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「死にかけたって聞いたけど、もうすっかり元気そうだね」
「おや、サラさん。ご心配おかけしましたが、もうこの通りです」
受付でゆっくりしているとサラさんが来た。そして首から下がっているプレートは、銀色から金色に変わってもいた。ドラゴン騒動のあとでランクを上げたのだろう。
「ゴールド昇格おめでとうございます、やはり有望株ですね」
「ありがとな。とはいっても、ここからが本当にキツいんだけどね……」
「プラチナへの試験内容は、かなりハードルが高いと聞きます」
もちろん上に行くほど色々と求められるため、その数も減っていく。メイズに一定数いるゴールド、それらがプラチナに上がれていないのも証拠である。
「まあそこはおいおいやってくとしてだ、今回は情報を持ってきたよ」
「情報ですか?」
「そう。ドラゴンが来た時、シルバー程度じゃ何も出来なかった……。もちろん、これからはゴールドとして強くなるが、一朝一夕で済むものでもないと思ってな。一先ずドラゴンの情報をな」
異様にドラゴンが湧くメイズとしては、情報が多いに越したことはない。
「キリハさーん、依頼くださいな!」
「おや、アリシアさん。ちょうどいいところに来ましたね。依頼は後で出しますがせっかくなので、一緒にドラゴンの情報も聞いていってください」
「ドラゴンの情報?」
「ん、まあ彼にも伝えておくべきか」
アリシアさんが当たり前のように、カウンターを乗り越えて隣に降り立つ。まあ聞く者は片側にいた方がいいか。
「こほん。あまり知られてない話だが、その昔太祖の竜王がなる存在がいたらしい。竜王は魔王にも匹敵するほどの力を持ち、頂点の一角として君臨していたそうだ。そんな竜王がとあるきっかけから魔王と戦い、これを見事に打ち負かした。打ち負かしたのだが竜王も深手を負ったらしく、その魂をいくつもに分割し、小型のドラゴンとして姿を変え、竜王は眠りについたそうだ」
「アリシアさん知ってましたか?」
「いいや、知らないかな」
「そしてこの分割された魂は長い年月をかけ傷を癒し、ドラゴンが倒される度再び集まり、いずれはかつての竜王が復活するのだと言われている。恐らく、このメイズ近辺で竜王の魂がバラバラになったことで、ドラゴンが湧くようになったと睨んでるんだが、それはまあいい。問題は竜王の復活だ。ドラゴンは湧く度倒さなきゃいけないが、太祖の竜王については格の違う生物のはず。これへの対抗策も考えておくべきだと思うんだ」
「もしその話が本当だとすれば、確かにアリシアさんはドラゴンを大量に狩っています。いずれ復活するでしょうね」
「魂は100に別れたとも、1000に別れたとも言われている。いつ復活するかについてはわからないがね……」
「うーん、なるほど。まあ適当に考えとく。魔王レベルって情報と対抗策ね」
「さて、今回の依頼は氷竜です。防寒対策は忘れずに」
情報はあるに越したことはないが、もらってもどうにも出来ない。情けない限りだが、やはりアリシアさん頼りになることに。竜王の復活が数百年後とかになることを祈ろう。




