表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者レアの復活  作者: huwanyan
61/68

5年後

邪神騒動から5年が経った。あまりにも怒涛すぎて目を回す暇もなかった。

パスカルとベラは正式に婚約した。内輪のパーティーで婚約を内定し、夜会で2人の婚約内定を公表、1週間後には婚約式を行った。これによってパスカルは正式にレアの後継者と周知された。ベラの美しさもあって思った以上にパスカルへのアタックを仕掛けてくるご令嬢は少なかった。レアのお眼鏡にかなう腕っぷしに自信のあるご令嬢がいなかったというのもあったのだろうが。

ただ、ここで予想されていた中で最も面倒臭いトラブルが発生した。パスカルの実父マニフィカ男爵が襲来したのだ。『おお!我が息子よ!』という感じで近寄って来たので、『……誰?』と。まあ、レアもクリストフ殿下もパスカルの性格は知っていたし、弟子達の中でもパスカルの塩っけたっぷりの性格は周知の事実だった。しかしそれを知らない男爵にはあまりの塩対応に高血圧になりそうになっていた。『父親になんて態度だ!』という言葉に『俺に父親なんていないし。レア師匠が唯一俺の母親だし。いやまあ師匠が結婚したらその結婚相手が父親になるだろうけどそんな半端な人間が師匠の相手になんてならないしさせないし。クリストフ殿下でも師匠の結婚相手にってなったら丁重にお引き取り願うのにお前みたいな下賤な輩なんて師匠の視界にも入れたくない。だから消えてよ』と。真顔で抑揚もない声で一息で言ってのけた。やだ!うちの弟子、マジイケメン!とテンションが上がったレアを横目にベラに救いを求めるクリストフ殿下の願いは、ベラの『私も、こんなケツの穴の小さい男が義父とかヤダ』という言葉の前に脆くも崩れ去った。弟子ってだけであれだけ塩対応なのだから、養女となったらこういう性格になるのはむしろ必然だ。しかも2人とも整った容姿でこんなだから、ダメージもかなり大きかった。マニフィカ男爵はあえなく撃沈……とはいかなかった。この男爵、かなり馬鹿だった。本当に馬鹿だった。おまけに愚かだった。何と大金を注ぎ込んで雇った非合法の召喚術師(当然闇ギルド所属)にレアの屋敷を襲撃させたのだ。召喚場所は王都中心の広場。召喚された魔物は最上位のモンスターアースドラゴン1体と上位のモンスター3(どれもドラゴン)、中級モンスター数十体(ドラゴン系統と霊長類)、それに下級モンスター数百体というスタンピードもかくやという量で、この量を王都で暴れさせたのだ。そう、『王都で』暴れさせたのだ。当然だが民はパニック。王国騎士団が民のジオフロントへの避難誘導を、冒険者ギルドが討伐体を結成し民を守りつつモンスターを討伐。そしてメインの上級モンスター達はレアの弟子達で難なく渡欧伐。最上位のアースドラゴンに至ってはパスカルとヤンで討伐してしまった。レアが出る幕さえなく、パスカルはレアの弟子達の陣頭指揮を取りながら討伐もこなしていた。つまりレアの後継者であるパスカルとヤンが最上位モンスターを討伐できる程強いと証明してしまったわけで。しかも召喚した召喚師はベラが単独で捕縛し、黒幕であるマニフィカ男爵も捕縛していた。そして辺りで監視業務に当たっていた闇ギルドの構成員をアニエス率いるエルフ騎士団が発見。撤退する彼らを追跡し、闇ギルドの支部を壊滅させるに至った。

一連の騒動を引き起こしたマニフィカ男爵の罪は大きく、今回は奇跡的に王都の民に犠牲者はいなかった。しかしそれは王国騎士団や冒険者ギルドの冒険者が身を挺して守ったからであり、彼らの中に少なからず犠牲者が出ていた。中にはレアの屋敷で強化訓練を受けていた騎士や、レアの魔力媒体を受け取っていた魔導師や魔導剣士も含まれていたわけで。騎士達もそうだが、レアの魔導具を受け取っていた冒険者は全員レアのお眼鏡にかなった者しかいなかった。当然ながら実力も確かな者しかいなかったのもあり、ギルドとしても被害は甚大だった。金が支払われたからといって有望な人材の命が戻ってくるわけではない。それでもこの世界では保険があるわけではないし、遺族への生活保障があるわけではない。そんな人達にとって、亡くなった冒険者達が稼げたかもしれない給料が保証されるというのは大きい。という事でマニフィカ男爵から資産を没収し処刑。それを遺族への保証に当てる事になった。また騎士達の遺族には国からの保証が支払われ、冒険者ギルドにも国から支援が入った。またモーリスがギルドマスターであるという事もあり、レアが義援金を支払ったのだ。そこから遺族に幾ばくか支払われた。そして『このくらいしかできないから』と、レアの弟子達がギルドにあるハイランクの依頼を請け負ったりもした。

今ではレアの弟子であるアドリエンヌ達に師事する新人冒険者が多くなり、レアの孫弟子も日に日に増えている。ブリアックは旅商人を中心に抱える商会を実家の支店として設立。今や国家間の貿易を一手に引き受ける大商人になっていた。今回の騒動では討伐は最低限で、主に救護所で回復ポーションを配ったり、討伐終了後に救援物資を配り歩き炊き出しを行ったり していた。その功績が認められて、アドリエンヌ達は王国指定冒険者に認定され、ブリアックの実家に国家認定印を商会の商品に刻むことを許された。

アルバン達は冒険者として一線を退き、モーリスの地盤を受け継ぐ準備に入った。モーリスはアルバンを次のギルドマスターに指名。ギルマスとしての執務を少しずつ学び、冒険者ギルドの支援者への挨拶回りも行っている。いくら元は王国指定冒険者だったとはいえ、お貴族を相手にするのは疲れるものだ。もちろんレアだってお貴族様なのだが、レア程常識的なお貴族様も中々いない。しかも国王の覚えも良い上に賢者辺境伯のお抱え冒険者ともなれば、下級貴族を中心に焦り始めた貴族令嬢達の餌食でしかない。少々のむさ苦しさはあるものの、目鼻立ちは整っていていい男だ。何だか可哀想な事になってきたとモーリスから報告を受け陛下と相談した結果、オレリア王女を嫁入りさせる運びとなった。もちろん、そのためにはアルバンが貴族となる事が条件となる。しかも伯爵以上である事が求められる。流石に彼に渡す爵位で伯爵はどう頑張っても無理だ。そこでレアと養子縁組をする事になった。レアが26歳でアルバンは24歳。年齢的には兄弟だろうと思うのだが、手続きの関係でどうしても息子にせざるを得なかった。まあ、実質兄弟という事になっている。という事でアルバンはアルバン・フォン・アベラールとなり、オレリア王女を第一夫人とする事になった。また、第二夫人として何とベルトを迎える事になった。いつの間にそんな関係になっていたのかとレアは非常に驚いたものだが、実は弟子達の中では既に周知の事実だったとか。『主人は色恋事には疎いからな!』というモーリスの鳩尾に一発拳を見舞いつつ、レアはまあ良いかとも思っていた。これで面倒事は解決するのだから。貴族の慣習として、最後の妻よりも上の爵位の令嬢が後から嫁入りする事はないためだ。平民であるベルトが第二夫人になるという事はそれ以降に貴族令嬢が嫁入りする事はできなくなったわけだ。

クロエ、デジレ、ドロテ、アルセーヌは貴族となったアルバン達の護衛となり、一線は退くものの若手の育成を行う事になっている。『アルバンとベルトに護衛が必要なのか?』という疑問が囁かれているのだが、護衛が必要なのはアルバンやベルトではない。オレリアに必要なのだ。2人1組になって交代でオレリアの護衛と新人教育を行っているのだ。クロエとデジレ、ドロテとアルセーヌがコンビになっている。よくこの取り合わせで行動を取っている。その理由は至ってシンプル。実はこの2組、夫婦なのだ。最初はアルバンが一人で冒険者をしていて、クロエとデジレ、ドロテとアルセーヌが夫婦で冒険者をしていたのだ。それがとある任務で即席のパーティーを組んだのがきっかけで、パーティーを組んだのだ。元に戻っただけである。

屋敷での活動組も自立し始めた。エンゾは訓練場に併設した医務室で室長を任せる様になり、医療ギルドの新人薬師達や回復魔導師達を指揮する立場に立っている。王国騎士やオクレール騎士団が今でも訓練しているから、ここにいる方が回復を必要とする人に困らないのだ。

パルナぺはセバスチャンが行っていた執務を主に担当し、カミーユは執事として屋敷の掃除や毎日の食事、パスカルの身の回りの世話を担当する。ベラのことを考えて、メイドも雇わないといけない。そこで『賢者の森』の小屋から上級妖精達を雇い入れる事にした。カミーユは優秀だが、卑怯なレベルでセバスチャンが出来るものだから、カミーユの手が回らないのは当然なのだ。そこで妖精達をメイドとして雇うという事にしたのだ。妖精達の報酬は魔力だけで良いという事で、邪神を小分けに封じたダークピンキーの魔石を報酬として渡していた。何も律儀に小分け邪神を討伐する必要はないのだ。邪神の魔力を妖精達の食事として渡せば良いだけなのだ。もちろん邪神の魔力を直接吸い込むのは問題があるのだが、長い時を龍脈鉱に封じられていたせいか魔力が変質したらしく、妖精達が吸い込んでも問題ないという状態になっていた。またベラの食事にも丁度良かったりしたので棚ぼたであった。しかし邪神がこういう形で討伐できるのはどうなのだろう。曲がりなりにも『神』なのに。まあ、そもそも創造神の分身体だからそういう小細工も効くのかもしれない。むしろ魔王の方が大変だった。これについてはレアが長い時をかけて研究する事になっている。


弟子達がある程度自立し始め、パスカルとベラ、ヤンも屋敷の事をまかせられる様になり、レアはケンとアンリと共に各国の開発に専念できる様になっていた。王都でのスタンピードもかくやの騒動が起きた時は本気でキレかけた。『舗装にどれだけ時間が掛かると思っているのよ!』と処刑される前に男爵の首が物理的に飛びそうな勢いだった。ケンとアンリに宥められて何とか踏みとどまったが。この再開発が終わったら、本格的に王都での仕事をパスカル達にまかせてレアは領地に配置する貿易拠点の管理に専念しようと思っている。そこもいずれはアニエスに任せるつもりだが、最初のうちはレアが直接管理する事にしている。

アベラール領と水の国アルエを繋ぐ水路が完成し、貿易拠点となる建物も完成した。本格的な貿易都市として開発していくつもりだ。それには当然、商品を保管しておく倉庫や販売を引き受ける商会、貿易用の魔導飛行船が離着陸する場所やアルエからの船が停泊する場所、荷物を運ぶための馬や馬車を管理する馬車屋、そして各地を回る商人の護衛を担当する冒険者ギルド。これらに加えて各国の貿易担当者が執務を行ったり寝食をするための屋敷などを併設する。またアルエの使者は水がないと干上がってしまうので水路の側に屋敷を作る必要がある。当然『屋敷』などという小さな建物では収まる物ではなく、まるで王都の城の様な大きな建物になっている。丁度帝国との国境の真上に建てられた城は堅牢な城壁で囲まれている。ここの建設はレア、ケン、アンリが直接手掛けた。設計図さえあれば、あとは3人なら一瞬で建築できる。文字通り一瞬で。それぞれの空間収納から直接魔力を通して建材を取り出して建築する。ドワーフにはできない手段で、この規模のものをドワーフに任せると何年かかるか分からないという理由でレア達が作る事になった。もちろんインテリアなどはドワーフに任せるのだが、各国の屋敷と合同会議室などは最優先に作らせ、すぐに貿易管理ができる様にする。


そして遂に、王都の再開発に向けての基盤となる魔石を組み込んだ魔導具が完成した。それをジオフロントに組み込んで行く。当初は地面に埋め込む予定だったのだが、ジオフロントを突貫で作ったため、そこを整備して設置するという事になった。今回の邪神騒動や王都モンスター大量召喚騒動の時にも民を避難させるのに有効だった。ここを保存しておくのは国防の観点からも必要である。そこで、地中に埋める予定だった魔導具をシオフロントに設置し、その管理をホビット族に任せる事にしたのだ。

ホビット族は賢者の森の地下に暮らす種族で、牧歌的で平和主義。ほとんど地上に出てくることがなく、目撃される事はまずない。400年前にはレアが種族を森の地下で匿い、レアが復活するまでは精霊王が保護していたそうだ。何しろ戦を嫌い、外から襲撃を受けたら逃げるしか方法を持たない種族だ。精霊王の小屋からしか出入りできない場所だから、レアが復活するまでは精霊王が引き受けるしかない。レアが復活することは神託を受けていたらしく、それを信じて疑わなかった辺りレアへの信頼は厚かった様だ。『お前は殺しても死なん』という精霊王の言葉にレアはとても微妙な顔をしていたが。その点、ジオフロントは外敵の侵入の心配が低く、入るのは王国の民が殆どだ。それも平時の出入りは定期的な見回りを行うレアか王族だけだ。緊急時に民が避難してくる時も、防衛は王国騎士がやるため平和をこよなく愛するホビットにはもってこいの環境だった。

ホビット族の族長を務めるのはギーと言い、ホビット族の中では体格の大きな人だ。朝から畑仕事をして、昼になるとエールを煽る。そして午後の仕事を行い、夕食にもエールを煽る。毎日が宴で、歌い躍り食べて飲んでそして寝る。非常に陽気な種族であり、その中心にいるのがギーだ。

ドワーフ、ホビット、ゴブリン、エルフ、オークは妖精種で、祖先は精霊王の配下だ。その中で金の属性を持つ妖精は地上に暮らすネズミに受肉してドワーフに、木属性の妖精は土竜に受肉しホビットに、土兎に土属性の妖精が受肉してゴブリンになり、水の属性を持っていた妖精は木菟に受肉する事でエルフに、そして火属性の妖精が豚に受肉してオークとなった。そもそも妖精と精霊の違いは何か。それは妖精が持っている属性が木火土金水の五属性を持ち、精霊は四大元素である火風水土を持っている。まあ、風は空気であり空間属性や光・闇の属性も兼ねていたり、水の妖精が雷と氷を一緒に管理していたりなどもっと細かく分類できるのだが、ざっくりと分類するとこんな感じだ。精霊達は精霊王の小屋を管理し、妖精達は地上で受肉して暮らしている。


ちなみに精霊王はエルフ王よりも先に小屋に現れた。アルバン達と生態調査をしている時に突然姿を見せて『久しいな、レア』と曰った。黄金の髪は床に付きそうなくらいの長さで、穏やかな瞳は深い青色だ。何処かの民族衣装の様な服を纏い、オレンジのストールを首に巻き、魔獣の牙で出来た首飾りを上から掛けている。とても美しい容姿をしているのだが、根っからの研究好きで、生態調査には精霊王も興味を示し協力してくれたから良かったのだが、変異させられたモンスターや魔獣を興味本位でさらに弄ろうとするから止めるのが大変だった。実は400年前に王国の法で生態変異の実験が禁忌とされたのは8割方この人のせいなのだ。そもそも霊長類で実験に成功させていたのは精霊王なのだ。若干マッドサイエンティストだった精霊王だが、それは400年経っても変わらなかったらしい。


閑話休題。


ホビットの族長であるギーとドワーフのロドリグは旧知の仲だ。400年前に王国を追われたロドリグを助け、暮らす場所を提供したのもギーだった。そんなギーの恩に報いたいとロドリグがレアと国王に提案して実現したのがホビットのジオフロント移住計画だった。最初こそ驚いていたが、『ジオフロントにいれば旨い酒がたらふく飲めるぞ』というロドリグの言葉に一も二もなく同意したのだ。欲に忠実な種族は交渉も楽だった。もちろん仕事はちゃんとこなす。畜産中心の種族であるホビットは、王国の農業の発展に大きく貢献する様になっていった。そもそもが木属性の妖精から派生した種族だからか、彼らが耕した畑は土壌も良く、沢山の作物が収穫できた。『ジオフロントに設置された魔導具のおかげか、魔力が土壌に染み込んでいるから作物も機嫌が良いみたいだな!流石は賢者様だ!』とギーに感謝された。結果論なのだが、まあ感謝は素直に受け取っておく。


そして5年が経ち、ついに王国の再開発が全て終了した。王国はまるで国全体が宝石箱の様にキラキラと輝いており、400年前よりも上の技術をもって開発されたのもあり、400年前よりも美しい国となった。各貴族が持っている領地に特殊な魔導具が設置され、龍脈を通して領地にも守護が回されている。結界ほど強いものではないが、最低限の魔物の流入を防ぐ事を目的として城壁に守りを付与したのだ。これは400年前の王国では行われておらず、まだレアを中心にした計画段階だった。何しろそれを行うためには王都の再開発が必要となり、3国の足並みを揃える必要もあったからだ。それが実現する前にレア達が消滅してしまったものだから、計画は頓挫していたのだ。こういう形で計画が進んだのはレアとしても感無量である。

そしてもう一つ、レアが心待ちにしていた事がある。それは……


「お母様!」

「ベラ!綺麗じゃない!よく似合ってるわ!」


レアは花嫁衣装のベラを抱き締めて言う。そう、今日はパスカルとベラの結婚式だ。パスカルは15歳になり成人もしたから、正式にベラと結婚することになったのだ。場所は悩んだ結果、精霊王の小屋で行うことになった。そもそも教会だって精霊を介して創造神に結婚の誓いを行うものだ。それを代行するのが聖職者であり、精霊王が直接神に誓いを立てるのだから、むしろこの方がよい。……レアと400年前の教皇が非常に仲が悪かったのも理由だが今の教皇とは顔も合わせた事がないが、教会内でレアの評価は『平気で命を奪う殺し屋』となっている。

この世界の教会では、『奪われて良い命などない』という教義の元、徹底的な博愛主義を説いていた。食事は菜食主義(ヴィーガン)で、魔獣の血肉を食べる事は教義に反するとされているのだ。もちろんレアも信仰の自由はあって然るべきと思っているし否定する気はない。ただ、400年前の教皇はレアに教義を押し付けてきたのだ。教皇曰く、人間は魔獣やモンスターの生息域に進入して奪った罪人。だから本来は国なんて滅ぼして魔獣やモンスターにお返しするべきなのだ、と。もちろん討伐行為などもってのほか。モンスターや魔獣に襲われて死ぬ者は運命であり、それに争ってはいけないのだ、と。こんこんと説教されたのだが、全て聞いて一言『……ああ、ごめん。寝てた』と言ってその場を後にした。その後、二度と顔を合わせる事はなかった。何しろ教皇は聖職者達に隠れて肉を食べたり、愛玩用のモンスターや魔獣を極秘に仕入れて虐待行為も行っていたのだ。ちなみに奴隷エルフで欲求を満たす事もしていたらしい。聖職者はそういう行為も禁止だ。生臭なんてものではない。セバスチャンの話によると、城壁を壊した例のスタンピードの時に何を思ったか最前線に飛び出して『ああ!聖なる神獣様!』と言ってドラゴンの餌食になったらしい。ちなみにドラゴンはモンスターであり神獣ではない。

コンコンと部屋のドアがノックされ、ドアが開く。


「入るよ。ベラ」

「パスカル!」

「おおっと!ベラ!ドレスで走ると危ないよ!」


入ってきたパスカルにベラが間髪を入れずに飛び付く。いつもの事だからか、パスカルも平気な顔で受け止める。大人にはなってもこういう所は変わらない。まあ、公式の場では見せないから良い。


「パスカルもかっこいいじゃない!素敵よ!」

「ありがとうございます、師匠。……ほら、ベラ、離れて」

「え~」

「素敵なドレス姿が見えないよ」

「嫌だ!」


ベラはパッと離れた。ベラの扱いにも慣れたものだ。パスカルの前でくるくるとまわって見せる。


「どう?」

「とても素敵だよ。やっぱりそのデザインにして正解だったね」


ずっとバストアップのドレスに手袋をはめるか、長袖のドレスにするかで悩んでいたのだ。悩みに悩んだ結果、長袖にして袖をレースで作るという事になった。レースで袖から胸の上までを作り、胸から下は絹のシャンパンドレス。レースは薔薇のデザインで、腰には絹で作った薔薇のコサージュをあしらっている。

パスカルも絹で作ったスーツにレースのポケットチーフ。ネクタイは絹をベースに上から薔薇のレースで覆っている。うちの弟子も娘も可愛い!マジ天使!とテンションが上がっていると、精霊達が飛んでくる。


『レア~。可愛いのは分かったから、結婚式始まっちゃうよ~』

『早く準備しないと~』

「そ、そうね」


あまりに可愛くて結婚式そのものを忘れそうだった。2人を精霊達に任せてレアは式会場に向かう。


「レア~!おめでと~!」

「ありがとう、アンリ」

「おう、おめでとう。5年なんてあっという間だな」

「本当にね。まあ、私達は国の再開発のせいもあるだろうけどね」

「それね~!ようやく一段落よ~」

「あとは『アベラール貿易』に集中できるな」

「その名前、もう少しどうにかして欲しいけどね」

「気持ちは分かるけど~、『レア貿易』は回避したんだから感謝してよね~」

「そっちになったらレアは恥ずかしさで爆死するだろ」

「まだマシって所ね……」


今回レアの領地と帝国の領地に股がって作られた貿易施設を『賢者貿易港』とし、レアが産み出した貿易のシステムを『アベラール貿易』と命名する事となった。最初は『アベラール貿易港』とするという仮決定があり、全力で止めた。3か国が使用する貿易施設が特定の国の貴族名で呼ばれるのは色々とトラブルを抱えかねない。そこで妥協案として『賢者貿易港』とする事となり、貿易システム名に家名を入れる事を承諾したのだ。若干バルテレミー帝国とアルエ帝国の大臣達を納得させるために使われた気もするのだが、まあ良いだろう。王国はともかく、2つの帝国の中にはレアの台頭に危機感を持つ者も多かった様だからね。これを機に、貿易の妨げになる禍根を残さない様にするのは大事だ。

少しすると、式場に精霊王が入ってきた。片手に聖典を持ち壇上に向かう。机に聖典を置き、会場を見回す。今日の式にはレアと弟子達、それにアルバン一行とモーリス、お忍びでクリストフ殿下とケンとアンリが出席している。珍しくセバスチャンも同席している。精霊の一部が屋敷にいるから防犯面も安心だ。

静寂の中で精霊王が頷くと、左の扉が開きパスカルが入ってきた。堂々とした入場に見えるが、レアには分かってしまう。右手と右足が同時に出ている。かなり緊張している様だ。レアの後ろにいるクリストフも気がついた様でクククっと笑っている。

パスカルが祭壇の前に立つと、後ろの扉に精霊王の視線が向く。後ろの大きな扉が開くと、アルバンにエスコートされてベラが入ってきた。ベラにはもう親がいない。そこで義兄であるアルバンにエスコートを頼んだのだ。流石に馴れている様でアルバンは堂々としている。ベラも少し緊張している様だが、穏やかな笑顔で入場している。


「……胆の座ったご令嬢だとは思ったが、流石に堂々としているな」

「少し緊張はしている様ですが、目の前で緊張を顔に張り付けている新郎がいると些か楽になるのではないかと」

「ふふふ。流石のパスカル君も緊張してるわね~」

「無理もないさ。夜会とはまた違う緊張感がある。何しろ人生が掛かっているんだからな」


勝手な事を言っている大人達を尻目に、ベラはアルバンからパスカルに引き渡される。その時にアルバンがこそっと『大丈夫だ。取って食われる訳じゃねーから、落ち着いて深呼吸しろ』と耳打ちされているのをレアは聞き逃さなかった。こういう所がアルバンの良い所だ。席に向かうアルバンに感謝の合図を送る。アルバンも苦笑いをしていた。


「神の御前で、これより新たに生まれた奇跡と必然をここに捧げます」


精霊王の流れる様な声に皆が聞き入る。そして語られたのは、この世界の創世記。創造神がこの世界を創った歴史が語られる。そして誓いの言葉。


「汝、パスカルはベランジェール・フォン・アベラールを病める時も健やかなる時も永遠に愛することを誓うか?」

「はい、誓います」

「汝、ベランジェール・フォン・アベラールはパスカルを病める時も健やかなる時も永遠に愛することを誓うか?」

「はい、誓います」

「これよりこの2人の誓いと共に、この世界にまた一つ愛が増えた事をここに宣言する!」


すると、精霊王の後ろにあった神像が光を放った。そして、これはレアにしか聞こえなかった様だが、頭の中に直接語りかける声で『おめでとう』と聞こえた。

結婚式はつつがなく終了し、パスカルはパスカル・フォン・アベラールを名乗ることとなった。そして雪崩れ込む様に屋敷で披露宴が始まった。披露宴には国王夫妻やオクレール公爵夫妻、エルフ王、神獣龍王テオファヌも出席した。これだけ国家元首が出席するのもレアの人脈の凄さを伺い知る一つとなる。出席した数多の貴族達が唖然とするのも無理ない話だった。


「いやぁ、賢者殿は相変わらずですな」

「オクレール公爵」

「ご本人の結婚ならいざ知らず、娘と弟子の結婚式にこれほどの方々が出席するなど、まずあり得ませんぞ」

「呼ばないと煩いんですよ。特にテオとエルフ王は」

「そうなのか?」

「主に拗ねてしまうのです」

「ははは!それは貿易を担う者としては死活問題ですな!」

「陛下は分かってくださるでしょうが、テオとエルフ王をお呼びするなら陛下にもご出席頂かなくては示しがつきませんし」

「だな。いや、気苦労が絶えませんな」

「そろそろ隠居に向けて準備を始めても良いでしょうね。まあ、隠居の前に大仕事があるんですけど」


レアの役割である貿易の要だ。あそこを最後に手掛ける事がレアの集大成でもある。何しろ『賢者=戦闘』という印象が強くて何かと物騒な印象が強い。そのまま隠居するとその内に『魔女』とか『神殺し』とか言われて恐れられそうだ。戦闘だけじゃないのよ?『破壊神』なんて思われたくないのだ。ケンじゃないんだから。


「誰が『破壊神』だ、コラ」

「あら、聞いてたの?」

「聞こえたよ。お前だって似た様なもんだろうが」

「貴方と違って自重してるわよ」

「ケンさんの〜広範囲型殲滅魔法で〜出来た穴が〜今では湖だものね〜」

「アレのおかげで雨が降っても川が洪水にならなくなったんだぜ?」

「結果論でしょうに……」

「ケンさんは〜後先考えないで〜魔法を使うものね〜」

「ありゃ地下にあった敵の本拠地ごと吹っ飛ばすのが目的で……!」

「限度ってものがあるのよ」

「あんな広範囲で〜吹き飛ばす意味なんて〜なかったでしょ〜?まぁ〜?レアを馬鹿にする発言があったし〜。気持ちは分かるけど〜」

「半分でもやり過ぎの威力だったのよ?洞窟どころか森の真ん中に大穴開けちゃって……後で陛下にどれだけ嫌味言われた事か」

「陣頭指揮取ったの〜レアだものね〜。レア可哀想だったよね〜。報告とか〜後始末とか〜、全部レアに放り投げちゃったものね〜」

「一国の皇子がはっちゃけた、なんて報告書に書けないもの。あの時程、セバスチャンを帯同していて良かったと思った事はなかったわ」

「セバスチャンも〜レアを馬鹿にされると〜簡単にキレるものね〜」


するとセバスチャンが会話に気が付いて歩み寄ってくる。


「バルテレミー帝国の皇子が短慮な行動を取ったと思われるよりは良いでしょうからね」

「おい、短慮って……」

「おっと、失礼しました」

「否定できないわよね〜。セバスチャン、ナイス〜」

「咎められない位、あの惨状は酷いわよ。流石は『破壊神』よね」

「ぐぅっ……!」


遠慮ない女子2人の言葉に返す言葉がなくなったケン。辛うじてグゥの音は出た様だが。


「流石は賢者様……!かの皇帝陛下に対してまるでご友人の様に……」

「いや、実際、400年前に名を残したかの神童ケン第一皇子の生まれ変わりだそうだぞ?」

「何と……!そういえば賢者様は皇帝の事を『ケンさん』と呼んでいらっしゃったな!」

「アルエ帝国の女帝もあの才女アンリ第一皇女を創造神様がお救いなさった姿だとか……」

「恐らく魔王騒動や邪神復活に対応させるためだろうな。賢者辺境伯を大人の姿で復活させたのは、魔王の復活があったからかも知れんな。王国での事は王国の者でなければ対応できぬからな」

「邪神の討伐や世界を包む結界に関しては皇帝や女帝の手も必要ですからな。皇帝や女帝になるために生まれ変わりになったのでしょうな」


なるほど。そういう解釈になってるのか。一応辻褄は合うよね。


「多少の事は納得できる形になるものです。そもそも、この世界を創造なさった神のなさった事ですからね。むしろ解釈できない事が起きても当然だと思います」


セバスチャンはレアに新しいワインを渡して言う。


「しかし理解できない事が起こると、人間としては畏怖の念を持つか信仰の対象になるかどちらかです。今回は創造神のなさった事ですから、信仰の方に上乗せされた形でしょう。しかしご主人様達の存在に関してはそうもいかないでしょう」

「いくら賢者と言われていてもその本質はただの人間だものね」

「はい。それは皇帝陛下も女帝陛下も同じです。故にどうにか辻褄を合わせて、納得できる形に話を成形する事で自身を安心させているのでしょう。3カ国の国家元首の信用を勝ち取っている貴族。それも『賢者』の称号を認められている辺境伯への恐れを、畏怖の念を沈めるために。既にこの国の貴族を2家と王太子とその妾を葬り去っているのも事実ですからね」

「レアに刃を向ける程の馬鹿なら滅びてもらった方がいいと思うけどな」

「それが畏怖になって〜、レアを恐れる奴らが〜徒党を組んで〜襲撃してきたら〜、それはそれで面倒よね〜」

「レアなら難なく追い払えるだろうが、それがいくつかの貴族によって雇われた闇ギルドだったら面倒な事になるからなぁ」


そこに陛下が歩み寄ってきた。レアとオクレール公爵は敬礼をする。それを手で制して陛下は難しい顔をする。


「今回のマニフィカ元男爵が雇った違法な召喚師が所属していた闇ギルドは支部だ。王家の関係者であるアニエス嬢に壊滅を任せたのは良い判断だっただろう。しかし、女帝陛下と皇帝陛下の懸念はもっともだ。もし現在のレア辺境伯軍に対抗するとしたら、闇ギルドの本部が動く事になるだろう。そうなればどう足掻いてもレア辺境伯本人が出撃する事になる」

「戦力や規模にもよるでしょうが、そうなれば私とケンさんとアンリ、セバスチャンとモーリスも帯同したい所ですね」

「そして討伐も闇ギルド本部の殲滅も夢ではない。恐らく手古摺る事もないだろう。だからこそ、だ。それが畏怖の念を増長させる事になるだろう。そしてそれこそが愚かな貴族達の狙いにもなるだろうな」

「神さえ頼りにする邪神殺しの賢者辺境伯。そんな戦力は一国の戦力では押さえ込めないでしょうし、残り2カ国は賢者辺境伯の仲間と考えれば共闘の望みも薄い」

「賢者辺境伯軍への対抗策もなく、ただただ畏怖の念が深まるのみになる」

「そしてそれは国家への反逆にも繋がる、と」


それが問題なのだ。正直言って自分達に対する畏怖は良いのだ。馴れてるし。しかしそれが国家への反逆行為につながるのは、上級貴族の爵位を賜っている身としては許容できない。


「そもそも邪神の再封印には創造神の力を借りたから、むしろ討伐したのは私達とは少し違うのよね……」

「アンジェーヌちゃんの〜肉体の復活に〜邪神のエネルギー半分は〜消費されちゃったものね〜」

「残りはダークピンキーの魔石に吸収したし、それも今は精霊達とベラのメシだもんな。復活したとしてもレアの弟子どころか王国騎士団で討伐できる状態になってるしな」

「ぬ?邪神の話か?」


アンジェーヌが近づいてくる。片手にワイン、片手には骨付きの肉を掴みワイルドに食べている。それでも美しく見えるのが不思議だ。


「龍脈鉱には既に邪神の意思以外は残ってないものね。それを封じているだけだから、神器を抜かれたとしても復活はできないだろうけどね。それでも龍脈に影響が出ると問題だし封じてるけど」

「うむ。あれに龍脈の神獣を侵されるのは問題じゃな。まあそもそも神獣を侵すなぞ、いかな邪神とて無理であるだろうが」

「ただ、エネルギーは影響を受けていたみたいだけどね」

「あれはエネルギーだからじゃな。それでも龍脈を支配できるものではなかった。むしろ主導権は龍脈にあったからの」

「龍脈神獣が邪神のエネルギーを吸い上げていた、と言った所でしょうね」

「逆に神獣が邪神の意思を侵食してエネルギーに変えそうじゃな」

「その方が楽なんですけどね。こればかりは龍脈神獣の意思に任せるしかないでしょうし」


あの封印の中で邪神の意思が消滅していたら良いのだけど。……そうしたらいよいよあの封印が無意味になってしまうから心中複雑だけど。


「ま、待て待て!龍脈神獣とは何だ!?報告書には書かれてなかったぞ!?」

「あ~……内容には関係なかったから書いてなかったですね」

「む。常識ではないのか?」

「今の時代、龍脈さえ認識外になってますから」

「知識の衰退も激しいのぉ」


アンジェーヌは困った顔になる。400年前までは常識だったんだけどね……。陛下達にも龍脈に住まう神獣について説明をする。


「なるほど……魔力の濃い居場所に生まれる神獣か」

「ピンキーの里の魔鉱石にも既に神獣の意思が生まれているのは報告したと思います。それが時間を掛けると、龍脈の様に完全な神獣になると思われます」

「ついに神獣を生み出すまでになったか、賢者辺境伯」

「あれはベラの魔力を使ったからです。私の魔力だけでは無理でしたよ。まあ、いずれはあそこのピンキーも復活するでしょうし、そうなったらピンキーの女王としてベラを据えるのもありでしょうね」

「「え」」

「うむ。ベランジェールの魔力で生まれる神獣なら、主人として認めるであろうな。そもそも創造神が生み出した神獣ではない故、独立した神獣に主人がいないのは危険が過ぎる。その点、ベランジェールをピンキーの女王に据えるなら問題もなかろう」

「パスカルくんは~人間だものね~」

「どうしても寿命があるからな。その後の身の振り方としては良いだろうな」

「妾も、いずれは龍の谷の龍王であるからな。王家に嫁ぐ予定はあったが、長い時の中で経験と見聞を広めるための方法に過ぎぬ故に」

「アニエスもいずれはエルフ女王だものね」

「そういえば、それもあったな」

「あの~エルフ王なら~まだまだ~先に~なりそうよね~」

「……アンリ。貴女、相当飲んだわね」

「え~?そんなには~飲んでないよ~?」

「いや、飲んでるな。喋り方が泥酔寸前の喋り方だ」

「まだ~飲めるもん~」

「止めときなさい。明日二日酔いで辛いのは貴女よ?飛行船でアベラール領に戻って、そこから船で戻るのよ?」

「飛行船はともかく、二日酔いのままで船は辛いぞ」

「あ〜ん!ケンさんの~意地悪ぅ~!」


ワインを取り上げられたアンリは取り返そうとしているが、ケンとの身長差はいかんともし難く、恨みがましい目でケンを睨む。


「ほら。そんな可愛い顔で睨んでも駄目だ。セバスチャン」

「はい、お水です」

「む~」


剥れながらも水を受け取り飲む辺り、二日酔いは回避したいのだろう。上目遣いでケンを睨みながら水を飲む姿は可愛らしく、ケンも思わず苦笑いだ。


「それ、誰にでもするなよ?」

「怖いから~?」

「色んな意味でな」

「?」

「大丈夫よ。こんな素を見せるのは私達の前でだけだもの」

「ああ、家族にさえこんな姿は見せないか」

「何よ〜。ケンさんの癖に~!」

「イテテッ!指ドリル止めろ!」

「……あれで恋仲ではないのだから不思議じゃの」

「あの男の平常運転よ。全く、女たらしなんだから……」

「ふむ。賢者殿にも気安い対応であるからの」

「女なら誰でも良いのでしょうね」

「その割には妾にはあそこまでの対応はせぬが」

「龍王を敵に回しそうですもの。神獣龍王相手に戦闘は避けたいでしょうね」

「納得であるな」


勝手な事を言っている中、国王と公爵は呆然としている。そしてこれが賢者からの王国への最大の気遣いであると思い至り、2人とも感謝の念が耐えなかった。レアは不死の身体を手に入れている。それは皇帝も女帝も同じ。そしてベランジェーヌもアンジェーヌもアニエスも長命種だ。つまりこの長命種族の首領を賢者の弟子や仲間から排出する事で、王国との繋がりを磐石のものとする事ができるのだ。各国の再開発や貿易の手配、各国との交流を手掛けながら魔王や邪神への対応に右往左往しつつ、ここまで王国に気を遣ってくれていた事に国王として感謝しかない。


「何としてもこの国の繁栄を維持しなければいけないぞ」

「はい、陛下」


国王と公爵は賑やかな賢者達を見ながら密かに決意を固めていた。それに気がついていたのはクリストフとセバスチャンだけであった。


予約投稿です。いいね、コメント、誤字脱字報告などありましたらお願いします。いいね・コメントは作者が喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ