000、騎兵500、歩兵3000、輜重隊500とは、結構な冒険をしますね」


「どうやら、我が国の動きがあちらに漏れていた様です。その為、対魔物対策として重装歩兵1000を伴っていくと思われます」


「ふむ、すると歩兵には工兵も含まれていると見て良いですね。しかし、トールズ、この兵力であなたは行きますか?」


報告書から視線を上げ、ロマリエは目を細めてトールズを見た。


「そうですな、私があの地にもう一度侵攻を掛けるとした場合ですが、重装歩兵5000は欲しいですな。併せて何と言っても重要なのは拠点構築を専門とした工兵部隊、罠作成特化の工兵部隊なども含め、総数は最低2万、いえ、3万は無いと行く気はしませんね」


トールズの言葉に、普段はあまり素の表情を見せないロマリエが、表情に明らかに驚きを浮かべる。


「ふむ、貴方がそこまで言いますか。魔物とは言え所詮動物に角の生えたような物、と認識していては負けるという事ですね」


その言葉にトールズはただ無表情に頷くだけであった。

なぜなら、その認識はかの地で彼が戦うまでの認識そのままであったのだ。


「そうすると、フランツは負けるっという事ですね。これは、ある意味好機ではありますがさて、こちらはどう動きましょうか」


「私は国政に携わる地位に居りません。又、もともと軍人でありますから戦い以外の判断を私に求めないで戴きたい」


「貴方も立場が上がったのですから、そろそろ意識を変えて貰いたいのですがね」


苦笑を浮かべながらもロマリエはこの情報及び対応を、国王に進言する為席を立つのだった。

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