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「えーっと、何をしてるのかな……?」
「何って、見ての通りカードしばきです」
「いや、それはそうなんだけどさ」
「サラさんも一緒にやりますか?」
「……じゃあ、せっかくだしやってくわ」
カウンターでアリシアさんとカードをしばいていたところに、サラさんが現れたのでお誘いしたら乗ってきた。
一旦全てのカードを回収して、シャッフルしてから配りなおす。
手札はまあ悪くないか。
「サラさんから来るのも珍しいですね。そちらこそ何かありましたか?」
「いや、単純に受付カウンターで平然と遊んでて何してんだってね。他の受付は盛況っぽいのに……いや、ガラガラなのは今に始まったことじゃないか」
「ここ最近はいい感じに依頼消化が進んでいますので、たまの休憩です」
「いい感じって、ボードにはまだまだ依頼が残ってるじゃないか」
「こちらに流れてくるのはアリシアさん用なので、管理が別になっているんですよ」
場に出ているのはそれぞれ騎士と勇者か、ならうまいこと詰められそうだ。他二人がどの札を切ってくるかによって戦略は変わるが、ここは魔導士でいこう。
「アリシアさんの負担もだいぶ減らせていますし、今日はお休みです」
「平和なのはいいことだねー」
「それもそうだね、いいとこ外から来た冒険者との小競り合いくらいだし、ドラゴンがいたのも昔の話に思えてくるよ」
「個人的にはアリシアさん用に、依頼が分けられること自体がなくなればいいのですが」
槍と騎馬の耐久型で勇者も対応に手間取っている、まあ勇者を出されたら攻めより受けと逃げしかないのも事実だ。ここは小魔法を止めて、障壁展開からの大魔法で脅してみようか。
「ドラゴンはさすがにどうしようもなかったけど、そうでないなら分けなくてもいいよう敵が強くなくなればってことかね」
「王都にいたころは大きめのボードに全部掲示されていたので、こういうのなかったんですよ。今でこそ少し改善しましたが、最終的にはこちらのも全部ボードに出せればと」
「私は別に構わないけどね?」
「その姿勢は頼もしい限りです」
さて、次は。あっ、勇者で覚醒はズルい! 覚醒はサラさんが持ってたか……。騎士ならペネトレイトがあれば微不利まで押し戻せるが、アリシアさんの札にあるか? それと魔導士であれに対抗できる札は……。
「近々の依頼から察するに勇者が動いてる魔王を墜としてくれれば、これも解決するかな?」
「ですね。魔族が主なので、魔王が止まればその他も勢いが弱まるはずです」
「キリハさんは勇者に期待できると思う?」
「やってもらうしかありません。あんまり期待はしていませんが」
「勇者っていうと無双の存在っぽいけど違うのかね」
サラさんはあくまで世間一般の認識。王都に行くこともなく噂に聞く程度で、勇者の実情については疎いのだろう。
ちなみにカードしばきでは勇者の無双で騎士と魔導士は惨殺された。




