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ある辺境のギルド職員について  作者: レスカ
ドラゴンとギルド職員
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15

 

「キリハさん、依頼くださいな」


「相変わらず仕事が早いですね、助かります」


 今日はリュミとバッティングせず、アリシアさんが来た。いや、リュミは他の街のレイドに送ったせいで、まだ戻れてないだけか。


「えっと依頼は……。うーん、少し前にミスリルに色々振ってたからか、厄介なのは今のとこはないですね」


「いつも竜狩りしてたけど、竜種も出てない?」


「竜もないですね、前回の堅竜が最新のでした」


 なんやかんやで、大体竜狩りに出向き続けていたもので、竜がいない場合は、ほかの厄介な依頼をしてもらうと。なので、ここは再びフリータイムだろうか。


「ちょうどいないことだし、あのリュミって人について教えてよ。キリハさんのこと好きなんでしょ?」


「まあ、ああも露骨だと気づかれるのも当然ですね。彼女はなぜか思い出を元に、私を好きになってるみたいで」


「武器屋の前で告白して、断られてたって噂もあったけど」


「スキャンダラスですねぇ」


「まるで他人事……。私としては好都合だけどさ」


 別に冒険者は偶像でもなんでもなく、自由恋愛である。が、ミスリルともなると特別視される存在ではあるため、多少気を使うことにはなる。

 しかし、あくまで周囲の評価というだけなので、実力さえあれば周囲の冷めた目も気にならないだろうが。


「実績のあるマスターとかならまだしも、平ギルド員が相手となるとね」


「私の好きな人を悪く言わないでほしいな……」


「悪く言うもなにも、自分のことを微妙って、客観的に評価してるだけなんですけどね」


 そもそもの問題点をクリアしないことには、上手いこと着地出来なそうである。

 1つ目が今まで接点が少なかったせいで、こっちが別に好きではないという点、2つ目がリュミは一方的になぜかこちらを好いていて差がある点、一歩間違えれば初期のアリシアさんよろしく、拉致られる可能性すらある点である。


「と、ところでさ、あれと別に付き合う気はないんだよね?」


「最初こそいきなり過ぎて断ってしまいましたが、リュミさんかなり優良物件ではあるんですよね」


「うえっ!?」


「しかしその前に、私がリュミさんを好きになれたとしても、あちらは王都のミスリルです。恋人になったとして、嫉妬ややっかみを盛大に受けそうというのと、恐らくクソ忙しい王都ギルド所属に戻されます。このあたりが非常に悩ましいです」


「そうだよね、だからこっちで私とゆっくりしてよ?」


「まだ悩み中なので、そう思うなら引き止めてくださいね」


 ミスリルの恋人となれば、収入的には働く必要もないかもしれないが、ギルド員を辞めた上で愛想を尽かされたら終わりである。しかし続ける上では、王都勤務に戻されることが目に見えている。

 リュミならなんやかんや丸め込んで、このあたりの条件も飲める程度にクリアしてきそうではあるが。


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