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「あれ、今日は別にギルドを閉めてる日でもなかったはず。そのはずなのに開いてない……」
いつものようにギルドに来てみれば、何故か閉まっていた。なぜだ。
ううむ、記憶をたどってみても、やはり何も聞かされてないのだが。
「あ、キリハさんやっぱりこっちにいた!」
「おや、アリシアさん。ちょうどいいところに」
困っていたところにアリシアさん、一体何があったのだろうか。
「今日はギルドはお休みだよ、メイズ総出のパーティーの日になったからね!」
「街全体での催しですか」
「そういえば、キリハさんは今回が初めてだったね。こっちこっち」
どうやら大規模なパーティーにより、今日はギルドはお休みらしい。
アリシアさんに手を引かれるままに、街の中央広場に来てみれば巨大な肉塊を捌く者、捌いた肉を調理する者、それらにありつこうと待機する者でいっぱいだった。
冒険者も協力しており、なるほど総出のパーティーである。
「メイズでは大物を仕留めた際は、冒険者が日々の感謝を込めて街の人に振る舞うって意味合いで、解体して街全体で美味しくいただこうって文化が根付いてるみたいでね。今回はギルド前まで来た、例のドラゴンの肉。倒す時に内側から燃やしちゃったけど、あのサイズだったし無事な箇所も残ってたからね」
「なるほど、土着の風習と。……あれ? あのドラゴン来てからある程度期間経ってますけど。こういうのって、すぐにやるんじゃないですか?」
「まあ基本翌日とかなんだけども、日程とかは仕留めた主役が決められるってことで。今回はキリハさんが落ち着くまで、冷凍しといて待っててもらいました」
「それは……わざわざありがとうございます」
パタパタと肉を取りに行く、そんなアリシアさんの気配りに感謝しなければ。にしてもドラゴンの肉か。王都の職員だった頃は縁がなかったものなので、楽しみではある。
そしてアリシアさんが持ってきたのは、いい感じに焼けたタレのかかってる肉塊だった。普通の料理ではなかったか。
「では、いただきます」
「どうぞ!」
かぶりついてみれば、うん。これはあれだ。きっと庶民には手の出せないやつだ。
味がどことなく洗練されている事だけはわかる。安いものしか食べてないから、何がいいのかはわからないが、とにかく良いものではある。
「これはおいしいです。なるほど、土着の文化も頷けるわけです」
「よかった。たくさんあるから、どんどん食べてって」
あまりない機会である、アリシアさんの好意に甘えて、しっかり食べておかねば。
「そうそう、あとこれも渡しておかないと」
「ドラゴンのコアということは、今回の討伐証明ですね。しかしドラゴンのコアといえば膨大な魔力の結晶です、売れば高くなるのに結構な頻度で渡してきますよね。他にも証明部位はあるんですから、他の物にした方がいいと思うのですが」
「わかってないね。点数稼ぎの一環って言ったらどうかな? コアが壊れた場合は別の物になるけどね」
「いやこれギルドの仕事なので、私の好感度とはあんまり関係ないですよ……」
「えっ」
個人としてもらってるわけではない、あくまで仕事である。




