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Lost memory  作者: ぴかちゅう
第一章
5/15

every morning

 カーテンの隙間から日の光が降り注ぐ。光はやがて俺の顔へとのび、その眩しさ故にいつもここで目を覚ます。

 その後洗面所へと行き、冷たい水で顔を洗い眠気を落とし鏡を見ると髪がピンピンに跳ねた自分の姿がそこにはあった。 どうやったらこんな寝癖がつくのかと毎回思ってしまう。

 苦労して寝癖を直したあと、歯を磨けば首から上は学校へ行く準備ができたというわけだ。

 次は首から下の準備をすべく、部屋へと戻り制服に着替える。

 しばらくすると母親からの招集がかかった。と、いっても学校で空腹に悩まされないように過ごすための準備をしろ、つまりは朝食ができたから早くこいということだ。

 トーストの焼けた匂いに誘われるかのようにキッチンへと向かうと、家族みんなは椅子に座っていてあと一つ空いた椅子に座るであろう人を待っている様子だった。

 俺の家族は4人家族で父と母と今年高校受験を控えている一つ下の 妹、千咲(ちさき)がいる。

 空いていた椅子に腰をかけると個人個人いただきますといってトーストにジャムやバターなど各々の好みなものを塗り口に運んでいった 。ちなみに俺が選んだのはマヨネーズだ。

 中はふっくらとしてて外はカリッと焼けたパンにちょうどいい酸味が加わるのがまたなんとも言えないほどの美味なのだが、家族の中でそれを理解しているのはどうやら俺だけらしい。

 朝食を食べ終わると父、千咲、俺は通勤通学のために家を出て母は家事をするために家に残るというごく一般的な家庭の行動に出る。

 「いってきます」

 「いってらっしゃい」

 と、これまたごく普通の挨拶をかわしたのちに家を後にした。

 登校時は千咲の中学校の通学路と途中まで同じなので一緒に登校している。

 「お兄ちゃんってなんでパンにマヨネーズ塗って食べるの?」

 今まで家族に聞かれることのなかった質問をされた。

 中学のときからマヨネーズを塗って食べていたのになぜこの日に聞いてきたかは謎だ 。千咲は今の今までずっと疑問に思っていたのだろうか。

 しかしそんな質問返すとしても答えは一つしか思い浮かない。

 「美味しいからだろ」

 どんな返事を期待していたかはわからないがどうやらこの言葉はストレートすぎてつまらないと千咲の顔はそう物語っていた。

 どうにか満足させようと言葉をつけたす

 「千咲も食べてみろよ絶対気に入るから」

 だが、この言葉も俺の思い通りにはいかず千咲はもういいと言わんばかりに早歩きで俺より先に行ってしまった。

 「難しい年頃だな……」

 とつぶやきつつ俺は学校へ向かうのであった。


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