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光からうまれた
由香は、目の前で起こっている状況から目を話せないでいた。とっさに握った剣の柄にはめている宝石が、光だしたのだ。
その光は、柄から離れどんどん大きく膨らみふわふわとシャボン玉のよな動きをした後、放っている光を自身の中に収束させていった。
そして、バスケットボールぐらいの白いバスケットボールくらいの大きさの大福のような質感の物体が目の前にふわふわと浮かんでいた。それは、家にあるビーンズクッションによく似ていた。
(でも、うちのクッションはもっと表面がざらざらだけどなー)
などと考えているうちに、彼女の意識は遠のいていった。
グライスと長髪の男、ゲールは目の前の光景に全く違う感情を抱いていた。
グライスは、国の未来を喜びゲールは、灼け付くような激情にさいなまれた。そして、2人は言葉を一言も交わさずに宝物を扱うようなしぐさで由香を城へと運んだ。