表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/302

2-44:転生者に優しくないのです

「お兄さん、薬草はどこで売れますか?」


キョロキョロと雑草さんを探しながら、傍らにいるおじさんに尋ねます。

あの生きて動く雑草さんですから、きっと何某かの薬草効果はあると思うのです。


「あ、あ~~薬草か。そうだなぁ、どこだろうな?そもそも売れるのか?」


むむ、一人で何かぶつぶつ言ってますが、こちらの回答にはなっていないのです。

そもそも、売れるのか?とは何でしょう、もしかしてこの町では需要がないのでしょうか?


「この町にお薬とか作っている方はいないのですか?」


「いや、病気や怪我っていえば神樹様の実で何とでもなるしな。神樹様の落葉も煎じて飲めば大体の病気は治るな。どの町にいる純人族であっても神樹様の煎じ薬で何とかなってるらしいぞ?もっとも、木の実は駄目らしいがな、亜人になってしまうからな」


笑いながら話すおじさんに、ちょっとイラッっとしてしまいました。笑い話ではないのです、薬草は神樹ですべて賄っているとはこれいかに!どんな万能薬だというのですか!


「むむむ、そうすると薬草採集のクエストとかはなにのですか?」


「クエストが何かは知らないが、わざわざ薬草採集する者はいないだろうな」


何という事でしょう、クエストの基本中の基本と言うべき薬草採集が無いそうなのです!

まさかの神樹によって初心者迫害という実態が明らかに?


「初心者冒険者はどうやってお金を稼ぐのですか?」


「冒険者ってなんだ?」


が~~ん!そこからなのですか!まさかの冒険者全否定なのです!


「えっと、町の人の依頼を請けて解決したり、魔物を討伐したりする人ですよ?」


「ああ、職業斡旋所か、でっかい街にはあるがこんな町にはないな、あと魔物って角付の事か?多分だが討伐なんかしようもんなら町が滅ぶぞ?」


なんかおじさんの言葉遣いが段々粗雑になってきてません?でも一応ちゃんと疑問に答えてくれてはいるので、良い人ではあるのでしょうけど、ただ何にも奢ってくれないケチですけどね!

でもそうですか、魔物って角付動物さん達の事なのですか、確かに種族越えた連携しますもんね。自分達は弱肉強食してるくせに理不尽です。


「仕方がないのです、露店で売ってるものを見て考えるのです」


「露店?この町にはないぞ?」


「ほえ?・・・なんで?屋台はありますよ?」


「いや、何でって露店で何を売るんだ?」


「え~~っと、特産品とか、自分で採って来た何か?」


「わざわざ露店開いてまで売るもんなんかないぞ?そもそも、誰か解らない者の信用が無い物なんか怖いからな。欲しい物はみんな普通に店で買うな」


「・・・・・屋台はあるくせに理不尽です・・・」


「食べ物の屋台は認可制だからな、無許可だと捕まるぞ?」


駄目です。ファンタジーの根底がそもそも崩壊しているのです。これではお手軽にお金を稼ぐなんか不可能じゃないですか!せっかく魔法とか魔物のいる世界なのです。もっとファンタジーしててもよくない?

計画が破たんしてスキップしてらんらんらんなのです。


「そ、それでも不足してる物とか、流通はあるのですよね?」


「まぁあるな。塩とか砂糖とかは高価だ。あと布とかも物によっては目が飛び出るような価格か?あとはそうだな、金や宝石などの貴金属とかか?」


「普通すぎるのです!だいたい、そんな物が有ったら苦労しないのです!」


くどいようですが理不尽です!転生者やっほ~や内政チートとかは出来ないのです。

だいたい、今必要なのは将来のお金じゃなくて目先のお金なのですよ?


「むぅ、お、美味しい果物とかはどうですか?ニーズありませんか?」


「ん?そりゃ美味い食い物なら需要はあるだろ、でなきゃ屋台なんか出来ん」


ごもっともなご意見です。でも、これで光明が見えてきたのです。美味しい果物なら不可能ではないのです。ただ問題は今植えたとしてもすぐに収穫出来る訳では無い事ですね。


「う~~~~、なんか良い方法ないかなぁ」


雑草さんでは弱そうです。でも、観賞用とかで売れないかな?顔っぽい部分は私ですし、何となくニーズはありそうですけど、見も知らない人が私の顔見ながらニヤニヤしてるのを想像すると・・・駄目です、鳥肌が・・・、却下しかないですね。

そもそも、雑草さんの葉っぱ部分を毟り取って売ろうと思ってたのに結局良い解決策が思い浮かばないです。


「畑でも花壇でも良いので、どこか植物さん達が植えられてる所が近くにないですか?」


「この傍で一番近い所か?それならあそこだが」


おじさんはそう言って目の前を指さします。そりゃそうですよね、この近くと言えばあそこですよね。

指さされた先には神樹さんがお生えになっておられます。

くぅ、こうなれば直談判なのです!そもそもの諸悪の根源は神樹なのです!


なんって迷惑なやつなのでしょうか!親の顔が見てみたいものです!


怒り心頭で小走りに神樹へと近づきます。


「この、迷惑な(ゴツン)ふぎゃ!」


神樹の真下まで来て、抗議の声を上げようとしたら、頭の上に固い何かが落ちてきて私の頭を直撃です。

痛いです!涙がでますよ!お母さんどこですか?癒しの手プリーズなのです!

話が進まない罠に!

状況説明回になってしまいました><

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ