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「魔族の討伐?」
「はい、ドラゴンが消えた代わりと言ってはなんですが、入れ替わるようにこの近辺にもはぐれ魔族が出没し始めまして。強そうなのが来たら、受け持ってもらえればと」
「これも魔王の宣言の影響かな?」
「でしょうね」
ココ最近魔族絡みの依頼が少し増えてきており、返り討ちにされる冒険者も見受けられる。今まではドラゴンだからと、他の冒険者は絶対に触らなかったものの、魔族はそうではない。
「実際どのくらい強いの?」
「ピンキリですけど、少なくともドラゴンレベルのやつは希少だと思います」
「それでも、メイズの戦力では心許ないと」
「ドラゴン頻発とは比べるべくもありませんが、それでも少し厳しい状況ではあります」
まあ最悪アリシアさんでなくとも、強い人らを集めて一斉にけしかければ何とかなりそうなのは、それでも一蹴されてしまうドラゴンとの違いかもしれない。
「そういう訳で時々振っていくので、お手隙の際にご確認いただけるとありがたいです」
「りょーかい」
「ああ、それと例の勲章の人。口止めはしておきましたが、王都で話題になった仮面の人がいるって、どっかしらで情報は漏れ出ると思います。いずれ似たような人が来るかもしれませんとだけ。私の方でも、可能な限りはやっておきますけどね」
「あー……。うん、わかった。頭の隅に留めとくね」
人の口に戸は立てられず、秘密は外部に漏らした時点で秘密ではなくなると思うべし。悪気なくポロッと出てしまう未来が見える見える。




