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「はい、エメラルドワイバーンの確認終わりました。こちら報酬です、お疲れ様でした」
「ありがとねー。ところでおにーさんもそろそろ、私と飲みに来てもいい頃じゃないかな?」
相変わらずである、そのうち押し切られそうな気もするから、どうにかしなければ。そこで気になっていたことを振ってみる。
「そういえば、ひとつ気になっていたんですが、なぜ私に拘るんですか? 男性なら他にも、私よりカッコイイ冒険者がたくさんいるでしょう」
「あれは乱暴だしザコだから嫌い、かっこよくもないかなー」
そりゃあ、プラチナからすれば冒険者でも8割方弱いだろう。となると彼に釣り合うのはミスリルだろうか。
「おうおう、さっきから聞いてりゃ舐めた口聞いてんじゃねー!」
「誰が貴様より弱いだと!?」
「締めてやろうじゃねえか」
などとぼんやり考えていれば、弱い発言に触発されたゴールドの輩が、ずんずんこちらへと向かってきていたはずだった。はずだったというのは、気がつけば向かってきた輩は揃って壁に叩きつけられて、意識を飛ばしていたからだった。
アリシアさんの手からは鎖のような剣が垂れていた、初めて見たがプラチナは別次元ということか……。いや、速すぎて見えなかったけどね?
そうして、くるっと満面の笑みで振り向き、平然と続けるのだった。
「でね? 受付職員さんの方が、家事とかしてくれそうじゃん?」
「なるほど、アリシアさんが稼ぐわけだね」
ギルドも引き止めたがるわけだ。