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32話 人を食ったような話

はい、今回若干人道に反した内容があるかもしれないので注意してください。

※なお、主人公達は人間ではありませんので悪しからず。

「おい、にいちゃん、命が惜しかったら身ぐるみとその女達を置いて行け」


 いかにも盗賊の三下って感じのオッサンが三人オレにナイフを突きつける。


「身ぐるみだと?」


 オレは盗賊達を鼻で笑い、自分が纏っているボロ切れを剥ぎ取った。


「いいだろう! くれてやるよボロ切れしか着てないけどな! 全裸だよ全裸!」


 オレは自分の股間を強調させる様に腰を振る。オッサン達がソレにひるんでいる間にオレはドーラに合図を送ると、一瞬で目の前の男たちがバラバラ死体になった。



 パチパチ……焚き火が爆ぜ木の枝に刺さったオッサン達の腕や足を焼いていく、若干毛深かったが火で炙ったら毛は燃えてなくなった。


「まずいな」


 一口齧ったドーラが顔を顰めている。


「仕方ないだろ、我慢してくれ」


 オレも焼けた腕に齧り付く、確かにひどい味だ、ろくなもの食べてなかったんだろう身は痩せてて硬い。

 イヴも何も言わず我慢して黙々と食べている、ブルームは一人スライムになって残飯(腕と足以外)を消化している。

 オレ達が人間の住む大陸に再びやってきたかれこれ一週間が過ぎた、この荒野に入ってもう三日、食えるものといえば群がるハエのような盗賊たちばかりだ。

 いい加減ピチピチな女体にかぶりつきたいぜ……いや人間じゃなくてもいい魔物でいいんだが、この大陸に来てから生憎魔物を一度も見ていなかった。


「なぁ、この大陸には魔物っていないのか?」


 オレは、残った骨をブルームに投げて処分させてるドーラに聞いてみた。


「ん? どうだったか、居たはずだがな、少し行ったところに人間の集落があるようだし情報を集めるのに寄ってみれば良いのではないか? ソータ殿(・・・・)


 人間の集落か、なら食べ物もあるだろうし行ってみるかな。――――ちなみにみんなが服を着る様になって文明というか知能というか飛躍的に向上した為、今まで気にしたこともなかったオレの名前を聞いてきて、今では名で呼んでくるようになった、まあ、ブルームとかは相変わらずマスターって言うし、イヴのお兄ちゃん呼びも変わらないが。


「それじゃ早速行ってみるか、ブルーム、消化の方はどうだ?」


 スライム状態の体からもぞもぞしながら元のメイド姿に戻ったブルーム。


「はい、ついさっき完了しました」


 愛しのメイドさんがしかめっ面していた、やはり不味かったんだろう、悪いことをしたな。



 そこから二キロぐらいの道のりを五時間かけて人間の集落……もとい盗賊団のアジトにたどり着いた。


「ここってあいつらの仲間のアジトかな」


 天然の洞窟を利用しているようでところどころに穴が空いておりオレ達はドーラに乗って洞窟の真上へと上がり穴から中の様子を伺うことにした。


「どうでしょう、服装は似てますが……それとなんだか騒がしいですね」


 ブルームは洞窟の一点を指差した。何やら盗賊たちが集まっている、その他にも人間の姿を見て取れるがきっと奴隷か何かだろう。


「静まれ! 今日皆に集まってもらったのは他でもないザック、ジェム、バーンズが帰ってこない件についてだ……捜索隊を派遣したところこのようなものが見つかった」


 壇上の上に盗賊が一人立っている、なんだか偉そうな感じがするので多分あいつが親分だろう。その親分が何やら汚いボロ切れを取り出し盗賊たちに見せるように掲げた。


「あれは昼間の連中のものだな」


 ドーラの視力はオレらよりも良いらしくはっきり見えているようだった。

 それにしても布もボロかったしドーラがバラバラにしたから単なるゴミとして捨ててきたが、まさかこんな形で発見されるとはな。


「これをやった賊がどこに居るかはわからないが足跡からしてこちらへと向かっているのが判明した」


 賊に賊って言われた。そして賊どもは親分の言葉にざわつく。


「これより三人の仇を討つ為の戦士をここに募りたいと思う、誰か勇気ある者は居ないか!」


 親分の言葉に今度はみんな黙り込んでしまった、仇討ちをしようという気概があるように思えないがオレ達はとりあえずその場を見守ることにした。

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