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賢者レアの復活  作者: huwanyan
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邪神対策会議

「で?結局、邪神は龍脈鉱に封印されてるのか?」

「それ、マズイんじゃないの~?」

「良くも悪くもって感じかな」


屋敷に遊びに来たケンとアンリと話をしながら紅茶を飲む。エルフ騎士団の緊急報告によると、邪神はやはり龍脈鉱に封印されている様だ。


「良い影響としては、おかげで魔素の補給がされているって事。邪神を弱らせるためなのでしょうけど、あの封印には魔力を吸い取る力があるみたいなの。吸い上げた魔力はそのまま放出。龍脈鉱にそれを施しているから、当然龍脈の魔力も吸い出しているわ。制御もせずに魔力を放出しているから、その魔力が魔素になって時間を掛けて世界に馴染んでいるのね。そこは有難いんだけど、その封印が解けそうになっている事が問題ね。現在の邪神にどのくらい力が残っているのかは分からないけど、龍脈から魔力を得ているなら全盛期とまではいかなくてっもそこそこの力のはずよ」

「今解けるのはマズイな。いくらなんでも勝てるわけもねぇし、封印だって出来ない」

「相手は神だもんね〜。どうする〜?このままだと封印は近いうちに解けちゃうし~、かといって封印をかけ直すのは無理だし~、戦闘なんてもっと無理だし~」


アンリはいつもののんびり口調は変わらず、しかし真剣に考えている。


「封印は……不可能ではない。邪神と戦闘するよりは可能性も高い」

「ほぉ?その方法とは?」

「とにかく龍脈を使った国の復興を急ぐ。そして3ヵ国のトライアングル防衛を製作する」

「その力で押さえ込むのか?」

「いくらなんでも無茶過ぎない〜?」


世界の龍脈を使って魔力を集め、それで封印の魔法を行使する。不可能ではないが、人間の身で行うのはリスクが高い。


「もちろん、それで魔法を行使するのは無謀だよ。ただ、私達には一つだけ規格外も甚だしい魔導武器がある」

「……あ、『神降ろしの宝剣』!」

「そうか、その手があったか……」


そう。実はこの世界では400年前、レア達からしたらまだゲームが公開されてすぐの『原初の魔王』が現れた直後。3ヵ国の同名の証として3人で作った剣があった。それは『神降ろしの宝剣』と呼ばれ、教会の神殿で執り行われた同盟調印式で神力が宿るという奇跡を起こした宝剣である。


「あれに魔力を集めて龍脈鉱に流せば、まあ不可能ではないよね」

「宝剣を刺しておく台を作って〜、それに刺せば〜、まあ半永久的に封印は解けないよね〜」

「抜く馬鹿さえいなければな」

「その対策も少し考えたんだけど、あの龍脈鉱を神殿で囲んじゃったら良いんじゃないかと思うの」

「神殿」

「そこに3つの祭壇を作って、そこに刺しておく。そこには私達以外は入れない様にする、と」

「確かに死ぬ事がない以上、いつかは皇帝の座を息子に譲る日を決めないといけないしなぁ」

「そうなったらその後に暮らす家を探さないといけないもんね〜。封印した場所を家にしてそのまま暮せば防衛も完璧だし、一石二鳥かも〜」


この話を誰かが聞いていたら、あまりの異次元っぷりに卒倒したかもしれない。


「龍脈鉱は海底にあるし〜、遺跡建設はウチで請け負うわ〜」

「設計はレアに頼む。俺の方で資材は確保するとしよう」

「分かったわ。じゃあ、早速設計に取り掛かるわ」

「その前に今夜の夜会だけどな」

「「あ、忘れてた」」


そう、今夜は夜会だ。レアは夜会が始まるまでのお相手を任されているのだ。皇子はヤンとパスカルがお相手している。もちろん、カミーユも一緒だ。


「失礼します。準備が整いました」

「分かったわ。では、参りましょう」

「は〜い」

「では参ろう」


ケンはアンリをエスコートして大広間に向かった。見た目だけは良いから、貴族達は見惚れている。まあ、中身はレア並に外見詐欺なのだが。


「では、今宵はバルテレミー帝国よりアルノー・フォン・バルテレミー皇帝とドナシアン・フォン・バルテレミー皇子、水の国アルエ帝国よりサラ・フォン・アルエ女帝がいらっしゃった。帝国とは先に色々とトラブルも起きたが、話し合いの結果、同盟を結ぶ運びとなり、また貿易も盛んに行う事となった。その同盟や貿易などを結ぶ足掛かりを付けたのはレア・フォン・アベラール辺境伯だ。辺境伯、前へ。そして皇帝陛下、女帝陛下も前へ」

「はい」


レアは前に出た。ケンもアンリも前に出る。


「400年前、黄金時代に賢者殿と共に『魔導具術師』として活躍していたケン第1皇子とアンリ第1皇女が創造神の御意志で転生していらっしゃった。そこで400年前のこの世界の秩序を取り戻すため、3ヵ国で同盟を結び龍脈を使った復興を行う事になった。賢者殿ほどの技術を有する『魔導具術師』はこの時代にはこの御三方しかおらんからな」


集まった貴族達は怪しんでいる。まあ、当然だろう。想定内ではある。何とかその実力を証明する事件でも起きたら良いんだけどね。魔獣爆発とかね。まあ、そんな都合の良い話なんてそうそう起こるわけないのだが……


ドカァン!


「し、失礼します!魔獣爆発です!」

「……おい、レア」

「まだ何も言ってない!」

「思ってはいたんでしょ〜?フラグは思ってるだけでも回収されるわよ~?」

「理不尽!!」


思う事も許されないのか!?


「まあ、都合が良いのは事実だけどな」

「そうね〜。地上の魔獣は久しぶりだけど~、リハビリも兼ねてやってみようかしら~」


ケンとアンリはそう言って魔力を纏う。


「仕方がないわね。前衛は頼んだわ。私は支援に回るから」

「あれ〜?突っ込まないの~?」

「規模にもよるけど、うちには弟子もいるからね」

「あ~、なるほど~」

「昔は仲間を放り投げて一人で突っ込んでたのになぁ。弟子を取ると変わるもんなのか?」

「レベル上げに固執してないのもあるわね。弟子のレベル上げが大事だし。ヤン、カミーユ」


散々な言われ様だが、レアは受け流しヤンとカミーユを呼ぶ。


「はい」

「お呼びでしょうか」

「二人は前衛をお願い。ケンとアンリがいるから滅多な事は起きないだろうけど、あまり深入りしない様にね。身の安全を最優先に戦う事」

「分かりました」

「承知致しました」

「パスカルは二人に指示を出しながら後方支援。うちの騎士達も向かってるからそちらにも指示をお願いね」

「はい」


ヤンとパスカル、カミーユはすぐにバルコニーから飛び出して行った。


「俺達も行くぞ!」

「私達の事バトルジャンキーって言ってたけど~、他人の事言ってらんないわよね~」


ケンが飛び出していくのを見たアンリは笑って言う。アンリも飛んでいくと、レアは苦笑いをする。


「本当に、皇帝と女帝だっていう自覚がないんだから……」


まあそんな二人に前衛を頼んだのはレアだが。レアもバルコニーから飛び出して行った。


「……元気だなぁ」

「クリストフ。お主、この状況での感想はそれか?」

「他に言葉が浮かびませんでした」

「まあ、そうじゃな」


一国の王が他国の魔獣爆発に何の躊躇いもなく突っ込んでいく。『元気だ』以外に感想が浮かばなくなっている一同も、レアに毒されているという事なのだろう。


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