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「キリハさん、おはよう。なんかいつもより人が多くない?」
「アリシアさん、おはようございます。なんでも隣のストレイで新しいダンジョンが発生したみたいで、その攻略のために人が増えてきています。その中でストレイに行くにあたって、一部メイズを経由する人もいるようです」
「へえ、ストレイに」
メイズは今さら言うまでもなく曰く付きの地ではあるが、少しの滞在で通り過ぎるだけなら問題ないだろう、そう考える人はここを通過していくようである。
「規模はどれくらい?」
「まだ調査をしているところみたいですが、少なくとも二桁の階層はあるみたいで。このあたりにしては大きめのものになりそうです」
「あー。まあストレイの話だしこっちは関係ないか」
「そういえばアリシアさんは行かないんですか?」
仮にもドラゴンを倒せるほどの実力者だ、入っていけばかなりの駆け足で攻略が進むだろう。
「気が向いたら程度かな。別に興味ないし、潜ってる間にドラゴンが湧いたら面倒じゃん?」
「それもそうですね」
「あとダンジョンの中には狭い空間だったり、変な抜け道から急襲されたりもするかもしれないし、たぶん私の場合満足に動けないから……」
普段はドラゴンを相手取ってるとなれば、それだけ避ける動きなんかも大きくなっていくことで、狭い空間での戦闘には適さないということか。強ければどこでもいいというわけでもなく、適材適所ということか。また一つ学びを得た。




