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賢者レアの復活  作者: huwanyan
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悲喜交々・死屍累々オクレール騎士団

「はぁ……はぁ……」

「ゲホッゲホッ!」

「き、きっつ……!」

「こ、これ、本当に毎日……?」

「やってる……もう、慣れた……」

「1ヶ月、毎日やっていたら流石に体力も付いてきましたよね」


辺境伯家から送られてきた兵士達に、例の地獄の体力強化訓練をやらせた。兵士なのもあり基礎体力はあるだろうという事で、現在は15周となっているパスカルとヤンよりさらに多く、20周をノルマとしている。パスカルとヤンは15周ノルマにも慣れ始め、ペース配分もできる様になっていた。兵士達もメニュー内容を見て最初から気合たっぷりでやるとキツイのは分かっていてペース配分はしていたのだが、それでもキツイのは変わらない。


「はーい!兵士さん達、あと2周ですよー!」

「ご、ゴールが……見えてきた……けど……!」

「あと2周、が、キツイ……!」

「まあ、そうでしょうね……」

「俺達もキツかったしな……」

「魔法使いの俺でもやらされたからな……」

「回復魔法の魔力を循環させながらやると少し楽なんだけどね……」

「それ、出来るのは魔法使いだけだからな?しかも回復魔導士しか出来ないだろ」


アルバン達もレアの屋敷に住む事になってからやる様にはなったが、かなりキツかった。今は慣れたが、それでも20周は厳しいものがある。今回も兵士達の見本も兼ねて同じ周回でやったが、兵士達より少し早く終わったのはやはり慣れなのだろう。

少し遅れて訓練に参加し始めたパスカルとヤンもすぐに追いつき、一番早い兵士と同時ゴールとなった。


「お、終わったぁ!」

「くはぁ!キツかったぁぁぁぁぁぁ!」

「お疲れ様でした。お風呂で汗を流して柔軟しておいてくださいね。筋肉痛で動けなくなりますよ?」

「ヤン……最初に、やっちゃったもんね……」

「柔軟が足りなかったんだよね。思った以上にやらないと辛いんだよね……」

「マジか……しっかりやっとこう……」

「この後なんだっけ?」

「魔力循環と剣術ですね。兵士さん達は森に行って討伐訓練です」

「ヤベェ……賢者様、鬼かよ……」

「否定はできないですね」


流石は貴族出身だけあり、ヤンは兵士達とすっかり打ち解けた様だ。環境が環境だったから内気ではあるけど、辺境伯家の騎士ともなると子供相手にもちゃんとした対応をしてくれるからヤンも嬉しそうだ。パスカルはまだヤンの後ろに隠れてしまうが、ヤンがいれば会話に入るまでになった。

そんな兵士達の悲喜交交を聞いてアニエスは苦笑いを浮かべる。自分も昔はそうだったから。


「お風呂の準備が出来ております。皆様どうぞお入りください」


セバスチャンの言葉に兵士達は大喜び。すぐに風呂場に向かう。


「流石は辺境伯家の兵士といった所でしょうか。初日でここまで出来る方はそういないでしょう」

「これなら周回数を増やしてもいけるかな……」

「もう少し様子を見ましょう。彼らはこの後に討伐訓練もあります。これだけ数がいると、全員一斉に増やせば壊れてしまいそうな兵士もいるでしょうから」

「そっか。そうだね。とりあえず1ヶ月は様子見る?」

「それが良いかと」


鬼の様なプログラム変更をしようとするアニエスと、それを上手く誘導するセバスチャン。おかげで兵士達は地獄を回避できたのである。


「ほらぁ、こっちまで来ちゃってるわよ?」

「うわ!悪い!抜けた!」

「任せろ!」


兵士達が行う討伐訓練はブリアック組がやっているのと近いもの。レアは結界を張った最深部におり、その周囲を二重の円形に兵士が取り囲み四方八方からくる魔獣やモンスターをひたすら討伐する。

これらはレアが定期的に捕縛している行動のおかしなモンスターと魔獣だ。

最近研究していて分かったのは、このモンスターと魔獣は繁殖力も高く、番で放置すればいつの間にか最低でも10倍には増えているという状態。そのため討伐してもすぐに増えてしまうし、捕縛しておくといつの間にか地下牢で繁殖してしまうという状態だ。まあ、訓練においては有難いため、地下牢で研究ついでに繁殖している。


「よし!討伐、終わりました!」

「お疲れ様。10分休憩ね。ポーション必要な人は使ってね」

「こ、こんなにあるのですか!?」

「うちの弟子の技術も上がってるからね。貴方達の討伐が先か、製薬が先か……。今回は製薬が先だったわね」

「ギリギリだったけどな。傷薬と毒消しと魔力回復薬、各50本づつ出来てるぜ!」

「ご、合計150本ですか!?」

「流石はお弟子さんですね……」

「まだまだだけどな。さあ、さっさと飲まねぇと次が来ちまうぜ?」


兵士達は慌てて自分の必要なポーションを取りに行く。


「兵士さん達、凄いっすねぇ!」


ブリアックは言う。見取り稽古もためになるからと、レアの側にブリアック組がいたのだ。


「うむ。辺境伯家の兵士だからな。元々のレベルも高い」

「ウチも基本は護衛やからなぁ。一撃必殺は難しいんやけどな。これ見とると勉強になるわ」


アメデはパワーが強すぎて爆散させてしまい素材が採取できなくなる。アリソンは主に盗賊を捕縛する事が多いのもあり、魔獣相手には決定打に欠ける時がある。そう言う意味では兵士達の戦い方は良い見本なのだ。


「はーい!始めるよー!」

「「「「「おう!」」」」」


レアの掛け声と共にモンスターや魔獣が大量に出現する。兵士達はこれを40回繰り返すのだ。当然、終わるまでに時間はかかり、屋敷に戻ったのは10時を回った頃になった。

兵士達はしばらくレアの屋敷に住み込む事になっている。当然だが、弟子達のために建てた離れには入りきらない。そのため兵士達用の宿舎を敷地内に急遽建てた。5人一部屋の寝室に大浴場、食堂、水洗トイレも完備。この世界では風呂と水洗トイレは貴族の屋敷にしかない。貴族お抱えの兵士の宿舎にも大浴場はあっても水洗トイレまではなくぼっとんトイレだ。レアとしては『集団生活だし、病気が蔓延したら困る』と言う考えで水洗トイレを採用したのだが、兵士達は大喜びだった。辺境伯家の宿舎でもトイレはぼっとんだったらしい。食堂も普通は兵士が交代で食事を作るそうだ。しかしレアの所ではセバスチャンが優秀なのもあり、カミーユと共に食事を用意している。体作りは食事からだ。バランスの良い食事は良い身体を作るのには必須である。兵士達は大喜びで食べていた。

後の時間は各々好きな様に過ごして就寝する。しかし朝は4時には起きる事になるので、兵士達は早めの就寝を心掛けている。そんな調子で過ごすからか、兵士達の表情は日に日にたくましくなっていく。1ヶ月で王都の屋敷や領地の兵士と交代するのだが、その様子の変わり様に辺境伯は驚いていたらしい。これで辺境伯軍は安心だ。


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