エピソード34 心強い仲間達
数日後、ルーベルトが屋敷にレオドール辺境伯とオーレッド公爵夫人を私の屋敷に連れてきた。
さらに2人、中々会えない人間も一緒だった。
その中々会えない2人とは、アデール様とドナシエル宮廷魔導士様だった。
「事情を話して、皆に集まってもらった」
ルーベルトは、私にそう言った。
「ありがとう、ルーベルトと仲良くしていただいているようですね。代わりに、あなたの為に協力しましょう。この子の愛しているのは、あなただけなのだから」
アデール様は、私の手を取り言って下さった。
「私に色恋沙汰に協力できる力はあるかどうか分かりませんが、出来るだけの事はいたしましょう」
ドナシエル様が、続いて言う。
屋敷の応接間に、全員が集まる。
「まず、レオドール。お前に確認しておく事がある。お前は、ミネルヴァ王女が好きだよな?」
ルーベルトが、最初に口を開く。
「な!?」
レオドール辺境伯は、びっくりして目を丸くする。
「お前の態度を見ていれば分かる。正直に言え」
ルーベルトが、辺境伯を問い詰める。
「あー」
そう言われれば、私もそんな気がした。
「だから、この話に乗ったのだろう?」
ルーベルトが、言う。
「敵国の人間の中でも尊敬に値する人間だと思っている。確かに素敵な女性とは思っていたが、この私などとは釣り合いが取れなかったので、そんな事は考えもしなかった」
辺境伯は、顔を赤くしながら渋々口を開く。
「大事な話だ。お前には、ミネルヴァ王女を口説いてもらわねばならないのだからな。気持ちが無ければ始まらん」
ルーベルトが、辺境伯に迫る。
「ええ?本気か!?この私が?」
レオドール辺境伯が、目を白黒させる。
「大丈夫。辺境伯は、かなりかっこいいです。頑張って下さい!それに、私の見立てでは脈ありだと思います。敵国の嫌いな人と連絡網なんて、持ちませんよ普通」
私は、思わず、そう言った。
「シャローラとオーレッド公爵夫人は、二人のデートの作戦を立ててくれ」
ルーベルトが、私と公爵夫人に言う。
「もちろんです」
私と公爵夫人は、快諾する。
ルーベルトの、この話から始めたおかげで、場がかなり和んだ。
「さて、アデール様とドナシエル様には、私と一緒に公妾アリエッタ様の説得をお願いします」
ルーベルトが、アデール様とドナシエル様に言った。
「こちらは、簡単に行く話ではないですね。これは私の考えですが、シャローラお嬢様にも同行していただいた方が良いでしょう」
アデール様が、そう言われる。
その理由は分からないが、断る理由も無い。
「分かりました。私も同行いたします」
私は、そう言った。
「よし、とりあえずの方針は決まった!では、もう一人の協力者にも入ってもらおう。アンナ!お通ししてくれ!」
ルーベルトが、ドアの向こうにいるアンナに声を掛ける。
ドアが開くと、アンナが連れてきたのは…ミネルヴァ王女と護衛の方々だった。
王女は扇子で顔を隠し、じっとレオドール辺境伯の顔を見ている。
「うわっ!」
レオドール辺境伯が、思わず椅子から滑り落ちそうになる。
「あの、どの辺りから聞かれていましたか?」
辺境伯が、王女に聞く。
「最初から全て…」
王女が、呟く。
「兄さん、図ったな」
辺境伯が、ルーベルトを恨みがましく見る。
「奥手の、お前には、このくらいの機会が必要だろう?」
ルーベルトは、ニヤリと笑う。
「それで、王女様。この話に協力していただけますか?」
私は、ミネルヴァ王女に聞いてみた。
「私の使命を果たせるのなら…しかし、レオドール辺境伯とは色々な因縁が。人となりを知らないと不安です」
王女は、扇子で顔を隠したまま、レオドール辺境伯から視線を外して言った。
それを聞いた公爵夫人が、レオドール辺境伯の耳元に口を寄せ、何か呟いた。
レオドール辺境伯は、すっと立ち上がり、王女の前に立つ。
「よろしければ、まずは静かなところで、お茶でもいかがでしょう?あなたとは、もっと話をしてみたかった」
辺境伯は、目の前で王女をデートに誘った。
いざとなれば、さすがは武人。
私に手紙しか送ってこれなかったルーベルトよりも男らしかった。
「それは、私も同じですわ」
ミネルヴァ王女は、それを受けた。
私達は、思わず拍手した。
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