勘違い迷子
シリアス初挑戦です…。
うまく書けない所も
ありますが、何卒
よろしくお願いしますっ
”(ノ><)ノ
この世界で最も強力な権利《司法権》を持つ機関、最高裁判所【ジャスティス】。
ジャスティスは長官一人と裁判官十四人から構成され、犯罪や争い事、そして戦いや戦争までもを法に基づいて判断し解決する権限を行使する国際機関である。
どんな獰猛な輩であろうと裁判を開かなければならない彼等は、それ故にそれぞれ見合った戦闘経験や武器を持たなければならない。
その武器を翳し躊躇なく判決を下す彼らは別名……
【死に神】
と呼ばれていた……
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「次の訴訟場所はウィーンか……」
馬車に揺られながら紙切れを眺めているのは、黒髪を雑に切り揃えているジャスティスの裁判官の一人、ドーリィ・アウディ。
彼は、薄い青色の髪の毛をした、もう一人の裁判官であり相方でもあるレド・シルクと一緒に、今回の訴訟場所……いわゆる裁判を請求して来た人間のもとへ向かっている途中であった……が。
「あんにゃろどこ行ったんだ? 馬車にも乗らないで……」
その相方のレドが現在行方不明である。否、正しく言えば、どちらかが迷子になったのだ。
こんな状況になるのは、遡ること三十分……
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『良いかドーリィ。俺達は今からここ一番から出る馬車に乗ってウィーン郊外に向かう! そこで裁判を開廷する。分かったか?』
『え、何? もう一回言って』
よそ見をしていたドーリィはレドの説明が全く入っていなかったらしい。レドは仕方なく同じ説明をドーリィに教えようとした。
『この野郎……だから、この一番から出る馬『馬車ならあっちに来たよ。早く乗ろ』
ドーリィはレドの話を聞かずに、二番に来た馬車に乗り込んでしまった。しかも馬車は同時に出発。
『違っ……馬鹿そっちは……降りろ!!』
『もう遅いし。レド早く来ーい!』
『馬っ鹿ヤロー!!』
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という成り行きである。どちらが悪いか、どちらが迷子なのかは一目瞭然だ。
「全く……迷惑な相方だ。」
どっちが迷惑しているのか当の本人には自覚が無いらしいが。
このまま馬車に乗り続けてもレドに会えないだろうと(勝手に)解釈したドーリィは、何やら裏道のような場所に降りてしまった。
「? ここ、明かにウィーン郊外じゃないよな……」
「邪魔くせーんだよこのガキ!!」
「わぁっ!」
「ん?」