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2-49:痛いの痛いの飛んでけ!

その後、よく解らないままに私達親子は町の町長さんの家へと連れてこられました。

今更なのか雑草さん達もモゾモゾと後を着いてきます。目が合うたびにニパッ!と笑ってくれるのですが、何かもう色々と複雑な思いが去来します。ともかく、早く葉っぱを生やすんだよ?


そんなこんなで目の前にはこの町の町長さん、長い金色のストレートの髪が綺麗ですね、コバルトブルーって言うのでしょうか綺麗な目の色です。お耳は長くて横にピコッっと伸びてますよ?・・・って危ないエルフさんじゃないですか?!


え?町長ってこの人ですか?この人で本当に大丈夫なんですか?

他にもっと落ち着いた大人な性格の人はいないのですか?ついでに、横にいる役立たずのおっさんも邪魔なのです。

そんな私の思いはともかく、先程から私はお母さんにガシッっと抱きついてお膝の上にいます。

痛いのは足なのですが、それでも頭をナデナデしてもらうと不思議と痛みが和らぐのです。癒しの手は偉大なのです。

そんな私達親子をそっちのけでこの危ないエルフさんが何をしているかというと、座席の横で泰然としている大鷲さんと睨めっこしています。その下では角の生えた狼さんも寝そべっています。ただ、何となくこの場を仕切っているのは大鷲さんでしょうか?


「おい、それでどういう事になってるんだ?角付同士で争ったなんて聞いたこと無いぞ?」


じ~っと見つめ合ったままの大鷲さんとエルフさんに痺れを切らしたのか、おっさんが尋ねます。

で、エルフさんはおっさんへ視線を向け、次に私へと視線を向けた後、再度おっさんを見てから部屋の隅っこへと移動しました。

この期に及んで内緒話ですか?あからさますぎてちょっとイラッとしちゃいますよ?


「イツキ、疲れたでしょう?少し寝てなさい」


体調不良で熱が出てきたっぽいので、先程から意識が飛びそうになっているのです。それを察してお母さんが優しく声を掛けてくれます。でも、まだ状況がよく解っていないのですよ?その状態で寝ちゃうのは非常に怖いのです。目が覚めたら自分ひとりしか居ないなんて事に成ったら・・・うう、でも眠いのです。

足の痛みの御蔭で意識を繋いでいるのですが、それも次第に眠気の方が勝りだしています。


「寝るのが怖いのです」


素直にお母さんに今の気持ちを伝えます。

それに、イツキが起きていないと状況が解らないまま一気に状況が変化しちゃいそうな気がするのです。

うん、よく解らないのですが、それならそれでも良いような?

そんな事を考えていると、向こうの方で何か話している単語が聞こえちゃいました。


「はぁ?・・・災厄・・・・・・?」


「・・・違う・・・神樹・・・・・」


何でしょう?一部の単語しか聞こえなかったのですが、災厄?あの広場にあった神樹の事でしょうか?

次第に和らいでいく痛みの御蔭で、だんだん瞼が落っこちてきて・・・駄目です、非常に眠いです。


「おかあちゃま、何かお話して」


「え?お話?」


「うん、このままだと眠っちゃいそうなのです」


「う~ん、そうねぇ、どんなお話を聞きたい?」


「女の子がイケメンさんにチヤホヤされるお話がいい」


「・・・・えっと、そ、そうねぇ」


むむ、お母さんのお話が始まらない?

まだかなぁって思っている内に、段々と意識が遠のきます。

・・・・・・あぅ、だめ・・・・眠い・・・ですよ?


◆◆◆


ぐごぉ~~~、ぐごぉ~~~、ギシギシギシ・・・


「うにぃ・・・あれ?ここはどこですか?」


雄叫びと、何かを擦り合せるような音で目が覚めました。

あれ?さっきまでお母さんと一緒にいたのですが、ここは何処なのでしょう?何時の間にベットの中に入ったのでしょうか?っていうかベット?このお布団は藁じゃないですよ?綿かな?よく解りません。


そういえば、お母さんは?っと慌てて周りをキョロキョロと見回すと、ベットの傍らの椅子でお母さんが寝ています。あぅ、お母さんのベットを占拠してしまったのですか?椅子に座った状態ですうすう寝息を立てています。


ぐごぉ~~~、ふがふがふが、ギチギチギチ・・・・


五月蠅いです、何ですかさっきから!

音の出どころには・・・・う、お父さんがベットで寝てます。むむむ、こんなに五月蠅かったっけ?

今まで気が付かなかった?それとも、お父さんも疲れが出たのかな?

ともかく、目が覚めちゃいました。起きようかな?と思ってそ~~っと足を動かすと、不思議と痛みが無いのです。


「あれ?足が痛くない?」


不思議です。謎なのです。でも、良い事なので深くは考えません。

そっと足を床へと下ろしてみても、予想していた痛みがまったく出ないので治ったのかな?


くるるるる~~~


「あぅ、お腹が空いたし、喉も乾きました」


痛みも、熱っぽさも不思議と回復しているのですが、代わりに喉が乾燥して違和感が、あとお腹もペコペコなのです。でも、見回す限りでは飲み物も食べ物は見当たりません。


すぅすぅ寝ているお母さんに、そっとベットの上にあった毛布にしては薄いのでタオルかな?を肩にかけてあげて、部屋の隅に置いてあった荷物をガサゴソと物色です。


「おおう、食べ物はともかく、水筒さんにも水が無いとは・・・」


これは参ったのです。せめて喉の渇きを癒さないと、寝るに寝れないのです。


「仕方がないのです。あまり気は進まないのですが・・・」


目の前にある扉をジッと見ました。そして、勇気を出して取っ手を引きます。


ギ、ギギギギッ


出来るだけ音を出さない様にそ~~っと扉を引いて、開いた隙間から外を見回します。


「廊下ですね。でも見た事のない場所です。でも外からの光で何とか見えます」


廊下の様子を見て、その後寝ているお母さんとお父さんへと視線を向けました。疲れている様子の二人を起すのは非常に躊躇われます。


「どんな家もだいたいの間取りは一緒ですよね?それなら、お水を飲んで戻るくらいなら問題ない・・・よね?」


喉の渇きに耐えかねて、そろりそろりと移動を開始します。


「ぬきあし、さしあし、ちどりあし、なのです」


慎重に廊下を進みます。


「あ、あとトイレの場所も調べとかないと?でも、近くに行けば匂いで解るかな?」


5歳過ぎてのお漏らしはダメージが大きいのです。今は大丈夫ですけど、お水を飲んだら解らないのです。

こちらも重要案件です。未来永劫影響が出かねないのです。


「それにしても、ここは何処なのでしょう?あの怖い町長さんのお家かな?」


「怖いなんて失礼ですね」


「ふぇ!」


振り向くと、そこにあの危ないエルフさんがいました。

ついでに、ちょっと・・・あ、いえ、も、洩らしてなんかいませんよ?

前回も今回も文字数が増えている割に、話は進んでない><

ただ、一応イツキの存在が認知された・・・はず?

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