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「みたいなことになってるらしくて。トロッポは何か知らない?」
「そっか、王都が魔王軍にねえ。その4人のうち爆雷と黒穴は知ってるよ」
「おお、ここまで誰も知らなかったのに」
「仕方ないね、あいつら変な仕事しかしてないっぽいし。冒険者じゃ見かけないだろうなあ」
客人用布団を用意しているにもかかわらず、勝手にベッドを占拠していたトロッポにもせっかくなので、4人のことを聞いてみれば意外な返答があった。
「あくまで伝聞だけどね。聖核の降臨っていう勇者パーティとして裏ルートで依頼をこなしてるみたい。どういう依頼かまでは聞いてないけど、どれもすっごい難しいんだとか」
「変な仕事っていうのは?」
「いや、裏ルートで受けるなんて絶対きな臭いでしょ。それだけ」
「それはそう」
存在自体を秘匿とまではいかないまでも、ごく一部にしか開示していないようだ。この人は行き倒れてもやはりお姫様なのだろう。
「爆雷はその名の通り広範囲に爆雷を引き起こして敵を一掃するとか、黒穴は範囲を絞って対象を欠片も残さずすり潰す魔法を使うとかなんとか」
「なにそれこわい」
「でしょー。私も関わりたくはないなあ。すり潰されちゃう」
「まあ戦力的には心配なさそうかな?」
聞く限りではどちらもやばそうなのがわかる、この調子なら残り二人もやばいのだろう。
果たして相手の物量に勝てるのだろうか。
「それはそれとしてどきなさい。布団あるでしょーが」
「やだーっ!! 今日はベッドで寝るのーっ!!」
「昨日まで文句なかったでしょーが」
「今日はそういう気分なのーっ!!」
いやいやとベッドにしがみつくトロッポを引き剥がしにかかる。くそ、外れないぞこの人。
こちとら寝床が変わるとあまり眠れないのだ、こっちで苦労して慣れ親しんだ寝床を奪われるわけにはいかなかった。




