ケンとアンリの魔獣討伐とダークピンキー
「そりゃ!」
「こっちもぉ~!」
「はいはい。それ以上は近寄らないでね」
賢者達3人は元気に魔獣討伐をする。レア程にはなっていないものの、過去の経験もあるためか、レベルの割に物凄い強さだ。ケンもアンリも嬉々として戦闘している。
「……一国の王の強さじゃないよな」
「はっはっはっ!お二人も相変わらずだな!」
アルバンが呆れながら戦っていると、モーリスは難なく襲ってくる魔獣を切り倒して笑う。レアと仲が良かった二人の事はモーリスもよく知っていた。その強さも知っている。
「ちょっと!深く入りすぎ!」
「おう!すまんな!」
「経験とレベルがズレてるんだから気を付けてよ!」
久しぶりの本格的な戦闘だからか、ケンがはっちゃけている。なまじ前世の記憶があるせいか深入りしているが、転生のせいでレベルがリセットされている。肉体が伴っていないのに突っ込んでいくから、レアが支援に必死だ。
「ケンさ~ん!落ち着いて〜!私達のレベル上げのためにレアが前衛を譲ってくれただけなんだから~、無策に突っ込むと死ぬわよ~!」
「……そうだな。これはゲームとは違う。夢オチなんてないんだからな」
ケンは幾分か冷静さを取り戻した様で、魔獣と距離を保つ様になっていく。そう、この世界はゲームとは違う。本当に死んでしまうのだ。
「さて。ケンが冷静になったところで、現状報告よ。奥の方にドラゴンがいる。リトルドラゴンだけどね」
「は!?リトルドラゴン!?」
「この森にいたっけ~?」
「報告は上がってないわね。初確認よ。流石に二人には荷が重いから、私が前衛を変わるわ」
「その方が良さそうだな」
「他の魔獣が近付かない様にしとくね〜。ケンさん、支援お願いね~」
「分かった」
レアはすぐにリトルドラゴンの所に向かった。道中の魔獣は細切れになっていく。
いくら『リトル』とは言っても、ドラゴンの中では『リトル』というだけで、その大きさは3階建ての一軒家と変わらない。ドラゴンだから強くもある。
「おぉっと!」
振り下ろされた尻尾で地面に大穴が空いた。久しぶりに遭遇した。一応警戒して戦闘しよう。
「……ん?」
リトルドラゴンの様子がおかしい。オーラが普通の魔獣とは違う。このオーラは……
「そうか!」
レアはハッと気が付き聖魔法を放つ。リトルドラゴンは苦しむ様に吠える。その隙に剣に聖魔法を纏わせて斬りかかった。リトルドラゴンは真っ二つになった。黒い煙の様なものが切り口から溢れる。中から真っ二つになった妖精のような姿も見えた。
「やっぱり……」
「レア〜!大丈夫〜?」
「ええ、問題ないわ」
駆け寄ってきたアンリにレアは答える。
「討伐した魔獣の一部にダークピンキーが取り憑いていた」
「リトルドラゴンにも憑いてたわ。こっちに憑いてたのはシャドーピンキーだけどね」
「上位種か。それが取り憑いたリトルドラゴンを討伐できる時点で、レアはやっぱり色々とアレだよな」
「前世の貴方達でも討伐できたじゃない。何だったら鍛える?」
「え〜。あの地獄の基礎訓練〜?」
「今なら討伐訓練もおまけするわよ」
「いらね〜……」
前世でケンもアンリも地獄を見ている。どれほど地獄か、身をもって知っている。とはいえ、それがどれだけ効果が高いかも知っている。だから、答えは一つしかないのだ。
「レアが神殿の設計を終えるまでやって行こうか」
「そうね〜。私達もいい加減、全盛期の力を取り戻さないと〜」
邪神を今一度封じるために、そしてその封印を守るために、力は必要なのだ。結局、王国には2週間滞在する事に決定した。
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