表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者レアの復活  作者: huwanyan
1/68

プロローグ

新作投稿です、よろしくお願いします。

日暮 朱音、25歳。絶賛ブラウザゲームにどハマり中である。そのゲームはMMORPG『バトルアドベンチャー ヴァランティーヌ』。恋愛シュミレーション、バトル、魔法などの要素が合わさった大規模多人数同時参加型オンラインRPGだ。

今までのゲームと違うのは、『VRカフェ』でプレイができるという事。『VRカフェ』とはVRゲームをプレイできるネットカフェのようなものがあり、各社開発が進んでいるVRゲームの中でも抜きん出た技術で開発を進めているゲーム会社が経営に乗り出したのだ。座席に座り、ヘッドホンとマイク、VR用のアイマスクが合わさったヘッドセットを装着し、専用の手袋型コントローラーで操作をする。ビル一棟丸ごとこのゲーム用に建てられたらしく、毎日の様に満室となっている。

そしてもう1つ。このゲームの特異点は、とにかく最初から運要素が高いこと。プレイヤーが選択出来るのはスポーンする国。この世界にはバルバストル王国とバルテレミー帝国、水の国アルエ帝国がある。そのいずれかにスポーンするかをまずは選択する。これ以外は何とガチャ。貴族としてスポーンするのが一番良いが、それも運だ。その日の暮らしにも困る貧乏な平民に生まれることもある。正直言って両親がいるだけ良いもので、下手したら親のいないスラム出身という事もある。最も人気が高かった『魔法使い』は攻撃系か支援系か回復系か薬師かなど、とにかく細かく分かれている。ただこれはステータス上の経験値に対する補正に影響するだけで、基本的に属性魔法は何かしら持っているため回復魔導師であっても生産職をこなしたり攻撃魔法を得意としていたりする。その場合、後天的に『冒険者』や『生産職』などのスキルを得ることも出来る。

朱音は王国の平民出身。そして職業は『魔導具術師』。魔導具を使って魔法を行使する職業だ。これが結構汎用性が高く、他の魔法使いは属性魔法に適性がないと発動しないが、魔導具術師は魔導具を使えば全ての属性魔法が使える。そのため『魔導具術師』だけは属性魔法のスキルはないが、その特質上全てのステータスに補正がかかりレベルなどのパラメータがあがりやすいのだ。いくら後天的にスキルが付くとはいえ職業によって体力や魔力などのパラメーターが変動するため、最初から冒険者を持っている人と比べるとステータス補正がないのもありパワーが足りない。つまりこのゲームの中で全てのステータスに補正がかかり、冒険者でありながら生産職もこなせる『魔導具術師』は『大当たり』な職業だ。

そしてこのゲームには恋愛シュミレーション要素もあり、人気が高いのはやはり王子や貴族の子息との恋愛だ。主に女性陣の熾烈な王妃争いは、まさにバトルロワイヤルと言って良い。男性陣も可愛い王女様のハートを射止めようと策を講じていた。

そして何よりゲームとは思えないほどリアルな描写と世界観だ。五感こそないものの、その世界はあまりにもリアリティーがあり、本当にその世界に入り込んでいるかのようだ。しかもキャラクターが本当に柔軟に動いてくれる。会話もスムーズで、本当に人と会話をしているとしか思えない程だ。故に、年齢制限が18歳という規格外ゲームとなったのだ。

一人として同じ運命をたどる人がいない。予定調和もない。オンラインで他のプレイヤーとコミュニケーションを取りながら、パーティを組んだりクランを立ち上げたりする事も可能だ。プレイヤーは総勢6000万人。とんでもなくバズったゲームだ。


このゲームにどハマりした朱音はほぼ毎日、一日中ゲーム三昧している。大学を出て大手一般企業に就職したが、上司のセクハラに抵抗した結果『一身上の都合で』退職。しかし亡くなった両親の資産があるため、無職でも一人なら暮らして行ける。そしてゲーム三昧した結果のステータスがこちら。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:レア・フォン・アベラール

 出身:バルバストル王国

 身分:伯爵

 職業:魔導具術師

 レベル:2000

 体力:600,000/600,000

 魔力:800,000/800,000

  機動力;MAX

  演算力;MAX

  統率力;MAX

  生産率;MAX

  カリスマ;MAX

 称号:賢者/武神/ウェポンマスター/錬金術師

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


色々やりすぎである。当然ゲーム内の王国だって放っておく訳もなく、国王お抱えの魔導具術師として騎士達に魔導具を提供していた。そしてその功績が称えられて伯爵の爵位を賜ったのだ。……まあメタい話だが、『王国』とは運営であり要は広告塔になり運営に協力していたのだ。ほとんど職員である。

ちなみに報酬はゲームセンターの会員費と利用料の実質無料。というのも、会員カードと通帳を繋げていて、その通帳に報酬として5500円が振り込まれるのだ。会員費は月500円、飲み放題付き時間制限なし一回1000円。つまり、週一通ってかかる費用という事だ。

色々悩んだが国王はいい人だったし(運営だけど)、王太子は若干ヤンデレ系ではあったものの悪い子ではなかった(ゲームキャラだけど)。第2王子に弟子アニエスが嫁いだし(これに関しては運営に問い合わせたが含みを持たせた返答が返ってきたからあえて深くは考えない事にした)、夫婦仲も良かった。だからこそ協力は惜しまなかった。

イベントなどで戦えば常にトップ。魔導具を作らせれば一級品。パーティやクランなどには属さず、恋愛要素には一切触れず、唯一たったひとりイベントで知り合ったハイエルフのプレイヤー、アニエスを弟子として育てているだけだ。直接会ったことはなかったが、まあ詮索は無粋である。カフェに行けば羨望の眼差しを向けられ、あまり語らず、握手を求められれば応じる程度。小柄だが細身で、切れ長の目に腰まで伸ばしたストレートの黒髪を風になびかせ会場に来る姿は、まさにギャルゲーから飛び出してきた様な姿である。座席に座るとポニーテールにしてヘッドセットを装着する。他のプレイヤーからは『孤高の天才魔導具術師』と呼ばれる程になった。……ただ陰キャでコミュニケーションを取るのが苦手なだけである。そんな陰キャ特有の言葉数の少なさも、見た目が味方してクールビューティと言われていた。


予約投稿です。いいね、コメント、誤字脱字報告などありましたらお願いします。いいね・コメントは作者が喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ