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兎と龍の短編集

世界消滅と少年思考

作者: カルカポポ

こんにちは。

久々の短編です。

ある日、世界が壊れた。


予告もなく、突然だった。

人々は慌て、動物は消え去った。

誰も理由なんて知らない。でも、答えを求めて他人(ヒト)に聞き続けた。

もちろん、答えが返ってくるはずがない。


しかし、ある人は言った。


(ばち)があったんだ。」


罰。 罰か。 なるほどね、よくある答えだよね。

でも、意外と当たってたりして...。


じゃあ、どうして僕らは罰を受けなくてならないの?

なにか、悪いことしたっけ?

うーん。僕にわからない。


だって、僕はいい子だもん。


いや、嘘。

いい子かどうか僕には判断しかねる。

自分のことなんか、自分じゃわからないから。


なんでこんな時に、こんなどうでもいいこと考えているかというと、

僕自身がこのことに興味が無いから。

だって、未来はわからないじゃないか。

消えてしまおうが、元に戻ろうが、僕にはわからない。

だったら、何をすればいいかなんて何万年考えたって答えは出ない。


そんなことを思っていたら、ニュースで偉い人が言った、


「不測の事態が起こっています。ただちに、地下へ逃げてください。」


地下...。

でもさ、何が起こるかわからないじゃん。地下が絶対に安全なの?

それに、地下って限られたスペースだから、全員が助からない。

誰かを見捨てなきゃならない。

きっと、奪い合いが始まるよ?


あ、ほら。

町のあちこちで、元からたっていた煙以外の煙が立ち始めた。

あーあ。四方八方から喧嘩の音が聴こえる。

この様子じゃ、僕も逃げるのは無理そうだ。


いっそのこと山に行こうかな?

世界が消える前に星が見たい。天の川が見たい。

家にある望遠鏡を持っていこう。

世界最後の感動的な出会い(天の川)を見るために。


一人じゃ寂しいかな?

あはは。自分のことなのに悲しいくらいの乾いた笑いが止まらないよ。



クラスメイトが言った。

「俺はどこにも逃げない。だから、好きなもん食って、好きなことして終日(今日)を全うする。」


あ、僕の考えに近いかも。

好きなものかぁ。うーん、なんだろ。

コンビニ弁当? 夢がないか。

なら...。

誰かと食卓を囲みたい。

温かいものが食べたい。

これならどんなものだって美味しいはずだ。


好きなことは、星観察だね。



うーん。良いかもしれない。

これなら最後も辛くないだろうなぁ。


あぁ、でも君はどうするのかな?

怖くないかな?



!!


チャイムの音がした。

あーあ。こんな長々考えちゃったから今回も結果は悪そうだ。


そんなことを思いながら、僕は回答用紙を提出した。

ちょうど、君の回答用紙が見える。


あはは、君も空白か。

よかった。一緒で。










問、世界が消滅します。そのとき、あなたは何をしますか?

あなたの考えを書きなさい。

読んでいただきありがとうございましたm(__)m


どうでしょう。テストでした。

この問題酷いですね...。


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― 新着の感想 ―
[良い点] どんでん返し的な展開に驚きました。読者が興味を引く展開だと思います。私も思わず読み返しました。 あと、ハッピーエンドなのもいいと思います!読み終わってほっとしました。 [一言] すごく面…
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