1話 喋るスライム
ステータスがどっかの有名ゲームみたいになりましたが、自分の趣味です、悪しからず。
それと魔物の年齢はレベルとかではないです。
オレは今全裸だ――――何故かって?着る服がないからだ。
目の前には反抗的なウルフってやつだ、まあただの狼だな、それに寝込みを襲われた。
その時はブルームを来てたから、スライム系特有の物理無効というもので助かった、結構布切れとしては薄いのだがそれでも無効化されたやつの噛み付きは甘噛み程度に感じられた。
そして、今オレが全裸なのはブルームを服から変化させたからだ、ブルームに戦ってもらうというのも考えたが、隙をつかれて俺に攻撃が来たらやばいのでオレが戦うことにした。
ブルームを武器化……ブルーウィップ、青い鞭に変えた、材質がスライムとだけあってよく伸びるし、意思を伝達出来るらしく自由自在に動く。
「グルルル……」
ウルフは唸り声を出して威嚇している。
鳴き声でもあるだけまだマシだな、スライムは鳴かない、これが結構寂しい。
オレはこのウルフを仲間にする気でいたんだけど――――ブルーウィップの一撃でウルフは力尽きた!
なんでだよ!弱っこれなら武器とか出さなくても良かったんじゃね?
オレはブルームをモンスターに戻し、ウルフに近づく。
脳内に合成しますか?という声。
合成したらブルームが強くなるんだよな――――そりゃ勿論するさ。
オレは声の指示に従って、右手にブルーム、左手にウルフの死骸を手に取り、二つを合わせるようにこねくり回した。
ウルフは跡形もなく消えた、そして――――
「わん!わん!」
やったブルームが鳴き声を覚えたぞ――――ってなんで犬?
いやそれにしても、声がさっきのウルフでもなく、なんか可愛らしい女の子の声なんだが、どういう仕組みなんだ?
正直どこから声を発しているのかわからない。
名前:ブルーム
性別:♀
年齢:十六
種族:ブルースライム
装備:無し
特性:物理無効
特技:鳴き声
溶ける
体当たり
丸くなる
なんかよくわからないけど項目が増えていた。
でも鳴き声が特技ってこんな可愛い声が出るようになったんなら喋れてもいいんじゃないか?
オレはスキルである調教を使って、ブルームに言葉を覚えさせようと小一時間ほど、頑張った。
名前:ブルーム
性別:♀
年齢:十六
種族:ブルースライム
装備:無し
特性:物理無効
特技:お喋り
溶ける
体当たり
丸くなる
やった、ブルームは鳴き声をお喋りに昇華させたぞ!
念願のお喋りを手に入れた。
「おい、ブルーム、わかるか?」
「はいっマスター、わたしはブルームです」
おお、喋るスライムとか凄いな、これなら変化で人化させてもいいんじゃないか?まあでも少女になったブルームと二人全裸とかもう理性がやばそうだからしばらくは服のままで居てもらおう。
「悪いけど、また服になってもらってもいいかな?」
喋れるようになったら急に態度を変えるオレ、なんて現金なやつだ。
「わかりました、こうですか?マスター?」
ブルームは青いツナギに変化した、どうやら一度なったことがある形状には俺の変化は必要ないらしい。
オレはブルームを着たんだが。
「どうですかマスター?」
服のまま喋れんのかよ……まあいいけど。
「マスター、敵です……またウルフみたいですよ?」
オレは全く意識してなかったが、近くの林の中から白いウルフが出てき、ちょっとさっきのよりは小柄だ。
どうしたものか、アレが色の違う珍しいウルフとかなら、ちょっと仲間にしたいけど、たぶんあいつも鞭打ったら死んじゃうんだろうし。
オレはちょっと悩んだ末、ゆっくりとウルフに近づくことにした、噛み付かれてもブルームの物理無効でどうにかなるだろうし。
ウルフがこちらに気づいた、ウルフは様子を伺っている。
オレは、ウルフの頭に手を置いた――――撫でて見る。
つか大人しいなこいつ。
ウルフ(白)を仲間にしますか?しま――――
「するに決まってんだろ!」
『ウルフ(白・♀)がなかまになった』
『ウルフ(白・♀)になまえをつけますか?』
ウルフの名前ねぇ……犬とかだと体の色で名前付けるよな。
よし――――
「シロでどうだ?」
『シロはよろこんでいる』
名前:シロ
性別:♀
年齢:十八
種族:ウルフ(白)
装備:無し
特性:危険予知
特技:鳴き声
噛み付く
体当たり
尻尾を振る
シロの方が年上か、俺の一個しただけど。
服にしたら毛皮になるのかな?今はこのままでいいや、もふもふしたいし。
そしてオレはそれから次の魔物が現れるまでシロの毛並みを堪能したんだ。