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2-68:お料理の種類が増えました

「ふふふふ、雑草さんこんにちは?」


私の笑顔を受けて、目の前にいる雑草さんもニパッっと笑顔を浮かべます。

うん、相変わらず良い笑顔なのです。お顔が私にそっくりなので、更に可愛さ上限突破です?

そんな雑草さんを私は両手で優しく包むように覆いました。じっと慈愛の眼差しで雑草さんを見つめます。


「えいっ!」スポン!


「おかあちゃま~~菜っ葉とれた~~~」


雑草さんの頭に生えた葉の部分を手に持ち、ブラブラとぶら提げた状態で家に向かって走り出しました。

ちなみに、雑草さんは驚愕の表情を浮かべていますが、それは気にしてはいけないのです。


「あ、イツキちゃんありがとう~、で、出来ればチョッキンまでお願いしたいな~」


可愛らしく首を傾げて手を合わせるお母さん、真面目に可愛いです!天使なのです!むぅ、そういえば年齢はいくつなのでしょう?聞いたことありませんでしたね。

で、そんなお母さんなのですが、雑草さんのお顔が可愛らしすぎて食材加工を躊躇うのです。うん、実の娘にそっくりな雑草ですから、これをざっくりはし辛いのですよね、その気持ちは解るのです。逆に躊躇なくざっくりされると私もちょっとドキドキしますよ?


「は~い、えっと、おっきい包丁、おっきい包丁」


雑草さんが逃げない様にお母さんに押さえてもらいながら、流しの横にあるズドンとした包丁を両手で持ちました。うん、まだ重くて両手でないと持てないのです。


「真ん中でズドンとすれば良い?」


お母さんを見上げて尋ね、コクンと頷かれたので包丁を適度に振り上げました。あんまり振り上げると狙った場所に包丁が行かない罠があるのです!酷いと刃先が斜めで当たって飛んでっちゃうのです。

前にそれで危うく怪我をするところでした。


ふるふるふる・・・ウルウル・・・


雑草さんが首を横に振ってます。目から何か汁が出て来ています。うん、器用ですね!

でも、あんまり動くと熱を持って美味しくなくなりそうなのです。


「いっきま~~す!」スバッ!


うん、ここ数日何度も繰り返している作業なので、綺麗に中央でズバッっと切断出来たのです。

ここまですれば、後はお母さんが処理してくれるのです。この雑草さんは甘味があるのです。あと、どうやら調理方法で味も変わる?そのまま食べれば果物っぽくて、炒めると瓜っぽい?栄養満点・・・かも知れないのと、味のパターンが増えるので、ここ最近お母さんが作る料理には必ず入ってます。何と言っても繁殖力がすごいので、無くなる心配が少なく、どうも寒さにも強いので冬に入っている今も青々としています。

この雑草さんを食べるのはちょっと心配だったのですが、幸いにも料理されるとピカッ!変身!とはならなかった為、今では安心して食べる事が出来ます。

もちろん、お母さんと二人で一番最初に試食したお父さんをじっと2時間ほど観察して、更に一晩様子を見て安全を確認はしました。ちょっと期待してたのですが、残念な事にお父さんは魔法少女にはならなかったのです。怖いもの見たさで期待はしてたのですけどね。


で、なぜこんな所にまだ居るのかと言うと、この場所に暮らし始めてもう2週間になるのですが未だに街への立ち入り許可は出ないのです。兵士さんが定期的にこの場所で炊き出しをしてくれるのですが、ハッキリ言って量が足りないのです!ドケチですよ!お肉なんかチョボンなので、我が家では相変わらずジャガイモさんが主食なのです。


「でも、ジャガイモが豊富なので助かる。物々交換で他の食材も手に入るしな」


「そうね、イツキちゃん以外の人がジャガイモ採りに行くのは危険なのよね」


うん、そうなのです。ジャガイモさん達は、私にはいっぱいジャガイモをくれるのですが、それ以外の人には”欲しければ私を倒して行け!”状態なんですよね。

一応、戦えば最低でも数個は蔓から飛ばされて手に入るみたいだけど、ちょっと割が合わないのです。でも、その御蔭で我が家は助かっているのですけどね。


「おかあちゃま、あとどれくらい此処に居るの?」


「そうねぇ、もしかしたら畑が、ある程度形になるまでかしら?」


「ほえ?」


「だなぁ、最近は俺達の様子を見に来るというより、畑の状態を見に来ているみたいだからな」


なんと!ここ最近は取り巻きの動物さん達も8割がたお帰りになって、そろそろ街に入れるのかな?と期待していたのですが、そんな裏事情があったのでしょうか。


「春には種蒔きをするだろうから、春先には街に入れると思うぞ」


「が~~~ん!まだまだ先なのです?」


「ああ、我が家の移動で恐らくジャガイモ達も移動するだろうから、開墾された畑が丸々手に入るだろうしな」


「あとはイツキちゃんが言う薬草さんも人気みたいだから、ここ最近は採取に来る人も増えているみたい。もっとも、そう簡単に採取は出来ないみたいだけど」


おおう、何という事でしょう、薬草さん達も生存競争に巻き込まれてるのです!


「えっと、保護が必要なのです?街の人みんなが薬草さんを採ったらすぐなくなるよ?」


「「・・・・・なくなるかなぁ(かしら)」」


お家の窓からそとの緑に覆われた自然豊かな風景をお父さん達は眺めます。

わたしも釣られて外を眺めると・・・・


ニパッ、ニパパパパパパ・・・・・


うんっと・・・少しは減った方が良い気がして来ましたよ?

副題詐欺ですね・・・お料理描写が殆どないですw

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