2話 人化、マッパもあるよ!
オレは今、ウルフの群れに囲まれている――――シロをモフモフしてたら油断しちまったぜ!
今の俺のステータスだが
名前:間津海草太
性別:男
年齢:十九
職業:魔物師
装備:ブルーム(服)
シロ(ナイフ)
特性:魔物フェロモン
特技:調教
合成
変化
勧誘
魔物フェロモンってなんだ、多分メスが寄ってくる的なものだろうとは思うが、今、こいつらはあからさまに威嚇している、きっと全部オスなんだろうけど。
「ガァッ」
勇気ある一匹が飛びかかってくるが、オレの右手にある、真っ白な装飾のナイフがウルフの喉元を自動で引き裂いた――――そう、鞭同様にこのナイフも思ったように動く、手が動くんじゃなくてナイフに引っ張られるようにして手が動くわけだ、そうして十八匹程居たウルフを全て倒し……オレは全裸に戻った。
このウルフ達とブルームとシロに合成して強化してやらないとならない。
ブルームとシロを魔物化させ、ウルフを九匹ずつに分け、二匹に合成させた。
そして二匹のステータスを見る
名前:ブルーム
性別:♀
年齢:十六
種族:アシッドスライム
属性:酸(毒水)
装備:無し
特性:物理無効
特技:お喋り
溶解液
伸し掛かり
水鉄砲
名前:シロ
性別:♀
年齢:十八
種族:スノーウルフ
属性:氷
装備:無し
特性:危険予知
特技:お喋り
噛み砕く
突進
氷の息吹
なんだ、属性とか増えたぞ!?
それに種族も変わっている、進化したってことか?
というかシロが喋れるようになっただと!?
「お、おい、シロ、喋れるのか?」
「えと、はい、おかげさまで」
「わたしはあんなに必死に練習したのに……」
そうだ、ブルームは調教で頑張ってようやく言葉を覚えたというのに。
「それはきっとスライムが言葉を発しないからじゃないかと、私たちウルフはご主人様のような、言葉では会話しませんが、音による意思の疎通をしますから」
「そういうもんか?まあ、いい喋れるようになったんだ、それでいいじゃないか」
オレは浮かれていた、自分以外に言葉を話せる存在ができたというのは、本当に嬉しい、だって全裸で言葉の通じないモンスターだらけの世界だ、一人ぼっちで、話し相手ぐらい欲しいじゃん?
だから二人を変化で人化させたんだ、深く考えずに。
ふぅ……今日は日差しが眩しいな、おかげで大事なところは、よく見えないが二人共人の形になった、日に焼けてない白い肌をしている、水色の透き通るような髪と瑠璃色の瞳が恐らくブルーム、白髪に真紅の瞳で獣耳付きがシロだろう、あ、尻尾も付いてた。
「おおーこれがご主人様の種族のメスの姿ですか?」
二足歩行――――いつも四足歩行のため、慣れない動作を確かめるように歩き出す、シロ。
「手足があるって不思議ですねー」
手足自体がないブルームもそんなこと言ってた、勿論、二人共すっぽんぽんだ、それに、魔物だから服とか着ないじゃん?オレが全裸だったせいもあると思うが――――恥じらいがない、そして恥じらいがないと不思議と、エロくない、アレだな、きっと外国の絵画とかの理屈と一緒だ、アレは芸術だからそんなもの感じはしない、これも、こいつらも似たようなものだ。
オレは無理矢理納得することにした。