表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/302

2-20:戦略的撤退ですか?

「は~るがき~た、は~るがき~た、どこに~きた」


ぬふふ、ポカポカ陽気が暖かくて心はルンルンでも、体はゆらゆらのイツキちゃんです。

え?何事ですか?今イツキちゃんは御船に揺られてどんぶらこっこなのです。

なんで海の上でどんぶらこっこしてるかと言うと、今はあの鳥さんの強襲爆撃攻撃から既に2カ月程過ぎているのです。で、島はあの爆撃であっという間に謎植物の宝庫になっちゃいました。雑草さんもハエトリさんも何処で用意したのか白い葉っぱをふるふる振って全面降伏しちゃったのです。

不甲斐ないのです!特にハエトリさん、貴方は登場した意味があるのでしょうか?

登場して早々に敗退なのです!キャラとして弱すぎるのです!


とにもかくにも、島全体であの爆撃の影響はすぐに出なかったんです。けれどあっという間に投下された種が発芽して、それで秋には不思議な木の実さんが収穫されたのです。


その実を見た村の人達は大喜びでした。いかにも美味しそうな実が収穫できたのですから。

でも、一応皆さん食べられるのか慎重に口に入れ、時間を計りながら影響は見ていたのです。

で、1時間すぎても、半日過ぎても特に体調の変化がなかったので、それぞれ均等に分けてお家にお持ち帰りしました。とっても甘い実なんで、皆さん満面の笑顔です。

でも、幸いと言いますか、不幸といいますか、若干?疑り深いお母さんは1日ぐらい時間が経過しただけでは安心しません。なので、そこからさらに数日安全が確認出来るまでと食べるのを辞めていたのです。

そして、なんと!改良型なのか今回収穫された木の実さんは、潜伏期間が4日ほどあったのです。

で、お母さんもそろそろ食べてもいいかしら?となった時に、村の人達が続々と熱を出して倒れ始めちゃったのです。


「お父さん!このままだと・・・」


「馬鹿もん!みんなを此のままにはしておけん!」


お父さん達大奮闘でした。うん、先に倒れて復帰していたトーマスとマリオンの一家、あとお母さんと同様に慎重?な家族が5名、その全員で手伝って島中の病人のお世話です。もちろん私も手伝いましたよ?お水を綿に染み込ませて、少しずつ飲ませるんです。

どば~と飲ませると呼吸が出来なくなって死んじゃうそうです。むむむ、如雨露で水掛けとくだけでは駄目なんですか、面倒です。


「おかあちゃま?みんなを頭だけ出して、土に埋めれば病気は治りませんか?」


とっておきの情報を提供してみました。

でも、なぜかお母さんも、お父さんも相手にしてくれません。むぅ、あ、そうか!これだけの人数の穴を掘るのが大変ですからね。

それで、時間が過ぎていくうちに・・・


「あ、これ角だ・・・やっぱり?」


鳥さんを見た時に想像はついたのですが、むぅ過去の過ちが今に続くのです。怖いですよね、行いは十分に慎重にしないとなのです。でも、私生まれ変わってるし、過去の私とは別人だから・・・えっと今は無罪?

ともかく、これは拙いのですよ?このままだと私も角付さんになっちゃう?


「お、おかあちゃま~~、角がにょきにょきなの~~」


遠くで同じように病人さんのお世話をしていたお母さんに報告です!

ホウレンソウは食べ物なのですよ!む、何かちがう?えっと、栄養が有って大切な食べ物?

とにかく、トテトテと転ばない様に慎重にお母さんの所へ行くと・・・・あぁ、おかあさん、それ多分引っこ抜けないと思うよ?

病人さんの額に生えて来た角をお母さんが掴んで引っこ抜こうとしてました。


「おかあちゃま、角さんひっぱったら危ないよ?ボキッってなるよ?」


「え?あ、そ、そうね、イツキちゃんはお父さんを呼んできてくれるかな?」


その後、お父さんを交えてみんなで状況の確認と相談をしてるんですけど、自然と視線はマリオン達の額へといっちゃいますよね?それはお父さん達も同様です。

で、その後どうなったかというと・・・


「おとうちゃま?お船は何処に向かってるの?」


「ん?ああ、お父さんのお友達が住んでいた所へ行くんだぞ」


「お友達?」


「ああ、お父さん達は海に出たけどな、森の奥に村を作った人もいたんだ」


ほむ、どうやらお父さんのお友達の所へ行くのですね。でも、突然の決断でした。


「村の皆が角付になるなんて」


「ああ、あの実が原因なんでしょうか?」


一緒に船に乗っているもう一家族とお母さんが会話をしています。

でも、それよりもこんなお船で海を渡るのですか・・・そちらの方が怖いですよね。


ぼ~~っと海を見ていたら・・・あれ?海の中で人魚さんが手を振ってました。


「・・・・・おかあちゃま、人魚さんってみんながみんなグラマーじゃないんですね」


「え?」


おかあさん、自分の胸を見ても意味ないですよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ