2-70:私怨は決して支援してはいけないのです!
皆さん、安定した生活、それは儚い幻だったのです。人の夢と書いて儚いなのです。
で、何が言いたいかと言いますと・・・ジャガイモさんを使ったお小遣い稼ぎが禁止されてしまったのです!
「うみゃぁ!そ、そんなぁ、それでは、イツキちゃんはどうやって生きていけば良いのですか!」
「普通に、ジャガイモ、売れば、良い?」
むぅ、私の天敵であるロリババア巫女がついに、ついに、この街へとやって来たのは昨日の事です。
で、何を思ったのか大事な大事なジャガイモさんの畑は、この街の公共の物とされたのです。
ジャガイモさんで大儲けどころか、私が売ったジャガイモさんに6割もの税金が搾取される事に!
「むぅ、不条理なのです!横暴なのです!ジャガイモさんはイツキの物なのですよ!」
「税金、毎年、見直しする。今年、修繕費、多い、補填、必要」
むぅ、何を言っているのでしょう?修繕って何の修繕なのですか?ジャガイモさんに挑戦した人達の装備だとしたら自業自得?もしかすると、これは横領の匂いがするのです?
「追加で、ジャガイモ型精霊、1体1体に、税金が、発生する」
「あうぅ!さ、更なる搾取をするというのですか!何の権利があると言うのですか!横暴反対!横領は罪なのです!」
「人聞き、悪い、横領など、出来ない」
無表情で淡々と話すこのロリババの為、その表情からは感情がまったく読み取れないのです。
「イツキ、税金は国が決めるんだよ?今回の事はまだこの街の代官様の仮決定だが、恐らく認められるだろう。でもな、その代りこの街の市民権を貰えるぞ?ここに家族で定住できるし、イツキも学校へ通えるようになるんだ」
「そうよ、これでイツキちゃんも学校に通えるのよ?お友達がいっぱい出来るわよ?」
そうでした、この悪魔は恐ろしい事に、昨日私がジャガイモさんでお小遣い稼ぎしている間に、お父さんとお母さんを籠絡してしまっていたのです!お父さん達はこの市民権を貰えることが決まって、昨日はすっごくハイテンション。でも、税金の事は聞いていなかったですよ?
「天才でパーフェクトのイツキちゃんには、今更学校は不要なのです!」
ふんす!思いっきり胸を反らせて仁王立ちなのです!後ろに引っ繰り返るかというぐらい胸を張ります!
「この私のお金をそう簡単に盗れると思わない事です。スーパーでミラクルな頭脳をもつ私を、そんな市民権などで騙せるとは思わない事です!」
ふふふ、伊達に何百年も生きてきてはいないのです。そんじょそこらのガキンチョと、この私を比較するなど天に羽ばたく行為なのですよ?・・・何かちょっと喩が違うような気がしますが、ともかく今更学校で1×1は?などやりたくないのです。それよりも、世の中はお金!お金無くして心も生活も裕福にはなれない!衣食足りて初めて礼節を知るのです!
「うん、ある意味、スーパーで、ミラクル。・・・ついでに、お花畑?」
ん?スーパーでミラクルなお花畑とはこれいかに!ともかく、両親の言う学校などぺぺぺのぺなのです!
「え~~っと、お金を盗るっていうか、街で暮らすには税金は必要なのよ?」
「おかあちゃまは騙されているのです!いまどき6割もの税金など有り得ないのです!ましてや、芋類などは翌年の種芋が必要なので更に手取りが減るのです!」
「「な、なるほど・・・」」
お父さんとお母さんは私の言葉に理解を示し、あのロリババへと疑いの眼差しを向けます。
「あのジャガイモに、種芋など、必要ない、ついでに、手入れや世話も、何にもない、のです。だから、6割税金で、良いの」
ロリババが再度いかにも正論っぽく言います。で、いつの間にか周囲に集まってきている人達も成程と頷いている。ついでに、素直なうちの両親まで頷いていますよ!
「それおかしい!6割の根拠じゃないの!じゃあ元々お金持ちでお金を稼ぐ基盤が有って労力少なく儲けれる人は税金6割なの?他にも運良く何かを発見した人は?色々な場合が考えられるよ?その場合税率の根拠はなんなの?好き嫌いですか?どう考えても私怨にしか思えない!」
「・・・・・・・私怨で、悪い?」
「「「うわ~~~!私怨なのか!!!」」」
周りの聴衆から一斉に叫び声が上がった。でも、そんな叫び声に対し、このロリババはまったく動じた様子が無いのです。
「おお、まじでこれ私怨入ってるわ、いやぁ、すごいね」
ぬぅ、ロリババの後ろにいる角の生えた体格のおっきい人が何かを感じ取ったかのように顔を引き攣らせてるけど、やっぱり角で何か受信できるのかな?でも、そうすると殆どの人が角生えてるから・・・どうなんだろ?ともかく、やっぱりバリバリ私怨が入ってました!思いっきり認めてますよ!まさかの展開なのです。
「過去から、今日この時まで、積もり積もった、積年の・・・」
あ、何かドロドロした感じの思いっきり真っ黒な物がロリババから立ち昇ってきたような気がします。
それと、何か背後に浮かんでるのってファイアーボール?ファイアートーチ?形が何か変な気がするのですが、まさか人魂とかではないですよね?
むぅ、これは危険なのです、ピンチなのです。此のままではイツキちゃんの生命の危機なのです!
「えっと、えっと・・・・・あいるびーばっく?」
今一つ恰好がつかないのですが、ここは撤退します!お母さん早く逃げるのです!
お母さんの手を引っ張ってお家の中へと・・・
「に~~が~~さ~~な~~い~~~」
「よ、妖怪です!魔物です!みんな討伐するのですよ!」
私の叫び声が周囲に轟きました。でも、それ以上に周りからの悲鳴も響き渡ってますが。




