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「キリハさんが戻ってきたと聞いて」
「アリシアさん、おはようございます。ちょっと入用でメイズを外していました。用事も済みましたし、当分はメイズを離れる予定もありませんのでご安心を。ところでその口ぶりからすると、ここ最近は顔を出してなかったんですか?」
「だってキリハさんいないし……」
ある程度の期間関係が続いてしまったことで、半分依存されてるみたいになってる……。つまり自分の一存でメイズを間接的に滅ぼせるという事実に複雑な気分にもなってくる。
「ドラゴンは……、幸運にも二匹というところですね。それぞれ大きな動きはまだ見られないようなので、一匹ずつでもよさそうですね」
「メイズにしては意外かも」
「今までがひどかっただけに、少しだけ運が味方してくれていたのかもしれませんね」
他にこれほど危険な地はないと言えるかもしれないほど、頻繁に湧くドラゴン。対処できてるからこそよいものの、普通は許されない状態であって。
「まあお詫びと言ってはなんですが、お土産もあります。王都のお菓子と少し良さげなポーションです。アリシアさんにとっては微々たるものでしょうけど、必要になったら使ってください」
「キリハさんからでしょ、そりゃあもうありがたく!」
お土産を満面の笑みで受け取るアリシアさん。ギルド職員程度の無理ないお土産でもここまで喜んでもらえるなら、少し悩んで用意した甲斐もあったというもの。
「それじゃあ行ってきます! これからの活躍にも期待しててね!」
「はい、頑張ってきてください」
まあ少なくとも、今のところは問題なさそうかな?




