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2-18:空を制する者は・・・

にゅふふふふ~あっと言う間に時間は過ぎて行きます。

それでも、お世話をしているお花や作物が順調に育っていくと嬉しい物ですね。

今、目の前には秋の収穫を期待できる苺やメロンさんがまだまだ小さな実を付けています。


「はやくおっきくなるんですよ~」


マイ如雨露でお水をあげながらいつものように声を掛けると、嬉しそうにザワザワお返事をしてくれます。


・・・・あれ?返事をする苺やメロンって普通でしたっけ?


まぁ良いのです。イツキさんは大物なので小さな事には拘らないのです。

それよりも、今問題になっているのは雑草さんです。

今や村の至る所で雑草さんを見かけます。・・・そうなんです、見かけちゃうんです!

その繁殖力は生半可ではないのです!普通なら生態系破壊で大問題ですよ!

村に碌に草すら生えていなかったので問題ないような気がするのですが、でも葉っぱの下の姿を考えるとちょっと問題があるような?まぁ今更なのですが、もう今から全滅させるのは無理なのです。


相変わらず私が傍に行くとひょっこり姿を現して、ニパ!ニパ!と笑いかけてくれます。

うん、愛着が沸きはじめていない事も無いかも?え?どっちなんだですか?この微妙な乙女心を解っていただきたいものですよ?


でも、これ以上の繁殖を抑えるために、新たな植物さんを想像する事に思い至ったのですが・・・


ふと視線を右へと向けると、なんか葉っぱに牙のような棘があって、パクパク開いたり閉じたりしている植物さんが・・・歩いています。

えっと・・・イメージは牙の生えたハエトリグサ?

唯一の救いはその大きさもハエトリグサとそれほど変わらない事でしょうか?

そして、失敗の一番大きな部分は・・・ぜんぜん雑草さんを駆除してくれない所でしょうか。

がぶっと雑草さんを咥えて、引っこ抜いて、牙でガジガジして、溶かして食べちゃうっていうイメージだったのに・・・この子もなぜか村中にジワジワと増えているのです。

そういえば、何を食べて増えてるのでしょう?


あの海からの侵略も今では収まって、ただ先日見に行った海岸線には雑草さんとハエトリさんが混合でいっぱい生えてたのは、一応防衛線のつもりらしいです。

でも、良く考えたらあの子達は兄弟とは言わないまでも親戚みたいなもんですよね?

ま、いいか。


「イツキ!また花壇か?」


むぅ、のんびり花壇で水遣り兼日向ぼっこしている私を邪魔する悪魔が来ました。

ただ、先日同様に二人見当たらないのですが。


「二人はまだ元気にならないのですか?」


一応同じ村に住む者同士です。社交辞令の御挨拶は必要です。イツキさんは大人なのです。


「いや、もう元気らしいんだけどさ、あいつあの熱以降なんか付き合いが悪いんだよな」


「そうそう、なんか趣味の悪いバンダナ頭に着けてるしさ、あれ変だよな」


「でも、両親の手伝いで海に出てるんだろ?」


「あいつら俺達の結束より、親をとった裏切り者だ!それに、二人でつるんでんだ、俺達無視してよ」


何やら不満が大爆発です。今まで仲の良かった友達が、一気に大人になっちゃったんですね。

うんうん、解りますよ?・・・たぶん?

そういえば、私って友達いましたっけ?・・・・ちょっと記憶にないですね。


ま、まぁ良いのです。私のアイドルデビューはまだまだ是からなんです。

都会へ出て、スカウトされて、一躍超有名人なんです!ふ、この美貌なのですから、シンデレラストーリーです!かぼちゃの馬車なのです!


わたしがポ~~っと未来の自分を思い描いていたんですが、すると何か雑草さん達がざわざわし始めました。


「うみゅ?何事でしょうか?」


島のいたるところから、緊迫した雰囲気が漂ってきます。でも、目の前の悪魔たちは相変わらず愚痴をぶちぶち言ってるのです。貴方達はすでに野生の本能を無くしてしまったのですね?

憐みの視線を向けるその更に先に、何かが見えた・・・・・んみゅ?


「あ、鳥さんだ、初めて見たわ」


「え?」「ん?」「鳥?」「なんだ?」


悪魔たちが怪訝そうな視線を向けてきますが、その時、村中で叫び声が聞こえ始めました。


「と、鳥だ!」


「急げ!弓持ってこい!」


「うわ!弦張ってないぞ!」


「網を縦に設置しろ、もしかしたら数羽くらい引っかかるかもしれん!」


・・・・うん、何やら大騒ぎです。もっとも、鶏肉なんて100年以上食べた事がない・・・あ、駄目だ。

あの鳥さん達って角が生えてるや!

今週1話投稿し忘れたので、いつ投稿しようか悩んで土曜日投稿を・・・

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