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ある辺境のギルド職員について  作者: レスカ
魔王とギルド職員
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「キリハさんおはよー」


「おはようございます、今日も早いですね」


「今日は何かある?」


「依頼は片付いてます。二人体制だとこんなものでしょう」


 裏でトロッポに処理してもらっているため、依頼がない日も増えてきている。あるいは魔王軍の進行が本格化しているため、そちらに合流しているのかもしれない。


「ところで、剣豪スターライト、爆雷マキシム、黒穴メノウ、千塔トール。この4人に聞き覚えはありますか?」


「誰それ」


「魔王軍と戦う強い勇者らしいです、なんでも魔王軍が王都の近くまで進軍してきているのだとか。ギルドの情報を漁っても何も出てこなかったので、何か知らないかなと」


「聞いたことないなあ。そもそもメイズから出ないし王都のことはキリハさんの方が知ってるでしょ」


 アリシアさんも知らないようだ、強い者同士で繋がりとかはないらしい。


「本部にいたころも聞いたことない名前だったので、表に出ないお抱えでしょうか」


「まあでも、強い勇者4人もいればなんとかなるんじゃないの。よく知らないけど」


「どうなりますかね」


「少なくとも私より強いんじゃないの。知らないけど」


 知らないどころか興味すらないらしい、仮にも王都の命運がかかっているというのに。まあ人のこと言えた身ではないが。


「あとあれ。王都で抑えきれなきゃたぶん人類全滅するよ。んで生き延びた少数が隠れ住むことになる」


「反撃の狼煙が上がるまでに、数百年とかかりそうですね」


「子々孫々に渡って力を蓄えてーってね」


「ただ文明を捨てて穴倉生活は困りますね」


 滅びの時は意外と近いのかもしれない。

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