閑話 タマゴの行方
ワシの名前はキャプテンハーミット、本名オーキッド・ハーミットという。
ワシは今魔物が支配するという大陸キューシュへ来ている。
この大陸に住むとされている珍しい魔物を捕獲し連れ帰り売りさばくためだ、巨大戦艦型研究所を使ってはるばる海を越えて来たのだが、肝心の珍しい魔物が見つからない。
「パパーみてみてータマゴ拾ったよー」
十歳になる娘のクリスが大きな卵を抱えてやってきた、相当な重さがあるらしくふらついている。
「おおー偉いぞクリス、流石ワシの娘だ」
「えへへー」
ワシの元まで来たクリスを撫でててやり褒める、子供を育てるのには必要なことだ。
ほう、このタマゴは見たことがない! やはりこの大陸には未知なる魔物が居るということだな!
「向こうの方にまだいっぱいあったよ!」
娘が火山の麓を指差し、そのまま駆け出していった。
「ジョーイ! マイク! 手伝ってくれ、クリスが魔物の卵を発見した! ワシらも行くぞ!」
ワシは妻と息子を呼び、娘の後を追うことにした。
火山までたどり着くと、熱湯と熱気によって蒸し暑いそんな場所にたどり着いた。
「パパみて、ほらいっぱいあるでしょ?」
確かにたくさんあった、それこそ山のようにである――――しかしこの程度の数であるならばワシの戦艦に充分積めるかずだ。
息子が運搬用ゴーレムを大量に引き連れて後からやってくる、あいつは聡いからな必要なものは言わずとも持って来てくれる。
運搬ゴーレム達を使い次々に卵を戦艦内部にある妻の研究室へと運ばせている。
この間に卵の親が帰ってきて襲われないように見張るのはワシと娘の役割だ。
ワシの家族は妻と息子が研究者、ワシと娘が武闘派という構成になっている、そんじょそこらの魔物風情ならば娘一人でも問題はないが、これだけの量を産む個体などそう滅多にいるものではない……恐らくはこの大陸の主と言われるドラゴンの卵に違いない。
かのドラゴンは先日我々人間の統治する大陸に突如現れ、街一つを壊滅させたという話だ……できれば戦いたくはないが、これも愛する妻の研究のためだその時はワシも覚悟を決めよう。
「父さん、積み込みが終わったよ」
「おお、そうかでは卵の親が戻ってくる前にさっさと逃げるとするか!」
ワシらは急いでこの場を離れ、この卵たちを国に持って帰り我が国の魔物軍団に加えるのだ!
タマゴの中身が出てくるのは当分先のことです。




