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「キリハさん、ドラゴンありますか?」
「いや、今回はないですね」
「あらまあ」
「……そういえばご飯ってどうしてるんですか?」
「ご飯?」
「ほら、ドラゴンを倒しに行くときです。何をもっていってるのかなと」
毎朝来てドラゴンを確認してくるアリシアさん。その実態やいかに。
「基本的にはスープだよ」
「サンドイッチとかじゃないんですね」
「うん、あったかいものの方がやる気出るしねー。野菜とお肉は切ったものを用意しておけば、あとは近場でスープにできるし」
アリシアさんの懐から、袋に入った野菜と肉と鍋が出てきた。カウンターの上で鍋に野菜と肉を転がして、そこに水を注いで鍋を熱していく。
「水と温めは魔法があるからね」
「便利ですね」
「あとそう、調味料もね」
どこからともなく調味料が出てくる。
「まあこだわりがないから、肉と野菜に火が通ってスープの味とマッチしてればいいんじゃないって」
「出先での調理となると限界はありますからね」
「ぱぱーっと調整して完成。今日はドラゴンないし、どうぞ召し上がれ♡」
「では遠慮なくいただきます」
お椀によそわれたものを食べてみれば、こんなものだろうという味だった。まあ質より量派である。これでも十分おいしい。
「温かい汁物、これだけでコンディションはだいぶ変わりそうですね」
「でしょ?」
モチベーションは大事らしい。




