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2-94:寝て起きたらそこは・・・

月日が流れるのは、早いようで遅いのです!どっちだっですか?う~んとどっちも?

あ、石投げないでください!説明しますから!

そ、そのですね、新しい家に入居した私達家族は寝床確保してですね、お母さんが長く使われなかった感じの台所でちゃちゃっとジャガイモさんと薬草さんでご飯を作ってくれて、お腹いっぱいになったら早めに寝たのです。何気に長旅で疲れていましたからね。


「おおお~~~なんだこれは!」


で、朝早くにお父さんの叫び声で目が覚めたのです。


「どうしたのかしら?」


「ほぇ?なんかあったのかな?」


お母さんと一緒にベットからモゾモゾと起きだして、お父さんの声のした所、つまりお家の外へと出ました。


「おとうちゃま、どうした・・・・のぉう、ほ、ほぇぇぇ~~~」


「あらあらまぁまぁ」


お父さんに声を掛けようとして、周囲の光景が目に入ったら・・・ここは何処?状態で・・・。


家の周囲を囲う様に、あっという間に育った竹米さん、相変わらずお仕事が早いですね!

でも、これって周囲を囲いすぎて出口はどこですか?我が家の隔離政策なのですか?

しかも、なぜか家の前には薬草さんの絨毯が・・・ニパニパ笑顔の絨毯ですね、これ踏んで出かけろと?

一応私そっくりの顔なんですが、鬼畜仕様です?


「薬草さん、畑に行きたいので道を作ってくださいな」


薬草さんを踏み潰して行く勇気がないのでお願いしてみました。すると、私の前の薬草さんがお隣に割り込もうとか、乗り越えようとか、ワキャワキャと大変な事に!


「あ、あ、そんなに無理したら・・・あ~~~~」


「あらら、大変ねぇ」


どしどし伸し掛かられて、人間ブリッジみたいになっていた山が崩れました。はたして、下敷きになった薬草さんは無事でしょうか?お母さんは頬に手を当て通常運転のあらあら状態です。

逆にお父さんは大慌てで潰れた薬草さんを救出しています、なぜでしょう?


「イツキと同じ顔をしているんだぞ!」


おお、溢れんばかりの父性愛?そこら辺の感覚は男性と女性の差があるような?

ともかく、畑を見にてくてく出発すると・・・うん、予想はしてたのですよ?家の前であんな状態だったのです、予想はしてたんです。でも、対処できるとか、何か対策を考え付いたとかは別なのです。


「すごいわぁ、一面ジャガイモ畑ね。でも、これで生活の目途もついたわねぇ」


「えっと、さすがおかあちゃまです!」


「ふふふ」


この光景を見て、とっさに生活の目途へと繋げるお母さんは流石主婦なのです!

きっと家族に心配かけないようにしながらも、今後の生活を心配していたのに違いありません。


目の前ではあの広かった畑全体にジャガイモさんが適度な感覚で頭を出してお見えになります。で、その周辺には大笹さんがサワサワとそよいでるのです。


「それでは収穫しちゃいましょうね」


お母さんが私を見てにっこり笑います。うん、相変わらずすっごい美人さんですよ!

そこに私の将来の姿を見ちゃいます。


「ジャガイモさん用の収穫籠持って来ないとですね!あ、それに竹米の確認もしないとです」


収穫しないと売れないです。あと竹米使って他の植物を作るつもりだけど育てる場所が無いかな?

お米とジャガイモ、薬草さんの菜っ葉だけではちょっとですし。


「それにしても育ったわねぇ」


「うん、まだ一晩しか経ってないよ?」


竹米はともかくとして、ジャガイモさんや薬草さんが此処まで一気に増えた理由はなんでしょう?是と言った理由が思いつきません。特に肥料を撒いた訳でもないし、お水を沢山あげた訳でもないし。


「とにかく今日出来る事をしましょう。お母さんは籠を持ってくるからイツキちゃんは収穫の準備をしてね」


「は~~い」


といった事があったのですが、我が家の安定収入の為です!はりきって収穫を頑張るのです!


で、みんなでジャガイモと竹米の収穫をしていたら、我が家の屋根に大鷲さんがやって来ました。

キョロキョロと周囲を見回していますが、うん、この大鷲さんはあの大鷲さんです!


じ~~~~っと作業の手を止めて大鷲さんを見ていると、お互いの目と目が合っちゃいました。


はふぅ・・・


うわ!この大鷲って鳥の癖に溜息ついたよ!しかも鳥なのにいかにも呆れ顔ってムカつく~~!


「失礼なのですよ!」


抗議の声を上げます。特に何かした訳でもないのにあの態度は無いのです!

私が文句を言うと、おや?何か全然関係ない方でザワザワギャ~~ギャ~~と人の叫び声が聞こえます。


「なんですか?」


「なにかしら?」


「なんだ?」


収穫の作業の手を止めて皆で顔を見合わせますが、このままいてもしょうがないので声のする方へと向かいました。


「声が聞こえたという事は無事なんだな」


「ですから、これはあのガキが生み出した生物です。本人に危害が加わるはずがないのです」


「くそ!この野郎!・・・竹のクセして強すぎるぞ!」


何か打撃音なんかも聞こえてきますね。家の周囲を囲う様に生えている竹米の向こう側ですね。密集してるからなのか、この竹林に奥行きが結構あるのか向こう側が見えないですね。


「どなたですか~~~、押し売りはいらないのですよ~~~」


とりあえず声はかけてみましょう。

でも、本当なら不審な相手に反応するのは良くないかもなのですが、まぁ竹さんごときに勝てない程度の相手です。恐れるに及ばないのです!


「おい、この竹を・・・ぐぇ」


「いい加減に、ぐへ」


うん、御取込み中っぽいのです。


「忙しそうなのです」


「そうねぇ、それなら収穫をまず終わらせましょうか」


「え?いや、いいのか?」


お父さんが何か言ってますが、お母さんと手を繋いで畑へと戻りましょう。


「今日のお昼はご飯とジャガイモ入りスープがいい」


「はいはい、わかりました」


うん、気分はご飯の入ったスープなのです。

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