とある魔法使いの最期
本日ユーザー登録してからの人生初投稿になります!
この作品は投稿のお試しで執筆した物なので、続きが出るかは分かりません。(ごめんなさい!)
また、本命の方の準備もしておりますので、投稿がありましたら是非是非ご覧ください。
(余談ですが、作品の無断転載、翻訳、朗読、動画化などはおやめください。ぺこり)
「…がはっ⁉︎」
胸に走る鋭い痛みと共に俺は吹き飛ばされていた。驚愕しながら四馬身ほど地面を転がる。
見ると己の胸がローブごと浅く切られうっすら血が滲んでた。高位のモンスターの素材を使って作られた最上級対物理魔法性能を誇るローブだ。それを我が身に届くほど切り裂くなど並大抵の所業ではない。よほど良い切れ味の風魔法でも放ったか。
「…貴様、何をした?そんじょそこらの魔法ではこいつは傷つけられん。ましてや、この俺の体を傷つけるなどありえんことだ」
離れた場所にいる奴を鋭く見据えながら問う。その間にも傷口を庇いながらいつでも魔法を撃てるよう構える。回復はしない。少なくとも射撃の速度だけは俺よりも上のようだから、魔法で傷を治そうとしても妨害されるのがオチだろう。
注意深く奴を観察する。見てくれはただの旅人に見える男だ。
奴は戦い始めてから変わらぬ場所で佇んでいる。そう、先程から奴は攻撃らしい攻撃をせずにただこちらが攻撃した時だけ、反撃している。
「……貴様から攻撃してこないのならば、これはどうだ?【詠唱破棄】鳴り響く雷鳴!」
そう発声したと同時に、幾重もの黄金に煌めく雷の槍が奴に突き刺さった。
瞬間、凄まじい落雷の轟音が空気を揺らし、直撃の光で一瞬辺りは昼間の今よりも明るくなった。
俺がもつ魔法の中でも上位の威力と速度を持った雷の応酬だ。まず避けられたものではないだろう。
魔法の着弾で舞っていた粉塵がようやく晴れ、地面に倒れ伏した黒焦げの死体が…なかった。
そして当然とでも言うように無傷の奴が直立していた。その手には、
「…剣、だと?」
抜き身の剣が一つ、握られていた。
「お前、まさかとは思うが、今のを剣で防いだのか?」
そんなことはありあえないと、半分冗談のつもりで問う。
すると奴が初めて口を開いた。
「そうだ。と言ったら?」
「…何?」
「そのまんまの意味だよ、僕はこの剣でお前の魔法を斬ったと言っている。」
ーーん、…は?
あまりに荒唐無稽なことを言われ理解するのに時間がかかってしまった。
「ハハハッ、寝言は寝台の上で吐け、小僧。そんなナマクラの剣で俺の魔法が防がれてたまるか。」
事実、今まで相手にしたどんな剣士も剣も、俺の魔法の前では無力だった。それをこんな若造が斬っただと?全くもって笑えない冗談だ。
「別に、嘘は言ってないよ。ほら、最強の魔法使いと言われたあんたなら、わかるんじゃない?」
そう言って奴は、手に持った剣を俺に向かって突きつけてくる。
ーーこれは、魔力が通っているのか?
奴の持った剣には薄く、しかし色濃く魔力が流れていた。奴の魔力だ。
「……小僧」
「ん、何?」
「本当のところ、お前の魔法属性はなんだ?」
武器に魔力を流すなど、俺は見たことも聞いたこともなかった。
奴はニヤリと笑うと口を開いた。
「やだなぁ、わからないの?無属性だよ、無、属、性、魔、法」
「…なんだと…」
「あれ?ほんとにわからなかったの?」
「バカなっ!ありえん!」
「わっ、急に大声出さないでよ」
「黙れ!認めん、認めんぞ!たかが無属性ごときで魔法が斬れるわけがないっ!デタラメを言うな、小僧!」
俺がそう叫ぶと、ニコニコと笑みを浮かべていた奴の雰囲気がガラリと変わった。
「そう、やはり君もそう思うんだね…」
ゾクリと背筋が寒くなるほどの笑みだった。
「っ、どういうことだ…」
「じゃあ、説明してあげるよ。
みんなや君が知らない無属性魔法の本来の力は、魔力を操作することなんだ。」
「魔力を…操作?」
魔力は水のように体に溜まっているのではないのか?
「そう、魔力を操作して、体の特定の箇所にたくさん流せばその部位が強化されるし、剣に流せば、魔法を切ることができるようになる。つまるところ、対魔法使いに特化した魔法と言える。そう、こんなふうにねっ!」
「なっ!ぐあっ⁉︎」
言葉と同時に一瞬で踏み込んできた奴に足を刈られてしまった。
「ぐっ、があぁぁぁああっ!」
今までとは比較にならないほどの痛みが遅れて脳を焼いた。
防御の結界は張っていたはずだ、だがそれを紙同然に突き抜けてきた。
回復魔法を発動しようとするが、痛みでうまく発動しない。
膝から下を切られ、地面に倒れ伏しながら悶絶する俺を奴が冷たく見下ろしていた。そしてチャキリと剣を上段に構える。
「君ならわかってくれると思ってたんだけど、僕の思い違いだったみたいだね。さようなら、最強で最弱の素晴らしき魔法使いよ」
そうして、剣が振り下ろされた。
ゆっくりと剣が迫る。
ーーああ、何が最強だ、何が魔法を極めただ、何が魔法を愛している、だ。一番魔法を、魔法の可能性を侮っていたのは自分ではないか、
その結果がこれだ、手も足も出なかった。
ーーああ、来世、もし来世があるなら今度は必ず、
視界が、血に濡れた剣でいっぱいになる。
ーー『どんな魔法でも極めてみせる』
薄れゆく意識の中で俺はそう決意する。
そして、ふっつりと何もわからなくなった。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
夕餉湯気と申します。今回は思い切っての初投稿となりました。(お試しで書いた物ですが)
句読点、言葉の誤りがたくさんあるかもしれません。(読みにくいかも!)
読まれた方は是非是非!感想を書いて、評価をしていただいて!レビューも書いていただいたり…?
励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。ぺこり




