34話 人間が仲間になった。
オレ達がお姫様を拾ってから早くも二週間が経過した。
縄は解いてやった、箱入りお姫様かとも思っていたんだが意外と料理とかが上手で重宝してたりする。
丸焼きなど料理ではないと豪語するお姫様は当初の『帰る』という目的すら忘れてオレ達の旅に同行していた訳だが……気がついたらお姫様の生まれ故郷に付いてた。
「どうしてですか!? 私はクラ――――」
「はいはい、わかったわかった、でもねお嬢ちゃん、クララ姫は『死んだ』んだ盗賊に攫われてな、もう葬式も済ませちまってるし今更……ああいや、そんなこと言われたってあんたが偽物扱いの犯罪者になるだけさ」
どうやらお姫様は故人扱いらしく今更戻っても疎まれるだけらしい。
「そ、そんなぁ……」
崩れ落ちるお姫様。
「まあ元気出せよ、人生いろいろあるだろうしさ、またオレらと旅すりゃいいじゃん、な?」
「そ、そうですよね分かりました、改めてよろしくお願いします」
なし崩しにお姫様が仲間になった――――いやいつもの魔物みたいに仲間になったとかありゃ分かりやすいんだけどな。
クララ(人・女)を仲間にしますか? しませんか? ――――
で、でたー! 勿論する、というかどういう扱いになるんだ?
『クララ(人・女)はなかまになった!』
「え? あ、はい、よろしくお願いします?」
今のは多分だがアナウンスが聞こえたんだな……いやもしかしてみんな聞こえていたのか?
他のみんなは最初は喋れない魔物だからな、反応されても気付かなかったのだろう。
名前:クララ
性別:女
年齢:十九
職業:お姫様
称号:捨てられ姫
性格:天然
装備:無し
特性:天然ボケ
特技:料理
家事
治癒魔法
召喚魔法
これがクララのステータスらしい、やっぱニンゲンだな、年齢の下の項目が種族ではなく職業だし……それにしてもこいつ魔法が使えたのか。
この旅の間そんな素振り一切見せなかったが、天然ボケのせいか、結構使えそうだしいい拾い物だな。
でもお姫様が料理とか家事出来るって妙な話だよな。
「さて、そろそろ行くか……こんなとこに長居する必要はないんだし」
「それもそうですね、では参りましょう」
オレとクララはみんなが待つ馬車へと戻ることにした。
「それで追い返されて来たのですね……でもクララ様がまたご一緒してくださるのであれば私も心強いです」
メイドさん姿なブルーム、だが姿だけだ、家事スキルならクララの方が上という点に置いてブルームはクララを重宝してた。
あくまで重宝、人間など餌か道具でしかない……そういうスタンスだったのだが。
「我らの仲間になったということか……これから態度を改めねばなるまい」
ボロい馬車の中でもどっしり構えているドーラは今まで本当にクララの扱いが酷かったがようやく認めましたって感じだ。
ヴァイスも嘶いている、すっかり馬車馬が板についてしまっているがイヴはどうしているのかといえば、休眠状態ということになるらしい……イヴが起きていたら騒がしい事になっていただろうか。
早いとこレギオン状態解除の方法を探さないとな……オレ達はその方法を探すためにこの人間の大陸へとやってきたのだ、未だに手掛かりの一つも見つかってはいないが。
それにしても――――仲間になった以上クララにもドーラ達が魔物であると教えなければならないが、どのタイミングで教えるか……それが今最も考えなければならない難題だった。
餌フラグ回避!
しかしニンゲンを辞めるぞぉ!展開になりそうな予感。




