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「ということで、私も首につけるやつ手に入れてきたよ」
「アリシアさんも行動が早いですね。しかし2対間でしか通信はできないと、前に伝えたはずです。こちらは既に付けているので、もう一つとなると……」
「大丈夫、キリハさんのと繋がるよう改造の仕方も教わってきたから!」
「どこで教わってきたんですか……」
アリシアさんが嬉々としてカウンターに着いて、何やら首につけるやつをいじくっている。繋がらないんだ、なら改造すればいいじゃないとは普通ならないでしょうに……。
「まあ悪い話じゃないでしょ。二つも自由に使える戦力があるのは」
「願ったりではありますけど。そういえば付属のもう片方ってありますか?」
「一応持ってきてるけど、何かするの?」
「心当たりがありまして、できればそれも私の端末に繋がるようにしてもらえるとありがたいです。お金は色を付けて払いますので」
カウンターの下からお金の入った袋をどちゃりと置く。
職場に大金を持ち込んでるとは思わないか、アリシアさんはいきなり出てきたお金に動揺しているが、それは些細な問題だ。
王都までは遠くしばらくは手に入らないものなのだ、やはり保険は増やしておくべきだろう。
「誰にあげるの?」
「前に契約をした鎖の悪魔に渡そうかと」
「あー。これ以上ない戦力ではあるね。でもこれって、悪魔のいる場所とこっちでも繋がるのかな?」
「ダメで元々です。そもそも悪魔なんて存在自体がイレギュラーですから、使えればよし程度です」
中の仕組みこそよく知らないが、恐らく繋がるという確信はある。どれだけ離れていても、2対間の通信が絶対となっているため、恐らく相手の端末の座標を特定して通信をしているはず。ならばこちらから干渉できる空間な以上、それも問題ないだろう。




