今後の事
夕食は弟子達の歓迎会も兼ねている。セバスチャンがサクサクと準備を進めていたおかげで、屋敷の中を案内して食堂に戻ってきた時にはすでに準備万端だった。相変わらず出来る執事である。料理はどれも美味しく、カミーユは特にその手際の良さに感激していた。
パスカルもここに来てから食糧事情が良くなったからか小枝の様だった手足が人並みになってきた。傷んでいた黒髪にも艶が戻ってきているし、少し顔も丸くなってきたせいか異様な目のギラつきも柔らかくなってきている。心境の変化もあるのだろうが。
「パスカル。カミーユは貴方の執事兼護衛として行動を共にしてくれるわ。しばらくはアルバンかデジレも一緒に訓練するけど、カミーユの修行が進めば2人で行動する事になるわ。
カミーユはこの屋敷の事はセバスチャンから教えてもらって。パスカルを護衛するに当たっての訓練は私が組むわ」
「わかりました」
「かしこまりました。パスカル様、よろしくお願い致します」
「……!よ、よろ、しく……!」
様付きで呼ばれるのは初めてなのだろう。少し緊張するのか、パスカルはドギマギしている。その辺はヤンが教えてくれるだろう。
「しばらくは修行漬けになるだろうけど、一通り済んだらブリアック、アメデ、アリソンは行商に出てもらう事になると思うわ。それを想定した訓練を組むから」
「「「はい」」」
「パルナペは屋敷に大量発生する書類の整理と私が留守の間に屋敷の防衛を頼む事になるわ。書類の関係はセバスチャンに習うと良いわ」
「わかりました」
「ヤンは修行の前に体力作りね。あと魔力を増やさないとね。その辺の訓練はパスカルと同じだから、しばらく一緒に行動する事になるわね」
「は、はい」
「アドリエンヌ、ベルト、アレットはパーティを組む事が多いでしょうね。3人で冒険者ギルドの依頼を受けながら修行をする事になるわ。アルバン達がやってた修行を組むわ」
「「「はい!」」」
「エンゾはポーション製作を主軸に行うわ。アルバン達もそうだけど、ブリアック組やアドリエンヌ組も本格的な実践に入ったら傷薬とか毒消しとかは必要になるし、上級ポーションを作れれば良い収入源になるからね」
「わかりました」
「体力作りと魔力を増やす訓練をするパスカルとヤンはアルバン達に任せるわ。敷地内の訓練場を使ってちょうだい。セバスチャン、警護を頼むわね」
「かしこまりました」
「残りは魔力媒体の使い方を教え次第軽い実践訓練をしに森に行くわ。生産職でもせっかく両立できる職業だし、素材を自分で調達できる程度には強くなってもらうわ」
レアの何かを企む様な笑顔に弟子達はゾクッとした。何する気だ、この師匠……
「ご主人様、企みが顔に出ておりますよ」
「そんな企んでなんかいないわよー」
「師匠、棒読みになってます。本当に何をするつもりですか……」
セバスチャンとアニエスは付き合いが長いだけにレアの鬼教官っぷりは良く知っている。アルバン達も荒波に揉まれたクチなため、『あぁ……』と何かを察した様で苦笑い。
「さて、明日から早いし、もう休みましょう」
そう言ってレアは楽しそうに食堂を出た。明日から弟子達は悲喜交交の修行の日々に明け暮れる事になるだろう。
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