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「あ、受付にいないと思ったらこんなとこに!」
「アリシアさんこんにちは。いつもアリシアさんが来るのは朝ですからね、お昼は空けてることもあります」
ギルドに併設されてる酒場で昼食を摂っていると、アリシアさんに見つかった。そのまま流れるようにカウンター席の隣に座って、「いつもの」と注文している。
「ところで、今日は朝に来ませんでしたね。珍しい」
「多分だけど、ドラゴンないんじゃないかって気がしてね。どう?」
「ご名答。今日はドラゴンはありませんでした」
まだ、狩り尽くした影響が残っているのだろう。まあ補充が遅いに越したことはないのだけど。竜王の話が本当であれば、狩るほどにメイズどころでなく、下手すりゃ世界の滅びが迫ってくるのだから。
「あ、そうだ! 折角だからお酒飲んでかない? 奢るよ」
「相手が少ないとはいえ、一応仕事中です。またの機会にどうぞ」
「ちぇー」
こう何も無い日は昼間から飲めるのは、冒険者の特権だろう。事実、何組か進行形で酒盛りをしてるテーブルはあった。
それにミスリルを囲い込むべく、ギルド本部と上層部に要望を飲んでもらうための資料を、へレーナさんと一緒に作っているところでもある。いつもなら少しは乗ったところだが、今は無理なのだ。
「それにしてもまたの機会って……。そういえば、キリハさん休みの日とか何してるの?」
「さて、食べ終わりましたし、私はそろそろ戻りますね」
「いや、そもそもどこに住んで……。あ、ちょっと。まっ!」
これ以上はまずいので退散するに限る。どうせドラゴンはいないのだ、この興味が冷めるまでギルドの奥に引っ込んでおこう。




