さて困った
うーむ。
開店して3日。
お客は減るどころか増えてる気配。
客層はほぼ若い男女で固定。常連ぽい人まで出てきたし。
女性にはケーキセットが大好評。干し肉サンドも案外人気。
男どもは、チャーハン派と干し肉サンド派に分かれるが。
俺もクレアもかなーりへばってる状態。
ぶっちゃけ、全然流行らなくても良かったんだけどなー。
収入は狩りで十分稼げるしさー。
今じゃ狩りなんて白黒に任せっきり。
あー、あいつらと遊んでやるヒマもねーよ。スマン。
つかね、まだ名前も無いんだよね、俺らの店。
09:00~17:00 が営業時間なんだが、削るかなー?
元々酒は出さないんで、夜はやってないんだけど、夕方になってもお客来るんだよなー。
町の他の店、特に酒場とかとバッティングは避けたいから、閉店早めるかな。
とは言え、15:00頃って午後ティーしに来るお客多いしなー・・・。
うーむ・・・。
「はぁ・・・今日も疲れました・・・。」
「お疲れクレア。」
「ふぅ・・・なんかもう、限界じゃない?」
「はぁ~・・・ですねー。」
「これじゃ、料理教わるヒマも無いわよ~。」
「うぅ・・・昨夜なんて、疲れたからってエッチしてくれなかったんですよ、ユーキさんてば。」
「だってお前、ミューたちが獲って来てくれた獲物処理しなきゃならなかったんだよ~。」
「ふんだ。」
なんかこう、世の中の疲れたお父さんたち・・・頑張ってください。
俺も頑張りますから。
「ちょっと~、ユーキ若いのにだらしないわねー?」
「そーですよー。こんな美人の彼女放置するなんて、枯れてますねー。」
「も、もしかして、私の身体は飽きられちゃったんですかぁ~?!」
「ええぃ!飛躍させるんじゃねぇ!」
「うー。」
取り敢えず、頭ナデナデでごまかしつつ・・・
「マジどーすっかな?
なんか良い案あるか、みんな?」
「やっぱ営業時間減らすしか無いんじゃない?」
「ですねー。
フロアは私たち二人で何とか回せてますけど、キッチンのお二人の負担減らすには、
時間減らすしか無いと思いますよー。」
「むう。やっぱ料理任せられる人増やせない限り、それしか無いかぁ・・・。」
「あーでも、私はともかく、サムならキッチンでも大丈夫なんじゃ?」
「あそっか、それでサムの代わりのウエイトレスさん雇えば・・・。」
「サムの代わりなら、二人雇わにゃならんぞ。ぶっちゃけ高性能だしこいつ。
並みの人間なら二人は要るよ。」
「ちょっ!何いきなり褒めてるのよ・・・照れるでしょっ!///」
「むー、ユーキさん浮気ですか?」
「バカこくでねぇ・・・オラはおっぱい星人だがや。」
「何処の方言よそれ?てかおっぱい無くて悪かったわねっ!」
「別に悪くは無いぞ。興味が無いだけだ。」
「真顔で言い切られるとか・・・殺意が湧くわね・・・。」
「あのー・・・結局どうするんですかー?」
「む・・・そうだった・・・。アテ無いんだよなー、ウエイトレス。」
「アタシらくらいの年齢のコって、大体もうそれなりの仕事しちゃってるからね・・・。」
「ですねー。大体何かの弟子とか見習い、じゃなければ冒険者。」
「冒険者にしたって、専業はこの町じゃアタシらくらいだったし。」
「居付きの人たちは、みんな副業ですしね。」
「と言って、渡りなんてこの町に滅多に来ないしね。」
「来たところで、薄給のウエイトレスに転職するとも思えんしな。」
「薄給じゃ無いですよー。月に銀6枚なんて、一人前の職人さん並みですよー?」
「そーそー。おまけにご飯まで出るしね。」
月給6万円で一人前なのか・・・バイトだからこんくらいかと思ったんだが。
まぁ物価とか違うしなー。
それにこいつら良くやってくれてるしな。高すぎるとは思わん。
「なーに、お前らにはそれだけ払う価値があるのさー。な、クレア?」
「はい。ホント凄く助かってますからね。」
「///う・・・なんか褒め殺し?」
「うふふ・・・褒められちゃいました~♪」
「しかし困ったなー。人手が増やせない以上、時間削るしか無いんだよなー、やっぱ。」
「でも、朝から待っててくれる人も居れば、夕方来てくれる人も居ますし・・・。」
「うーむ・・・打つ手が無いな・・・。」
「時間が削れないなら・・・いっそ休業日増やすとか?」
「む?」
「この調子なら、3日やって1日休んでも問題無いんじゃない?」
「そいや休日も決めて無かったっけ・・・。」
「適当過ぎるでしょ・・・。」
「むぅ、反論出来ん・・・。
けどそうだな、1日あれば3日分仕込みとかも出来るな。スープとか。」
「たまに連休にして、息抜きも出来ますね?
朝からずっとエッチしても大丈夫ですよね?」
クレア・・・俺には余計ハードな一日になりそうなんだが・・・?
「クレアって、可愛いい顔して大胆よねー。」
「ホントです・・・。」
「そんな事無いですっ!二人も彼氏が出来れば解りますよ。
いつでもどこでも、ず~~~~~~っと一緒に居たくなるんですから。」
「くっ!何も言い返せ無いっ!」
「むぅぅ・・・私もイケメンゲットに邁進しますっ!
ぜ~~~~ったいユーキさんよりステキな彼氏見つけてみせますっ!」
「へっへ~~ん、ユーキさんよりステキな人なんて居ませんよ~♪」
「ホントにもう、このノロケ娘はっ!」
居心地悪過ぎ。
クレア、自重とか遠慮とか全然しなくなったな・・・。
あー・・・俺の浮気の所為かな、やっぱ・・・立場弱いな俺。
しかしあれだな、解決策は休日多くするのがベストかな、やっぱし。
3日なら何とかこなせるし、1日休みあれば色々出来るしな。エッチとか。
収入も問題無いし、これでいくか。
こっちの暦は太陰暦だから、一ヶ月は28日。
つー事は21営業日に7休業日。
今んトコ1日あたり銀1枚くらいの利益。
少なく見積もっても一月あたり銀20枚くらいは稼げるな。
家賃や二人の給料払っても、余裕だな。
・・・なんか結構儲かってるな、ウチの店。
まーエルムさんとかの厚意が大きいんだがな。家賃とか野菜の卸値とか。
あとは、お茶だよなー。みんな隠れ家からガメて来たよーなもんだし。
あ・・・そいやコメとか切れそうなんだよな。
仕入れに行かなきゃならんな・・・。
”あの村”に・・・。
むぅ・・・行ったらまずあーゆー展開になるよな・・・
マズい・・・ぜってーバレるし。
クレア、怒らないとか言いつつ、スゲー怖いしよー・・・。
どーしよー・・・・・・・・
えー、年末進行っつーやつで、しばらくリアルが忙しくなります。
次回は年始になると思いますので、何卒お見捨てくださらぬ事を。
では、皆様良いお年を。