悲喜交々・死屍累々パスカル組
屋敷に残っているパルナぺ、ヤン、パスカルは別メニューで訓練を行なっている。ヤンとパスカルはとにかく体力を付けようと言う事で、訓練目的で建てられた別館でひたすら走る、泳ぐ、登る、駆け下りる駆け上がるを繰り返している。トライアスロンの様なものだ。
「ほら、あと3周!」
「はぁ……はぁ……も、もう限界……」
「何言ってんの!ほら!」
「ひえぇ!!」
「パスカルはあと1周よ!」
「はぁ……はぁ……うんっ……!」
「パスカル様は大分慣れてきましたね」
「ええ。ヤンより少し早く始めてるし、そのせいもあるけど。パルナぺは?」
「事務処理をしながら魔力循環。最初こそ苦労していましたが、徐々に上手くなっていますよ。あとはどれくらい魔力が増えるかですね」
「魔力量ばかりはどうすることも出来ないものね」
アニエスとセバスチャンは話す。長い付き合いなのもあり、気心の知れた間柄でもあるため仲は良い。同志の様な関係である。
「昔はアニエス嬢も半泣きでやっていましたね」
「確かにこれはキツいもの。これを毎日10周と、その後に魔力循環と剣術訓練とか、師匠も鬼畜よね」
「ご本人は平気な顔でこなしていましたがね」
そんな話をしていると玄関のベルが鳴る。来たのはモーリスだ。
「よぉ、お二人さん!」
「モーリス。仕事は?」
「終わらせて来たさ。主人は……小屋か?」
「ええ、戦闘訓練です」
「ははは!そりゃ地獄だな!して、こっちもこっちで地獄の基礎訓練か?」
「ええ。ヤンとパスカルは体力強化と魔力循環と剣術訓練。パルナぺは魔力循環と事務仕事よ」
「某ですら吐きそうだったからな。人の子でこれはキツかろう」
「パスカルは慣れて来たけど、ヤンは初めてだからね」
「主人も相変わらずだな!」
モーリスもアニエスと共にこの地獄の訓練を受けた身だ。元々体力のある龍人でさえ地獄だったと言うのだから、この訓練のレベルはお察しだろう。まあ、モーリスは体力を考慮して1000周だったのだが。
「この訓練は体力の配分も考えなければいけないからな。良い経験になるだろう」
「最初の頃、モーリスは体力配分なんて考えてなかったから最後は大変だったわね」
「ははは!某も若かったからな!いやはや恥ずかしい限りだ!」
「ご主人様はそれを見越して訓練を組んでいらっしゃいますからね。最初のアニエス嬢もそうでした」
「あれは黒歴史ね……」
「まあアニエス妃はパスカルもびっくりのじゃじゃ馬だったからな!」
「モーリス!」
「手の掛かる子ほど可愛いとは言いますからね、ご主人様にとってアニエス嬢もパスカル様もそうなのでしょう」
「は、恥ずかしいわ……」
するとパスカルが戻って来た。
「終わった……!」
「お疲れ様。お風呂に入っていらっしゃい」
「うん……」
「ははは!流石に疲れているな!」
「着替えの準備をして来ます」
「うむ。某が手伝う事はあるか?」
「では、もうすぐヤン様が終わりますので、そちらの着替えをお願いします」
「うむ、承知した!」
なんだかんだ言ってモーリスもセバスチャンに教育された事もあり執事の様な立ち位置が様になるのだ。無事にヤンも終わり、世話をしてくれるのがギルマスのモーリスである事にびっくりしていた。兄弟弟子の様なものだと知って尚驚いていた。
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