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2-4:イツキは元気で這いまわる

ふふふ、スーパーハイハイマシンのイツキです。

残像を残して這いまわるスーパーベイビーなのです!ところで、残像を残しって残さないと残像さんはどうなるのでしょうか?残らない残像・・・存在意義がピンチですか?


ともかく、ついにイツキさんはハイハイが出来るようになりました。

ただ、何となくですが周りの反応を見るとハイハイを始めるまでに時間が掛かりすぎているみたい?

ハイハイを始めた時に皆の表情に、喜びより安堵の気配が!

あれ?ちょっと慎重になりすぎたのでしょうか?


こうなれば、早く2足歩行に挑戦して汚名を挽回・・せねばなのです!


イツキちゃん聖女伝説に向けて、今ならまだ修正が可能なのです!


という事で、足腰の鍛錬の為にスーパーハイハイを習得中、以前の空中ハイハイから継続進化中なのです!


ふふふ、この華麗なコーナーリングを見るのです!


ゴロゴロゴロ・・・・ドジン!ゴツン!


「ふ、ふえ~~~~ん」


痛かったです!久しく感じた事のない激痛なのです!

100歳越えだろうが何だろうが痛いのは痛いのです!っていうか痛みの耐性なんか身についていないのです!

イツキさんの泣き声に、お母さんが慌てて抱っこして、頭をナデナデしてくれます。


「あぅぅぅ」


「はいはい、痛かったのね、大丈夫ですよ、お母さんがいますからね~」


う~~~謎です。お母さんがいると痛いのが治るのでしょうか?でも、頭をナデナデされると、確かに痛みが和らぎます!もしかして、お母さんは魔法の手を持っているのでしょうか?

と、ともかく、これからは慎重にハイハイをします!ゴツンはもう御免なのです!


ズルズル・・・ズルズル・・・


危険を回避するために、ゆっくり慎重にハイハイから這いずる感じで進む私の様子に、周りの大人達が何やら話をしています。

ここ最近少しずつですが言葉の解ってきた私は、大人達の会話に意識を集中します。


「あ~~、なんというか、独特な育ち方をしているな」


「いえ、その、ちょっと成長が遅いだけで、離乳食もしっかり食べますし、元気に育ってますから」


「ハイハイを始めるのもちょっと遅かったし」


「あんたたちは何馬鹿な事言ってるの、こんなの許容誤差よ、あんたなんか10歳までオネショしてたそうじゃないか」


「あ、いや、それはデマだって!」


何やら盛り上がっているみたいですね。でも、相変わらず何を話しているか解らないですね。

ただ、わたしの華麗なるハイハイを称賛しているのでは無い事は解りますよ?

どことなくお母さんが私の弁護をしてくれているような?


むぅ、解せぬ!このハイハイに何か欠点があるのでしょうか?

もしや時代は既に2足歩行を求めているのでしょうか!まだハイハイ歴すら少ないこの私にそこまで要求するのですか!


むむむ、しかし、私はいままで幾度も苦難を乗り越えてきたのです。幾つもの難題を克服してきたのです!

わたしの辞書に、不可能と言う文字は載っていないのです!決して欠陥品ではないのですよ?


た、立つのです!イツキ大地に立つのです!


丁度壁沿いに移動していた事もあり、両手を壁に当てて踏ん張ろうと、立ち上がろうとしてみます。


うんしょ、うんしょ


むぅ、ただ立ち上がるのがこれ程までに難しいとは!


必死で両足に力を入れようとするのですが、そもそも足の裏が上手に床に着きませんよ?

しばらくバタバタしていて、今のやり方がそもそも良くない事に気が付きました。

うん、這いつくばった態勢から立ち上がるのはハードルが高いかもです?


まず、四つん這いになっての方がっと態勢を変えようとすると、周りが静かになっている事に気が付きました。


「うあぁ?」


声を出して周りを見ると、大人達の視線を一身に集めていました。

なんでしょう?私の可愛さに魅了されています?

わたしの視線に気が付いた大人達が、何やら複雑な表情をしています。


「あ~~~何か邪神崇拝の儀式でも見ている気がしたわ、俺」


周りの大人達の何人かが頷いています。


むぅ、こいつ何か絶対失礼なこと言いやがったのです!

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