表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/302

2-53:エルフっ子って外見だけで・・・

お母さんとほのぼのと平和を甘受しているうちに、日にちが変わりました。

無情にも、無情にも!昨夜のご飯はメインがジャガイモ料理の数々でしたよ?このジャガイモさんはあのジャガイモさんではないですよね?と恐る恐る町長さんに尋ねたのですが、町長さんからは満面の笑みを返されただけで答えは返ってきませんでした。むぅ、でもジャガイモ料理は美味しかったです。コロッケや、ジャガイモのオムレツは最高でした!ジャガイモさんありがとう!


朝ごはんは相変わらず質素にパンとスープでしたけど、むぅ、目玉焼きくらいは欲しかったのです。

え?贅沢ですか?・・・残念です。やっぱり目指せ玉の輿なのです。せめて、せめて美味しい御馳走を3食食べたいのです。うんっと、朝のベーコンエッグやソーセージ、お昼は・・・お、おうどん?蕎麦とかもいいかもです。で、夜は豪華にステーキ!あ、すき焼きやしゃぶしゃぶもいいかな?焼き肉でも文句は言わないですよ?あとは、えっと、お昼にカレーもいいかなぁ、夜でも良いですけど。


「イツキちゃん、イツキちゃん、寝てるの?」


「ふぇ?」


誰かに体を揺すられています。未来の薔薇色の生活を夢想していて意識が飛んでいた様です。

いつの間にか現れたお母さんに体を揺すられていました。


「ほら、お客さんに御挨拶しなさい」


お母さんの視線の先に、子供のエルフと・・・うわぁ枯れ木のような何かがいます。

むぅ、あれは生き物なのかな?動いたらパキパキ割れて砕けちゃいそう。


「樹、いた、間違い、ない」


「「おおお~~~」」


ん?なんか先頭にいる子供エルフが私を指さして言いますが、人を指さしちゃ駄目って教わらなかったのでしょうか?むぅ、失礼なエルフっ子ですね!

そう思って睨んだら、何となくこの子に見覚えがあるようなないような?


「んっと、あれ?エルフっ子?でも姿が変わってない?」


あの時々視界をお借りしていたエルフっ子にそっくりなのです。たったかたったか動くので、映像酔いしてしまったのも今では良い思い出・・・あ、駄目です。思い出したら気分が悪くなって来ちゃった。


「イツキちゃん?どうしたの、顔色が真っ青よ?」


「う、なんか・・・想像酔い?」


「え?」


キョトンとした表情で私を見るお母さんですが、それはともかく今は目の前のエルフっ子です。

後方にいる枯れ木さん達や、大柄な筋肉鬼とかは放置でいい?あちらも、私をじっと凝視していますが、うん、何を考えているかまったく解りません。


「う~~~、表情無さすぎなのです。でも、エルフっ子だよね?なんで歳をとってないの?」


「他の者は、皆、老いていく。私は、姫巫女だから、歳、とらない?・・・たぶん」


「「「「たぶん!」」」」


何か私だけじゃなく、周り中から突っ込みが入りました。

ただ、やっぱりこのエルフっ子はエルフっ子だったようですね。うん、今一つ混乱してませんか私?


「う~んと、他に歳とらないで残ってる人はいるの?」


「いる、いっぱいいる。イツキの、最初の実、食べた者?でも、歳とる者もいる」


「ほむ、そっかぁ、でもそれだったら寂しくないね」


このエルフっ子だけが歳をとらずに生き続けていたとしたら、それはもしかしたら地獄かもしれない。そんな不安が頭をよぎったけど、どうやらそれは回避できたようで良かった。

ほっと心の中で安心した時、エルフっ子が爆弾発言をしてくれた。


「うん、みんなイツキに、会いたがって、る?」


何故か疑問形なのは口調のせいとして、それでも会いたがってくれている事に嬉しさが込上げてくる。


「そっかぁ、会いたがってくれてるんだ。うん、わざわざ探してくれてるんだもんね」


ん?でも、探している理由なんだっけ?

嬉しさの中に、そういえば何か不穏当なというか、承服できないというか、何かエルフ達が来たら言いたい事があったような?そんな思いで首を傾げた。そしたら、エルフっ子が相変わらずの無表情で探していた理由を淡々と、感情が一欠けらも混じらない声で述べたっていうかぶちかました?


「うん、探してた。みんな、迷惑、暴走、止めるの?イツキ、馬鹿だから、何するか、みんな不安」


「なんですと!思慕の情とか、ほら、お母さんにまた一目でもとか」


「ない?欠片も?あ、会えたら、怒る?・・・馬鹿・・・転ぶ?動く、危険?」


・・・何でしょう。無表情通り越して虚ろな眼差しになっちゃってますよ?もしかして、電波ちゃんしてますか?視線が焦点あってませんよ?

まぁきっと他の神樹達と交信でもしているのでしょうが、これって傍目で見ると怖いです。いっちゃってます。もしかして私が視線を借りていた時もこんな感じだったのでしょうか?


「えっと、エルフっ子改め不思議ちゃんデビュー?」


「すっごく、失礼」


あ、視線が戻りました。でも、失礼なのはお互い様だと思うのです。

ただ、この何というか微妙な状況は何なのでしょう?

私とエルフっ子以外の人達は、みんな口をぽか~~んと開けて立っていますが、これって全員意識飛んでるよね?どっかの世界に旅立ってるよね?


「うん、意識操作、情報統制、危険削減、家内安全」


「うん、最後のは違うよね!」


思わず突っ込みを入れてしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ