表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/302

3-9:お花を学校に飾りましょう

昨日は酷い目にあったイツキちゃんです。でも、最後には若さで勝利したのです!

あれ程痛かった筋肉痛も、一日経てばもう超回復!元気に学校へ向かいます・・・鉢植えを持って。

先程から周囲のおばちゃんおじちゃんから生暖かい眼差しを受けながら、うんせ、うんせっと両手でしっかり鉢植えを抱えています。何といっても一晩で更に大きくなりましたよこの向日葵!

私が両腕ぷるぷるさせているのに、右や左に愛想を振りまいているんです。むぅ、これなら頭に乗っけていたほうが楽だったかな?そんな思いにかられながらも漸く学校に到着です。


「おはよ~~~イツキちゃん参上ですよ~~~」


両手が塞がっているので教室の扉を向日葵さんに開けて貰い意気揚々と中へ入ると、みんなが驚愕の顔でこちらを見ています。


「何事ですか?」


「「「今何時だと思ってるんだよ(のよ)!」」」


むぅ、皆さん仲が良いですね。声がすっごく揃っています。

でも、お昼前に辿り着いたので問題なしですよね?


「これが重くて休憩しながら来たので、イツキちゃんは悪くないよ?」


手に持った向日葵を教壇の上に置きます。で、先生はすっごく迷惑そうな顔をします。向日葵さん、愛想が足りてませんよ?


「それでイツキさん、この大きなお花はなんなのですか?学校に飾っとくの?」


こめかみをグリグリしながら先生が尋ねてきますが、目が疲れているみたいですね、やっぱり歳と共に視力が低下するのかな?これは、眼鏡とか、老眼鏡を作れば大金持ち?


「イツキさん、何か余所事を考えていませんか?」


「え?あ、えっと、このお花は苦いお薬を苦く感じなくさせてくれるのです!」


当初の目的を忘れてはいけませんね。まずは病気対策!優先順位はこちらの方がすっごく高いのです。


「えっと・・・苦くなく?」


「はい!このお花を頭に乗っけると、痛みや苦味なんかのその人にとって負の部分を緩和?除去?とにかく無くしてくれるのでお薬がどんなに苦くても飲めるのです!」


思わずドヤ顔しちゃいます。ぬふふ、これは偉大なる第一歩!これでみんなも安心してお薬が飲めるというものです、崇め奉っても良いのですよ?

そんな私の話を聞いた先生はう~~~んと何か考え込んでいます。でも、周りの子供達は、驚きの声を上げて授業そっちのけで向日葵さんの周りに集まります。あ、学級崩壊おこしちゃいました?


「すげ~~~、それじゃあピーマンも苦くなくなるのか?」


「ねぇねぇ、トマトも?トマトもかな?」


「苦いのが無くなるの?すごい!すごい!」


おお、子供達にあっという間に取り囲まれました。子供にとって不味い物を不味く感じないのは偉大なる発見なのです。ついでに、お薬の効果もPRチャンス!


「だよ!だからお薬も問題なく飲めるよ!病気になっても問題ないんだよ!だから誰か病気の人はいない?いたら教えて?」


これで漸く研究が進むのです。生贄は絶対に必要なのです!


「病気って、誰かいたっけ?」


「先週お前風邪ひいてなかった?」


「ばか、あんなの風邪に含まれないって、もうぜんぜん問題ないぞ!」


何か慌てて首を振る子もいますが、そうですか風邪じゃなかったですか、すっごく残念です。

みんなでワイワイしながら情報を集めていると、先生が漸く起動したようです。


「え、え~~っと、先生は大至急調べ物をしないといけなくなりました。なのでお昼まで皆さんは自習していてくださいね」


ちょっと顔を引き攣らせた先生が、向日葵さんを見ながら皆に言いますが、どうせなら子供達に向かって言うべきではないのかな?ただ、とにかく自習になったのでみんなから更に情報収集を行います。


「そうだなぁ、うちの周りでは病気って聞かないかな」


「そもそも、角付は病気になりにくいらしいよね?」


「あ!誰かんとこで子供生まれたとか聞かない?小さい子供って病気になりやすいって言うよね?」


「どっかなぁ?子供が良く生まれるのは秋だし~、昨年の秋はどうだっだかなぁ」


あまり芳しい情報が集まって来ません。でも、そうすると老人とかをターゲットにした方が良いのかな?

でも、あの薬って外傷にはどれだけ効果があるのか解んないですね。そちらもテストしないとだなぁ。

それでも、これだけの子供が集まったおかげで漸くターゲットを絞れました。

町外れに住んでいるタルトおばあちゃんです。これは学校が終わったらさっそく向かいましょう。

そんな事を思っていたら、先程教室から出て行った先生が慌てた様子で教室に入って来ました。

ついでに、複数の先生も一緒ですが、見た事も無い先生と、保険の先生も一緒?何事でしょう?


「あれがその花なんですが、私は文章と絵でしかしらないので、ただこんな所にあるはずがないとは思うのですが・・・」


向日葵さんを指さして先生が何か言ってますね。ただだんだんと声が小さくなってますが、何なのかな?向日葵ってこっちにもあるのかな?種はいっぱい採れるし、種自体も食べれるけど、油も採れるのでしたっけ?良く覚えていないのですが、貴重なのかな?


「痛みや苦味を緩和できる、でしたか。それは誰が?」


「あ、今年入学のイツキちゃんです」


先生の視線に合わせて、みんながこっちを見ます。でも、何かあんまり見て欲しくない視線ですよ?

ここは、言っても良いですかね?


「コッチミンナ」

何時もの事と言えばいつもの事なのですけど・・・話が進まないわぁw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ