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愚か者共の末路1


「余は間違っていない、これは真実の愛なのだ」

「これでユフィを苦しめる者はいなくなりました」

「俺達の愛の力がなせた業だ」

「我らが女神に害をなす者など地獄に落ちれば良いんだよ」


頭大丈夫か?コイツら?パーティー会場にいる者達は愚か者を見る目で王太子スレイマンと側近達を見る。


宰相子息ダレット=ウォール、騎士団長子息ジンセント=ホワイトイヤー、神殿長子息リオン=ペレディ···


「何をしているのですか?貴方達は!」


騒ぎを聞きつけ来賓として出席予定の第一王女シーマが駆けつける、スレイマンの妹である。


「聞け!我が妹よ!我らは悪女を成敗し国から追放したのだ!」

「王妃教育を施した令嬢を外に出すなど···滅ぼして下さいと言っているようなものです···」


シーマは呆れ帰る···ここまで愚かだったなんて···


「これらはもう仕方ないとしてユフィさん···それと叔父様?あなた方の最後の言葉が決定打となったのですよ?」


100歩いや1000歩を譲ってメレゲを帝国に取られたまではまだ良いとしよう···だがデラクゥがこの国を滅ぼすと思い至った発端はユフィとミシェルのメレゲを侮辱する言葉である。


「どうかな?4年前に半島の国が滅ぼされただろう?開戦理由はその国に滞在中だった第一皇子妃のドレスに飲み物をこぼした···それだけの理由だからね···」


ミシェルが言う、皇族の気分次第で国などいくらでも滅ぼす···それが帝国なのだ。


「昔の皇帝は善政を施していた方だったと聞きますが···」

「その皇帝は病気で寝たきりで後は死を待つだけって状態だよ、そんで皇子を御輿にした連中が好き勝手暴れてるってのが現状かな」


皇帝が没した後の皇位継承レースを他国を巻き込んで始めているのだ、他国からすればたまったものでは無いが···


「起こってしまった事はもうどうしようもあるまい、どうするかを考えるのだ」

「あっ!国王陛下ご入来~!」


騒ぎに気を取られていた衛兵が慌てて叫び出す、この国の王であるジャックだ。

ユフィとミシェル以外は全員が片膝を着き頭を垂れる、馬鹿王子と取り巻き連中もだ。


「よ!兄貴!」


ギロリとミシェルを睨むジャック、それはそうだ次期国王として血反吐を吐くような教育を受けてきた自分とは違い先王である父に甘やかされ育てられ遊び回っていた年の離れた弟のミシェルは昔から大嫌いだったのだ。さらには息子のスレイマンにも懐かれ民衆からも好かれているとくれば···そりゃどす黒い何かが生まれてもおかしくない。


「ゴホン!帝国への賠償としてこの馬鹿共の首を差し出す」

「こっちは何も悪い事してないのにおかしい」


久しぶりに口を開くユフィ、どの口が···と会場の者達は思った事であろう。


「聖女殿?貴女も例外では無いのだぞ?」

「そんなもんで収まるワケ無いでしょ」


ミシェルの発現に額に血管を浮かばせるジャック。


「では何か代わりの策はありますかな?大公様?」


ダレットの父親の宰相がミシェルに言及する。


「うーん···そうだなぁ~」


考えるミシェルだがやはりそう簡単には浮かぶはずも無い。


「これはお笑いだな!策も無いのなら口を挟まないでいただこうか?大公殿!」


ジャックが憎しみを込めて言い放つ。


「余を心配してくれるのだなユフィよ、だが自分のケツは自分で拭く!君と民を守って死ねるのならそれで本望!」

「水臭いですよ殿下、ユフィのために共に戦った日々をお忘れですか?」

「愛しき姫を護るために殉ずる···これ以上の騎士の名誉があるかい?」

「大丈夫だよユフィ、小生達は死にに行くんじゃない···君の中で永遠に生き続けるんだ」


常人なら死にたくなるレベルの恥ずかしい台詞を吐くスレイマン一行。

ゴミを見る目の会場、我々を巻き込まず自分等だけでさっさと死んでくれと誰もが心の中で毒づく。


「ギャハハ!馬鹿だコイツら!」


大爆笑するミシェル。いやお前もだからな?と言わんばかりの会場の視線を浴びる、ジャックに至っては親の仇を見るような憎しみの視線だ。


「誰も死ななくて良い」

「現実問題そうはいかないのです···誰かの不始末は別の誰かが責任を取らされるのが貴族社会の常···それを本人達が被ると言っているのですから···」


理争論はがり語るユフィに現実を教えるシーマ、そもそもお前も生贄の一人だからな?と

喉元まで来ていたものを抑え込む。


「帝国を滅ぼせば良い」

「はっ?」


つづく




























お読みいただきありがとうございます。ちなみに王女は公爵令嬢が嫌いです。

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