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賢者レアの復活  作者: huwanyan
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『弱い』量産型魔王

城の会議室では陛下を筆頭に公爵、侯爵、辺境伯、そしてレアが召集された。


「各地に量産型魔王が出現し始めた、か」

「最初はオクレール辺境伯の領地に。私が出動し討伐しました。その後出現する魔王はアルバン達が討伐しています。討伐後には、『魔王の欠片』と魔王の所持品が落ちており、それには闇属性の魔力が纏わりついています。弟子やオクレール辺境伯軍が光魔法や聖魔法で浄化して持ち帰っております」


レアが回収した『黄金の指輪』の他に『黄金の首飾り』『黄金の耳飾り』『黄金のアンクル』『黄金の王冠』の4個がドロップしていた。魔王の欠片は討伐した騎士にあげているが、魔王の宝飾品だけはレアが回収している。一応浄化はしているが、何か起きたら大変だから念のためにレアが預かっているのだ。


「宝飾品の傾向から言って恐らく魔王は女性体。そもそもの魔王の起源は分かりませんが、一説には魔力を持たなかった子息を持った魔導師家系の貴族が、研究の末に行った人体実験に失敗。『賢者の石』の魔力を体内に取り込み変質した事で、魔法使いにはなったものの肉体が魔物化した事で魔王になったと言われています。魔王が誕生した時、実験場であった屋敷を中心として半径1キロは吹き飛んだそうです。その後、魔王は王国軍と貴族の私兵達、冒険者達で構成された大規模な連合軍によって、多くの犠牲を払い討伐。そして私がまだ新米冒険者だった頃に復活。何度か量産型魔王を産み出しつつ、400年前に突如として復活、と」

「そして現在、量産型魔王が出現し始め、いずれ本体も復活する可能性がある、と」

「ふむ、しかし少々弱いのが気になる、か」

「はい。私の時代でさえ10パーティを組んで討伐していたのに、私は単機で、アルバン達も5人パーティで討伐できています」

「対応できるのは良い事ではないですか?」

「もちろん、私以外でも可能なのは喜ばしい事です。そうは言っても辺境伯領で最初に出現した時は兵士に死人も出ていますし、弱いわけではありません。アルバン達だからこそ討伐できたのだと思います」

「しかしその弱さに若干の違和感を覚える、と」

「はい。私も数体を討伐しましたが、やはり一撃でした。もう少し調査は必要ですが、魔王の欠片に残るエネルギーも少ないものでした。私が所持していた欠片はもっと多いのですがね」

「魔王の力そのものが弱くなっていると言う事か?」

「もしくはエネルギーが別の場所に溜まっているか……もう一度、魔王が出現した場所に行って調査が必要でしょう」

「うむ。賢者殿、頼めるか?」

「承知いたしました」


そんな会話もあり、レアは兵士の交代に帯同して辺境伯領の森に来ていた。森には魔王の攻撃で地形変化を起こしていた。


「遠慮なく爆発するんだもんなぁ……うん?」


そういえば、あの時最後っべあったっけ?なかったよな。量産型も普通の魔王も最後っぺはあったはず。それがそういえばなかった。


「やっぱりエネルギーが足りてないのかな?」


魔王のいた辺りを入念に調べる。この地形変化を起こしたのは間違いなく魔王だろう。だとしたら魔王は少なくとも一度は爆破を起こしている。そういえば、魔王の出現を確認する直前に大きな爆発が起きたと言っていたな。


「最後じゃなくて最初に爆発か……」


そんな事、今までなかった。私がいなかった400年で一体何が起きたと言うのか。


「……さて、と」


レアはため息を吐いて、木陰に向かって魔法を放つ。


「ぐあっ!」

「そんな殺気放ちまくっていて気が付かないとでも思ったの?」


そう言って引きずり出したのは黒いマントを羽織った男だった。


「その姿は闇ギルドの奴でしょ?」


モーリスが最近教えてくれた闇ギルドの存在。犯罪行為を請け負う専門のギルドで、主に貴族が暗殺などを依頼するのだそうだ。金さえ払えば平民でも依頼はできるが、金額が金額なのでそう簡単ではない。


「とりあえず辺境伯にお願いしようか……でも暗殺されそうよねぇ……」


レアは少し悩み、そして考えるのをやめた。


「うん!セバスチャンに任せよう!」


彼は魔族だ。尋問なら得意だろう。しかも闇ギルドの構成員は呪縛紋を付けられているらしい。今はレアの魔法で発動しない様にはしているが、それを維持したままの尋問は難しい。その点、セバスチャンなら可能だ。

木の影からセバスチャンが姿を現す。レアは慣れたが、普通は驚くだろう。


「セバスチャン!尋問頼んだわ!」

「承知いたしました。どの程度で行いましょうか?」

「死ななきゃ良いわよ」

「かしこまりました」


セバスチャンは捕縛した男と共に闇に溶けていった。さて、どのくらいで結果が出るか楽しみである。


「賢者様としてはどう思われますかな?」

「魔王ですか?個人的には陰謀を感じますけど、証拠もありませんしね」


辺境伯の屋敷で紅茶をいただきながらお話しする。ここの紅茶を気に入ったのを知った辺境伯が定期的に送ってくださると言ってくださった。大変ありがたい。


「人の手が加わっていると言う事ですか?」

「魔王の誘惑に勝てる者はそう多くはないでしょう。魔王に唆されている人はいるかもしれません。そうなると、魔王の行動の違いも納得できますし」

「『魔王の最後っぺ』ですか……」

「それが最初に起きた事を考えると、それには証拠の隠滅を図る目的がありそうですからね」

「できれば魔王が現れる前にその場所を特定できれば良いのですがね……」


レアは少し俯いて考える。そして、真っ直ぐと辺境伯を見据えた。


「少しの間、辺境伯の私兵をお貸しいただけませんか?」


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